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🍎🥧アップルパイ
53
#ブルーロック
🍎🥧アップルパイ
59
#もしかしたらグロいかも
海月
38
両手を縛られた俺と爺やは、海賊船長と船員に連れられ、古びた漁師小屋へとやってきた。
フルーツ屋のおばちゃんが言ってた通り、ここが賊のアジトのようだ。
中へと入ると、ボロボロのボートと梁にかけられた投網が目に入り、奥には黒服の傭兵が5人ほど見える。
「おい、王子を連れてきたぞ」
「ご苦労」
俺と爺は船長に突き飛ばされ、ゴリラみたいに筋肉質な男の元へと行く。
眉から頬にかけて縦の傷が入った、いかにも闇組織風の男だ。
「ようこそ豚王子、オレたちヴェノムタランチュラのアジトへ」
「随分と魚の生臭い臭いがしていい感じですね。毒蜘蛛の巣にはぴったりだ」
「なかなか肝が座ってるじゃねぇか。今からテメェは干物みたいに開きにされるっていうのによ」
ゴリラ男はダガーを持って、ニマニマと笑みを浮かべる。
(精々今のうち勝ち誇っておけ、お前ら全員ナハトの股間爆破で玉と竿ふっ飛ばしてやるからな)
するとゴリラ男が、俺の聖剣に気づいて腰から抜き取る。
「あっちょっと待って、それはまずい」
「かわった剣だな。こいつはいただくぜ」
「それは非常に困る。返していただきたい」
「うるせぇ知るかよ」
俺はゴリラ男に腹パンを食らってうずくまる。
「うぐっ」
「ラウルちゃん!」
椅子に縛り付けられていたステラが、俺達に気づいて大声をあげる。
「マ、ママ上!」
ここにいたのか。良かった。いや、良くはないのか。
船長はゴリラ男の隣のガリガリ男に手を差し出す。こいつこそ骨と皮だけの干物みたいな奴だ。
「さぁ王子を生かして連れてきたぜ。約束の成功報酬を払いな」
「そうだったな。ベア、報酬をやれ」
「了解スネーク、これが報酬だ。とっておけ」
ベアと呼ばれたゴリラ男は、背中に隠し持っていた小型のクロスボウを発射する。
3連式の矢が、船長の隣にいた船員に突き刺さる。
「カ、カシラ……」
「貴様、裏切ったな!?」
「裏切る? オレ達はテメェらのようなドブネズミと仲間になった覚えねーよ」
「この野郎ぉ!!」
船長はカトラスを抜いて襲いかかるも、ゴリラ男がダガーで弾き返す。
ガキンと金属音を響かせ火花が散ると、ボロいカトラスはその衝撃で刀身がへし折れてしまう。
「ボディロック!」
船長の体勢が崩れたところに、スネークがバインド魔法を使用。
空中に現れた魔力の鎖が、彼女の体を拘束する。
「バカな女だ。テメェらみたいな盗むしか脳がない奴は、使い捨てられて終わりなんだよ」
「ざけんじゃねぇ!」
身動きできない船長をタランチュラ団員たちはせせら笑うと、小屋の中に何かを撒きはじめる。
その独特の匂いですぐに油だと気づく。
「さぁ女、金庫の場所を答えろ。さもなければ愛しのラウルちゃんは黒焦げだぜ」
ゴリラ男はこれみよがしにマッチを見せつける。
「………答えます。ですから、どうかラウルちゃんだけは助けて下さい」
「なら早く在処を言え」
「金庫は……わたしの体の中です」
「ふざけてるのか女!」
ベアが殴りかかろうとするのをスネークが止める。
「待て、圧縮魔法によって体内に魔道具を仕込む方法がある。常に金庫を持ち歩くというのはある意味一番安全だ。女、金庫の鍵は?」
「存在しません。メッサー王により封印されており、それを解くことができるのは彼だけです」
「チッ……どうするスネーク?」
「開ける方法は後で考えればいい。金庫を取り出すぞ」
「どうやって?」
「王子ごと一緒に焼き殺せ。死体から抜き取る」
「そんな、わたしはどうなってもいいです。ラウルちゃんだけは!」
「恨むなら、メッサー王を恨むんだな」
タランチュラたちは漁師小屋の外に出ると、マッチをすって放り投げる。
直後ボンッと大きな炎が舞い上がり、小屋が炎に包まれる。
「あばよ、お前たちがバーベキューになってる間に、オレ達は船をいただくぜ」
ガハハと笑いながら去っていくタランチュラの連中。
小屋の中は燃料に引火した火が激しく燃え上がり、木材が焦げる臭いと黒煙が充満していた。
梁にかけられた投網を伝い、炎が柱へと燃え移っていく。
「まずい」
