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『言葉で紡ぐ恋のライム』〜マイクで紡ぐ恋の予感?〜
番外編11『命をかけて、守ると決めた』後編
深夜 結婚式会場 ホテル棟
『…なんか、匂いが…焦げ臭いような…』
私はベットから起きて、部屋の外を確認する。
『黒煙…!?火事だ!百合菜!起きなさい!』
『お姉ちゃん…?どうしたの…?』
『家事よ!早く!』
『えぇ!?家事!?』
『火元は…ここは3階だから…1階から煙が回ってきたのね。百合菜、隣の部屋にいるみんなを起こしてきて、私は蘭に連絡する。』
『わ、わかった!』
『もしもし、お嬢様どうかなさいましたか?』
『蘭!今すぐホテル棟に来て。火事よ!』
『火事!?』
『私はホテル内のみなさんを外に避難させる。結婚式会場にいる千鶴と2人で救急車が来るまで火を抑えて欲しいの!』
『かしこまりました!』
コンコンッ!
『皆さん!起きてください!火事です!』
『なんだって!?』
『なんで火事なんて…』
『そんなこと言ってる場合じゃないだろ!避難するぞ!』
みなさんを起こして外に出る。
『みなさん、エレベーターは開きません!階段を使って外に降りてください!早く!』
『お姉ちゃんも早く!』
『ダメよ、まだ上の階にお客様がいる。幹事として最後まで役目を果たすわ。』
『お嬢様!』
『千年!千羽!千代!どうしてここに…』
『鎮火はお兄ちゃん達がやってくれてます、私達はお嬢様たちを避難させるように言われたんです。』
『分かったわ、それなら百合菜とみなさんをお願い。私は上の階のお客様を避難させる。 』
『でも、お嬢様は…』
『私は大丈夫。1階と2階のお客様はもう避難できてるのかしら。』
『はい、1階2階のお客様は既に避難しています。』
『良かったわ…。このホテルは5階建てだから…3階の部屋のお客様と百合菜、みんなを外に避難させるのは任せてもいい?』
『もちろんです、行きますよ、皆さん。』
『麻里衣!後は救急車の奴らに任せておけばいい!お前も一緒に……。』
『……ダメです。新郎新婦の2人はまだ部屋にいるんです。まだ上の階には火元は回っていません。大丈夫です。ちゃんと戻ってきますから。』
左馬刻さんの手を振りほどき、4階へ向かう。
『左馬刻さん。お嬢様は止められませんよ。正義感の強い方ですから。』
『麻里衣……。』
4階
『起きてください!火事です!』
私は非常ベルを鳴らす。
『火事!?早く逃げないと…!』
『まだ火元はここまで来てません!煙を吸わないように気をつけてください!服で口を塞いで姿勢を低くしてください!』
『分かりました…!』
私は4階のみなさんを避難させる。
『これで全員かな…。』
(5階にいるのは新郎新婦の2人…。急がないと…。)
バタバタ…ッ!
5階
ジリリリリリ!!
非常ベルを鳴らして、5階の部屋の扉をノックする。
コンコンッ!
『起きてください!火事です!』
ガチャ
『ま、麻里衣さん!?火事って…』
『佳奈美さん!火事です!早く逃げてください!』
『火事!?そんなどうして…』
『火元は1階からのようです。生憎ここは最上階ですから火元はまだ回ってきてません。ですが、煙を吸わないように低い姿勢で非常階段で降りてください!』
『は、はい!貴方、起きて!』
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椎名
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8
不羽@見る専に戻りたい……が…
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私は新郎新婦を連れて外へ向かう。
結婚式会場 ホテル棟の外
『お姉ちゃん…まだ戻ってきてない…。』
『大丈夫かよ…くそ、やっぱり俺も一緒にいれば良かったか……。』
4階廊下
ゴォォォォ!!
『嘘…火がここまで…。』
『もうダメね…せっかく、今日幸せな1日だったのに、こんなこと……』
『……。佳奈美さん。大丈夫です。必ずお二人とも救ってみせます。幸せな1日に出来ず…申し訳ございません。ですが、その代わり、必ず2人を救います。』
『麻里衣さん……。』
『新郎様、佳奈美さんを抱っこして階段を降りてください。私は消化器を使って火を消していきます。』
『わ、分かりました。』
私はハンカチを噛み、消化器で消していく。
そして、2階までたどり着いた時だった。
『えーん!えーん!』
『え…!?もしかして、迷子…。一体どこに…』
『麻里衣さん、火が……っ。』
ゴォォォォ!!
