フェネスside
最近主様の様子がおかしい。
主様は本が好きでよく書庫に来てくださる。
俺のおすすめの本を読んでくれたり、感想を共有したりしていた。
だが、最近あるじさまは書庫に来てくださらない。
なにか気に触ることをしてしまったのだろうか。
そう悶々としていると、執事の間だけで会議が開かれることになった。
どんな議題かはその場で話すらしい。
会議当日
ベリアン「今日の会議の議題は、、主様についてです。」
やはり主様についてだった。他の執事も主様の異変に気づいているらしい。
近頃の主様のおかしな点を執事達は次々と挙げていった
ハウレス「呼びかけても返事がないことがあるな」
アモン「花言葉について詳しく聞かれたっすね〜」
ボスキ「ぼーっとしながら俺の髪をかれこれ30分は触ってたぞ」
ラムリ「ボス狡い!!」
同室の執事達も主様についての異変に気づいていた。
ロノ「最近料理を教えて欲しいって言ってくるんですよ」
バスティン「動物の扱い方についてよく聞かれる」
ベリアン「マナーについて再指導して欲しいとお願いされました」
ナック「人の褒め方について聞かれましたね。まぁ私の褒め言葉は主様限定ですけどね✨」
ラムリ「最近僕と遊んでくれなーい!」
ルカス「人との上手なコミュニケーションの仕方について聞かれたよ」
フルーレ「最近服選びに熱心なんです!」
ミヤジ「リラックス効果のあるものに関して聞かれたね。熱心にメモもしていたよ」
ラト「ふむ、、最近の主様は音に落ち着きがないですねぇ」
ユーハン「浴衣の着方について教えて欲しいと言われました」
テディ「コーヒーの綺麗な飲み方について聞かれました!主様とお茶もできてラッキー!」
ハナマル「え?俺何も聞かれてないんだけど??、、、でも最近ため息が多いと思うな」
どれも些細なことだが主様がなにかをしていようとしているのは確かだ。
フェネス「何か悩みでもあるのでしょうか、、」
ベリアン「そうかもしれませんね。自分磨きを頑張る主様も素敵ですが無理はよくありません」
ルカス「誰かが直接聞いてみるのはどうかな」
ナック「いいと思います。主様は自分からお話するような人柄ではないので会話の中でサラッと聞けば話してくれると思います」
ハウレス「それではフェネスに聞いて貰うのはどうですか?」
フェネス「え!?俺!?」
ユーハン「確かに、、フェネスさんは主様と特段仲がよろしいですからね」
え?俺そんなふうに見られてたの?
フェネス「わ、分かりました。頑張ります、、!」
次の日
今日は主様が書庫に来てくださった。
何やら熱心に筆を走らせている。
フェネス「主様。そろそろ休憩しませんか?」
主様「そうだね、、」
主様は顔を上げて微笑んだ
フェネス「紅茶を入れますね。」
主様「、、、」
フェネス「主様?」
主様「あ、うん、、、えっと、、なんだっけ?」
フェネス「主様、、何か悩み事があるのではないですか?」
主様「あー、、うん。実はね、、、」
やはり主様は何か悩み事があるらしい
主様「す、好きな人が、、できたんだ」
、、、、え?主様に好きな人ができた?だから自分磨きをしていたのか、、、
フェネス「ど、どんな人なんですか?」
主様の好きな人、正直すごく気になる
主様「あっ、えっとね、恋愛的な意味じゃなくって!その、ファンというか!憧れって感じで!」
フェネス「そうなんですね!」
あ、安心した。でも主様の顔はさながら恋する乙女のようだ
主様「あのね、すごくかっこよくて綺麗でね!とっても優しいんだ!」
俺とは程遠い存在だな、、相手が羨ましい
主様「遊ぶお約束もしたんだ!だから頑張ってるの」
フェネス「頑張ってくださいね」
ああ、、羨ましい。その嬉しそうな顔を、目を俺に向けて欲しいというのは我儘だろうか
この後主様の好きな人が女性の先輩だと知らされ安心しまくるフェネスであった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!