テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ライル・シャドーとルラザーユ・シルサは、どちらも異なる背景を持つ少年だった。ライルは、王国で一番のエンジニアとして知られ、蒸気機関や機械に対する深い理解を持っていた。幼少期から王国の工房で育ち、独学で蒸気技術を学び、ついには王国の蒸気船のエンジンを改良するほどの腕前を持つ。しかし、ライルは幼少期のことをほとんど覚えていなかった。何もかもが機械に囲まれた環境で育った彼にとって、感情よりも理論が先立っていた。ルラザーユ・シルサは、対照的に冒険心旺盛な少年だった。彼は幼少期に空の王国で生きることの面白さを知り、空を飛ぶ飛行船を見上げては夢を見ていた。街の片隅で飛行船の部品を集めたり、時には飛行船の修理を手伝ったりしながら、成長してきた。ルラザーユの父親は、王国の飛行船を操縦するパイロットで、彼からは「空の自由」を教わってきた。ルラザーユは機械を扱うことには疎かったが、冒険心は誰にも負けなかった。
二人が出会ったのは、王国の図書館でのことだった。
アスカリオン王国の中心にある巨大な図書館。古くから伝わる数多くの書物が並ぶこの場所で、ライル・シャドーは一冊の古びた書を手に取っていた。蒸気技術や機械に関する書物は数多くあれど、今日は何か特別なものを探しているようだった。
彼はその本に目を通し、眉をひそめた。「蒸気の玉座…」小さな文字で記されたその言葉に、彼の興味が引かれた。王国の歴史を知る者でも、その「蒸気の玉座」に関してはほとんど知られていなかった。古代の記録にもほとんど残されておらず、ただの神話か、あるいは忘れられた伝説の一部とされていた。
そんな時、隣の棚で何か音がした。振り向くと、見知らぬ少年が本棚の前に立っているのが目に入った。少年は無邪気に手に取った本を見つめながらつぶやいていた。
「おお、やっぱり!『蒸気の玉座』について書かれた本だ!」その少年の顔は興奮と好奇心に満ちていた。
ライルはその声に驚き、話しかけた。「君も『蒸気の玉座』について調べているの?」
少年は振り向くと、にっこり笑った。「ああ、俺、ルラザーユ・シルサ。お前もその伝説に興味があるんだな!」
ライルは驚いた。自分が興味を持っていた伝説に、どうしてこの少年が関心を持っているのか。
「どうしてそんなにその伝説に興味があるの?」ライルが尋ねると、ルラザーユは目を輝かせて答えた。
「俺、冒険が好きでさ!この王国の歴史を知って、空を飛ぶ飛行船に乗りたいんだ。『蒸気の玉座』の秘密を解き明かしたら、きっとすごい冒険が待ってるに違いないって思ってるんだ!」
ライルは思わず苦笑した。「確かに、冒険は魅力的だな。でも、『蒸気の玉座』に関しては、ほとんど手がかりがない。知っていることが少ないからこそ、僕も興味を持ったんだ。」
ルラザーユはその言葉を受けて、さらに興奮して言った。「じゃあ、一緒に調べようぜ!きっと君みたいな頭の良い人と一緒なら、何か見つけられるかもしれない!」
ライルは少し考えた後、静かに答えた。「一緒に調べる…か。いいだろう、君となら何かが見つかるかもしれない。」
そして、二人は「蒸気の玉座」に関する書物を集め、謎を解き明かすための冒険を始める決意をした。その冒険が、王国の歴史を揺るがす大きな旅路の始まりだとは、まだ知る由もなかった。