『…っ!佳奈美さん。先に階段を降りてください。』
『え!?まさか、この火の中を……。』
『子供が残っているんです。探して早く外に……。』
クラッ。
『っ!』
(煙を吸っちゃったのね…。頭が…。)
『麻里衣さん!貴方も早く逃げないと!』
『ダメです、私が外に出て救助隊が駆けつけるんじゃ間に合いません。』
『新郎様。行ってください。必ず…2人で助かるんですよ。』
『っ…!』
私は声のする方に走った。
バシャーンッ!
御手洗の水道をひねり水を被る。
『これで暫くは大丈夫ね。』
『ひっく、ひっく…』
『声が近い…。この近くにいるはず…。』
『…!お姉ちゃん……?』
『大丈夫?助けに来たわ。もう平気よ。お姉ちゃんに掴まっててね。』
私は子供を抱っこして外へ向かう。
『お姉ちゃん……っ。あ!新郎新婦の人が…!』
『百合菜さん!』
『佳奈美さん!お姉ちゃんは…』
『はぁ、はぁ、麻里衣さんは、まだ中に…
子供が取り残されててその子を助けに…』
『っ…でも、火がもう…。』
消防士が火を消しているが火の回りが早い。
『麻里衣さん…。』
『……。』
俺は頭から水を被る。
バシャーン!!
『い、一郎君…?』
『助けに行ってくる。』
『え!?無茶だよ兄ちゃん!』
『そうです一兄!』
『好きな人は死んでも守りてぇんだよ。』
『『兄ちゃん…。一兄…。』』
『……!あ、あれ……!』
『はぁ、はぁ……。』
私は子供を抱き抱え、外に出る。
『お姉ちゃん…!』
『百合菜…大丈夫、みんな無事よ。避難させたから。』
『良かった……。』
『……っ!』
私は少し離れたところにいる男に視線を映す。
《なんで、みんな避難出来てるんだよ、くそっ。あの新郎新婦が狙いだったのに、ふざけんな…っ!1人くらい死んでくれれば…》
『……。』
私はその人の心を読み近付く。
『貴方が放火魔ですね。』
『!』
『お、お姉ちゃん?』
『…放火魔は火事場に戻る。当たり前ですよね。火がどれくらい回ったか、確かめる為。』
『な、何を根拠に…』
『ホテルに泊まってた方じゃないですよね?
どこにも黒い煤がついてない。それに…貴方から香るガソリンの匂いと……嘘まみれの黒いオーラが見えます。』
『くそ…っ!お前のせいで、お前のせいで――!!』
男は刃物を振り上げる。
『っ……!』
私は目を瞑る。
グイッ!ドガッ!
『…!!』
『空却…君。』
『拙僧の惚れた女に何しようとしてんだよ。』
空却君が私を抱き寄せて男に足蹴りする。
『怪我ねぇか?』
『う、うん…。』
『ならいい。ったく。無茶しすぎなんだよ。』
『ご、ごめん。』
男は新郎新婦の同僚だそうだ。新婦のことが好きだったそうだが振られて腹いせにこんなことをしたらしい。
『麻里衣さん。病院に行きますよ。煙を吸い込んだでしょう。』
『寂雷さん……。』
『失礼しますよ。』
『わっ。』
お姫様抱っこされる。
『じ、自分で歩けますよ…』
『いいから。私は医者だよ。』
『お姫様抱っことは関係ない気が……』
こうして、火は鎮火し、男は捕まった。
数日後――。
『改めて披露宴が出来てよかったね。』
『うん。新郎新婦も幸せそうで何より。』
『お姉ちゃんも大丈夫?』
『えぇ。心配かけてごめんね。』
『もう…お姉ちゃんは無茶して。』
『ふふ、ごめんなさいね。』
バルコニーで百合菜と外を眺めていた。
ポンッ。
『い、一郎くん?』
『もう無理しないでください。わかりましたか?』
『う、うん……』
『そうだ、一郎かっこよかったんだよ。好きな人は死んでも守りてぇんだよ。って。』
『ちょ、乱数!』
『一郎君……』
『っ…』
『ふふ、ありがとう。』
ニコッと微笑む。
『は、はい…///』
めでたしめでたし…♡♡
コメント
1件
わあああ番外編も熱すぎるよ…!🔥💕 麻里衣ちゃんが自分の命を顧みずに避難誘導して、子供を助けに行くところ、本当にヒロイン強すぎて泣けた😭✨ 空却くんの「拙僧の惚れた女に何しようとしてんだよ」は現場で正気保てないレベルにかっこよかった…!一郎くんの「好きな人は死んでも守りてぇ」も胸に刺さったよ…!みんなで無事に終わって本当に良かった♡