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ま
365
みん
416
#カンヒュイラスト
なぎさ
1
#旧国注意
注意
戦争賛美の意図はありません
日中、中日(カプ名あってる?)あり
中国がメインですが、呼び方多くてややこしいので基本「中国」で統一
OKの方はどうぞ⇩
久々の遠乗りだった
原野を、馬に乗って駆けている
並走してくる小さな影が一つ
「中国さん!どうです?馬は中々に乗りこなせているでしょう!」
日本だ。少し前から面倒を見ている
我について来るとは、かなりの才覚を持っているようだ
「まぁ、そこそこアルね」
「そろそろ他の事もやってみたいのです、俺は」
まぁ、ここまで乗馬をこなせるなら他にも教えてやっていいだろう
「……弓でもやってみるアル?」
「いいのですか!?是非やってみたいです」
「じゃあ、明日にでも我の庭に来るアルね」
調子のいい奴だ
人懐っこい目をしている
この目で見つめられていると、調子が狂う
次の日、朝早くから日本が訪ねてきた
「よく来たアルね」
「早くいろんな事が出来るようになりたいのですよ」
こいつの向上心はどこまでも続いているようだ
「まあ、まずは見ておくアル」
三矢を構えて、弓を引く
三本とも、的の中心近くに深く突き刺さっている
「確実に射ることが出来るのは三本だが、本気を出せば五本はできるアル」
弓矢の扱いは上手い方だと自負している。実際、自分に弓で勝ったものはいないのだ。
「三矢、練習で射る事ができれば、実際の戦なんかでも一矢は確実に打てるようになるアル」
「まずは一本、やってみるアル 」
目をきらきらと輝かせている日本に話しかける
「、あぁ、はい」
日本が弓を引き絞り、放つ。
矢は的の中心から少しずれたところに突き刺さった
「その調子で、暫くやってみろアル」
「はい」
半刻と経たないうちに、日本が根をあげた
「つ、つかれました……」
「まぁ、最初はそんなもんアル」
何本かは的の中心に突き立っている
やはり、才能はあるのだろう
大分体力を使っただろうから、 しばし休憩をする事にした
「中国さん」
「俺は、軍に入れるでしょうか?」
急に口を開いたかと思えば、そんな事を言い出す
「そりゃあ、勿論……」
このまま行けば将軍にだってなれる、という言葉を飲み込んだ
目の前の少年は、言えばそれ相応の努力をするだろう。でも、それに危なっかしさを感じていた
同時に、この少年が軍に入って指揮をしている姿を間近に見たいとも思った
「まずは姿勢を直すアル。それから、腕の角度ももう少し上アル」
そのままの姿勢だと消費する力が大きい。体力を温存するために、最低限の力でできるようにしておかなければならない
それをすると、日本の調子は目に見えて良くなった
「すごいです。こんなに変わる物なんですね」
日本が感嘆の声を漏らす
素質がないと、一発でここまで変わりはしないだろう
これは将来とんでもない大物になってもおかしくなかった
暇な日はほぼ毎日、日本に技を仕込んだ
剣だけでなく、槍や戟なんかも教えた
日本は殆どの事は時間を掛ければ難なくこなせるようになった
元から小柄なので、肉弾戦にさえならなければ相当の力を発揮するだろう
「そうだ、日本。今度、大きな戦があるから、一緒に……」
「……中国さん」
「どうしたアル」
「俺は、そろそろ自分の国に帰ります 」
「……あ」
完全に忘れてた。日本の所が不安定だから、一時的に面倒を見ていただけで、そのうち元の場所に帰さなければならなかった
「……そういえば、そうだったアルね」
「でも、時々会いに行きますよ」
気を遣ったように言う
「その時は、是非肩を並べて戦いたいものですねぇ……」
鳶が低く飛んでいる
もうじき雨が降るだろう
「取り敢えず、中に入るアルよ」
日本は軽く頷き、無言で着いてくる
「中国さん、」
「本当に、会いに行きますからね」
「……別に心配はしてないアルよ……?」
「ふふ、そうでしたか」
今まで教えてきたどの奴より良くできていた
強いて言うなら、小柄なのが残念だが……
言ったことはすぐ覚えて、ひと月としない間に使いこなした
手合わせをする時も度々、これは、と思うような動きもみせる
「日本、いつ頃帰るアル?」
「そうですね……」
「ふた月ほど後でしょうか」
それなら、今のうちに
「それまで、みっちり鍛えるアル」
「えぇ〜……」
口ではそう言ったものの、日本は少し嬉しそうだった
遂に、日本が帰る日になってしまった
「日本、」
「何ですか?」
「これ……受け取るアル」
渡したのはかんざしだった
質素な作りだが、そういう所が日本に似ていると思っていた
「……ありがとうございます」
「大事にしますね」
よかった
「……では、またいつか……」
「絶対、会いに来るアルよ」
「勿論ですよ」
「……本当に、お世話になりました」
「……行ってほしくないアルね……」
幸い、その声は海の波にかき消されて、日本には届かなかった
日本が乗る船が見えなくなるまで、そこに立って、海を眺めていた
雨がぽつぽつと降り始め、ようやく現実に引き戻されたような気がした
それからも時々、日本と会い、話をした
その度に、日本はかんざしを帯に刺してくれた
やはり、とてもよく似合っている、と思った
コメント
1件
あああ読んだ読んだ!!😭💕 かぴばらさんの「おくりもの」第4話、めっちゃ沁みたよ…! 中国が日本に弓や馬を教えて、才能を認めつつも「将軍にだってなれる」と言いかけて飲み込むところ、胸がぎゅってなった。別れ際に渡したかんざしがまた〜!「質素な作りだけど、そういう所が日本に似てる」って思ってたっていうのが、もう、ずっと見てきたんだなって伝わってきて、泣ける。最後の「行ってほしくないアルね」が波に消える演出、最高にエモいよ…✨ また会いたくなる、そんな温かい別れの話だった🌸