テラーノベル
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ライブの地方遠征の夜。
ホテルのツインルーム、ベッドの灯りだけがついた静かな部屋。
誰も知らない場所で、
誰にも見られない時間。
俺は、涼太のシャツを着たまま、ソファに丸まっていた。
首元にうっすら赤い跡。
❤️「なぁ……なんで、今日に限ってそんな顔してたの?」
💙「……顔って、どんな」
❤️「スタッフに笑ってた。あんな笑い方、俺にもあんまり見せねぇのに」
💙「……気のせい」
❤️「気のせいじゃねえよ。俺、見てた。
誰にどんな顔してるか、何回目が合ったか──全部、覚えてる。」
翔太が顔を上げたときには、
涼太がポケットから小さな箱を出していた。
中身は、細いシルバーの指輪。
お揃いが、2つ。
💙「……え?」
❤️「“もう逃げられないね”って、お前に言わせたかった」
💙「……」
❤️「誰にどんな顔してもいいよ。
でも、これが目に入るたびに思い出せ。お前は──俺のもんだって」
そっと指輪を俺の左手薬指に通す。
ふるえた手を、涼太が上から包み込む。
❤️「……俺、怖かったんだよ」
💙「なにが?」
❤️「お前が、いなくなるの。
俺の知らないとこで、他の誰かに大事にされたら……たぶん、俺、壊れる」
💙「……そんなこと、ない」
❤️「じゃあ……“もう逃げられないね”って、言って?」
俺が、ゆっくり口を開く。
💙「……涼太。もう……逃げられないね」
その一言で、唇が塞がれた。
──誰にも渡さない。
──どんなに歪んでいても、
俺たちは、これが“正しい愛”なんだって信じてる、、
コメント
1件
あら、色っぽい💙