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あまおう
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ホウ酸
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#らっだぁ
れーん🌸
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夕方、空は赤かった。
燃えるような紅色の夕暮れ。
金色の彼は仕事を終えて帰路についていた。
珍しく早い帰宅だった。
上司からの呼び出しも無い。
面倒な依頼も無い。
だから少しだけ気が楽だった。
帰ればらっだぁがいる。
それが当たり前になっていた。
市場で見つかった日から。
呼び出された日から。
ずっと不安は消えなかった。
けれど。
それでも。
帰れば、らっだぁがいる。
それだけで良かった。
玄関の鍵を開ける。
扉を押す。
「ただいま」
返事はない。
その瞬間。
心臓が嫌な音をたてた。
静かだった。
あまりにも。
机を見る。
紙がない。
『おかえり』
も。
『おそい』
も。
『ざこ』
も。
何もない。
リビングへ向かう。
誰もいない。
寝室。
いない。
キッチン。
いない。
浴室。
いない。
胸騒ぎが強くなる。
「らっだぁ」
彼の足音だけが響く。
「おい」
返事はない。
机の上に何かが落ちていた。
紙だった。
慌てて掴む。
見覚えのある字。
らっだぁの字。
そこに、書かれていたのは。
『ごめん』
それだけだった。
頭が真っ白になる。
何が。
どこへ。
どうして。
理解が追い付かない。
その時。
微かに。
窓の外から音が聞こえた。
遠く。
何かが壊れる音。
轟音。
そして。
地面が揺れた。
金色の彼は顔を上げる。
窓の向こう。
街の外れ。
空が青く染まっていた。
ありえないほど。
不自然な青。
背筋が凍る。
知らないはずなのに。
本能が理解した。
「らっだぁ⋯っ」
✦
その少し前。
らっだぁは市場の帰り道を歩いていた。
最近はなるべく一人で出歩かないようにしていた。
けれど、今日はどうしても必要な買い物があった。
夕飯の材料。
きょーさんの好きそうなもの。
そんなことを考えながら歩いていた。
だから。
気付くのが遅れた。
囲まれていたことに。
路地の出口は塞がれている。
後ろも、横も、逃げ場がない。
らっだぁの手から袋が落ちた。
野菜が転がる。
男たちは笑っていた。
見覚えがあった。
市場で見た連中。
あの日。
追いかけてきた連中。
「やっと見つけた」
誰かが言う。
「本物だな」
「綺麗な色だ」
気持ち悪かった。
視線が。
声が。
全部。
らっだぁは一歩下がる。
男たちは近付く。
また一歩。
また一歩。
怖い。
心臓がうるさい。
呼吸が苦しい。
逃げたい。
帰りたい。
きょーさん。
その名前が浮かぶ。
その瞬間。
男が腕を掴んだ。
「っ!」
反射的に振り払う。
男は笑った。
「暴れるな」
その言葉で。
何かが切れた。
昔の記憶。
捕まった日。
売られそうになった日。
閉じ込められた日。
傷付けられた日。
全部。
全部。
蘇る。
怖い。
嫌だ。
帰りたい。
きょーさん。
きょーさん。
きょーさん。
視界が滲む。
胸の奥が熱い。
何かが暴れている。
ずっと、自分の奥で眠っていた何かが。
目を覚ます。
青い光が漏れた。
男たちの顔色が変わる。
「おい」
「待て」
「離れろ」
遅かった。
らっだぁ自身にも。
もう止められなかった。
空気が震える。
地面に亀裂が走る。
建物の窓ガラスが一斉に砕け散る。
轟音。
悲鳴。
逃げ惑う人々。
眩しい青い光。
らっだぁはその中心に立っていた。
涙を流しながら。
苦しそうに。
必死に。
何かに耐えるように。
青い光を撒き散らしていた。
「やだ」
小さな声。
誰にも届かない声。
「やだ」
また。
何かが終わってしまう。
「怖い」
青い光が膨れ上がる。
街が軋む。
空気が悲鳴を上げる。
その時。
遠くから翼の音が聞こえた。
誰かが飛んでくる。
凄まじい速度で。
一直線に。
青い光へ向かって。
らっだぁは顔を上げた。
涙で滲んだ視界。
それでも分かった。
金色だった。
見間違えるはずがない。
ずっと見てきた。
ずっと追いかけてきた。
たった一人。
「らっだぁ!!」
そのとき、確かに聞こえたのだ。
きょーさんの声が。
そして。
街の反対側では。
もう一つの翼が広がっていた。
白銀の翼。
あの塔の男だった。
彼もまた。
青い光を見上げていた。
静かに。
まるで。
最初から知っていたかのように。
「やはり始まったか」
その呟きと共に。
青鬼の力が。
本当の意味で目を覚ます。
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コメント
7件
やっぱどこの男化は知らんけど、らっだぁの青色が綺麗ってのはわかってるねー☆ きょーさんナイス!これでらっだぁの、なんだろ...暴走?も抑えられるかも! え、始まったって何?!怖い! てか何か会った時真っ先にきょーさんのこと考えるのほんとに大好きなんだね!(*´ω`*) 続き楽しみに待ってます✨