俺と爺やは縛られたまま床に転がされ、ママ上は椅子に固定されて動けない。
聖剣は持っていかれて、ナハトは出てこれないみたいだし、このピンチをどうやって切り抜ければいいかわからない。
「ラウル様、この爺や、まさか葬式を飛ばして火葬されることになるとは思っておりませんでした」
「ブラックジョークは笑える時に頼む」
「申し訳ございません」
「ラウルちゃん」
「ママ上。ごめん助けにきたのに、こんなことになって」
「ラウルちゃん聞いて。ママ、鍵はないって言ったけど、本当はあるの」
「えっ?」
ママ上は服が破かれて露出した胸元を張って見せる。するとそこには何か紋章のようなものが刻まれている。
俺はその紋章に見覚えがあり、むちむちのクリームパンみたいな自分の手の甲を見る。
そこにはトカゲかドラゴンかよくわからない紋章が刻まれている。
「これは……俺の紋章と同じ」
「金庫は王の資格があるものに開かれるの。ママの体から聖剣を抜いて」
「えっ、金庫の中身って聖剣だったの!?」
「ええ、ラウルちゃんならきっと使いこなせるはずよ」
「と言っても手が縛られて、身動きが……」
「お任せ下さいラウル様、爺がこの程度のロープなど噛み切ってみせます!」
「頼む爺」
爺は俺の腕のロープに噛みつく。
「ぐぐぐ、なかなか硬っ……あっ」
「どうした爺、なんの”あ”だ!?」
「申し訳ありません、爺の入れ歯がとれました」
「えぇ……」
やっぱジジイはダメだ。若いのに頼まないと。
「おい海賊! なに呆けてるんだ、その鎖といてこっち助けてくれ! お前ら裏切られたんだろ、ここは共闘といこう!」
さっきまで元気良かったのに、魔力鎖を巻かれた海賊は俯いている。
「このままじっとしてたら焼け死ぬぞ! 魔力鎖は術者が遠くに行くと拘束力が弱くなる。おい、聞いてんのか!?」
「結局あたしみたいなバカにはお似合いの最後だな」
「なに自分の運命を受け入れてるんだ! ここで死んだらお前は一生搾取される側で終わりだぞ!」
「うっせーな! お前にあたしの何がわかるんだ、ガキの頃からドブネズミみたいな暮らしで、正しいことをしようとしても悪評が邪魔をする。盗むこと以外続けられなかった、あたしの気持ちが!」
「やかましいわ、こっちは悪王のレッテル貼られて街人には総スカンされるし、兄貴には無能豚とこき下ろされる。頼りになるのは入れ歯のはずれたジジイと頭ピンク色なサキュバスだけだぞ! お前には仲間がたくさんいて恵まれてるだろうが!」
「…………仲間」
「あいつらお前の船を奪いに行ったんだろ。このままじゃお前の仲間皆殺しにされるぞ!」
「そんなの許せねぇよ!」
「ならお前、あんなわけわからん毒蜘蛛組織じゃなくて俺に雇われろ!」
「嫌だね、あたしはリガルドって国が嫌いなんだ」
「その気持はそのままでいい、国に仕えるんじゃなくて俺に仕えるんだ。お前を俺の騎士にしてやる!」
「テメェさっきから何言ってんのかわかってんのか!? 海賊を騎士になんかできるわけないだろ!」
「俺は裏切らない! ドブネズミと豚王子で這い上がるんだよ!」
その言葉が届いたのか、ヨハンナは目を閉じて思いっきり両腕に力を込める。
「はぁぁっ!!」
魔力の鎖を引きちぎり、自由になったヨハンナ。
彼女はすぐさま俺の拘束を解いてくれる。
「国は大嫌いだが、お前は信用してやる!」
「ありがとう!」
「うわ、ジジイの入れ歯がロープに刺さって……」
ヨハンナは外れた入れ歯に嫌悪感を示しつつ、ロープを外してくれる。
自由になった俺は、ママ上の前に立つ。
すると呼応するように、俺の手の甲の紋章とママ上の胸の紋章が光りだす。
「まさかこんな短時間で2本目を抜くことになるとは」
コメント
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うわっ、第11話めっちゃ熱かった…!🔥 ラウルが海賊のヨハンナに「俺の騎士にしてやる」って叫ぶシーン、胸が熱くなったよ。お互いの不幸自慢の応酬から、まさかの共闘に発展する流れが最高だった。しかも聖剣がママ上の体内に隠されてたとか、設定が重厚すぎる…! 入れ歯外れた爺のギャグも笑ったけど、火の中での緊張感がちゃんとあって、一気読みしたくなる展開だった。続きが気になりすぎるよ〜!