「・・・う、いてて・・・」
と、すまない先生は顔を上げた。そこは真っ白な廊下がずっと続いていた。
「・・・ここ、どこだろ?」
すまない先生は立ち上がり、その廊下を歩いていく。
✵✵✵✵✵
廊下はまるで先が見えないほど長く、そして静かだった。
「レッドくーん、ブルーくーん、ブラックくーん、銀さーん、バナナくーん」
と、すまない先生はみんなの名前を呼びながら歩く。
「うーん、どこだろう?レッドくんとブルーくんなら大丈夫だし、それにブラックくんは頭いいし、バナナくんは強いし、銀さんも強い。まぁ、大丈夫かな?“うちの生徒なら”」
ふと、すまない先生は自分の口から出た言葉に疑問を抱き、思わず口を塞ぐ。
(・・・うちの生徒?“生徒”とは“先生”の教え子。でも、なんで“うちの生徒”なんて?) と、すまない先生は首を傾げ、壁に寄りかかった。その途端、なにかスイッチらしきものを踏み、寄りかかった壁が無くなった。
「うわっ!!」
すまない先生は頭を抑えつつ、起き上がった。
そこには、牢屋が広がっていた。
中からは小さな子供の泣き声が聞こえていた。
「・・・ここは?」
と、すまない先生はその牢屋を歩く。ふと、1人の少年に目がいった。
黒い髪に、ルビーのような赤色。黒縁メガネはあまりサイズがあってないような。
小さな少年が、後ろの金髪に黄緑目の幼い少女を背に隠し、こちらを睨んでいた。
ふと、何故かすまない先生は、彼を見て
“懐かしい”
と感じた。
(・・・懐かしい?なんでそう思ったんだ?)
自分が感じた“それ”に疑問を持ちつつ、すまない先生はその牢屋の中の子供を見ていた。