テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
sideゼルゼディス
その日、私とエシャロットはのんびりとした休日を謳歌していました。
しかし…
「あら?
あれは宮廷専用の馬車ですわ。」
エシャロットが窓の外を見ながら言った。
いやーな予感…
と同時に、玄関のベルが鳴った。
「私が出ますから良いですよ。」
私はそう言って玄関に向かった。
そこに居たのは宮廷魔導士の長のドルモッドだった。
大体の用件の察しのついた私。
しかし、門前払いというのも出来なかったので、一応リビングに通した。
エシャロットは紅茶を淹れて、ドルモッドと私に出した。
「落ちぶれた魔導士の私に何かご用でしょうか?」
私はあえてそう言ってみる。
「ゼルゼディス…
いや、ゼルゼディスさん、あなたがSランク魔導士なのはもう分かっているんだ。」
「はて、何のことでしょうか…?」
私はしらばっくれます。
「しらばっくれないでくれ。
あなたが居なくなったせいで、王都は魔物が入り込み大変な状態なんだ…!
このままでは…」
ドルモッドは言う。
「おやおや、私が宮廷魔導士だった頃、あなたは確か私を下っ端扱いして、パシリに使っていましたよねぇ?
それが、いきなりゼルゼディスさん、と言われても…」
私は昔の話を蒸し返します。
手のひら返しは好きではありませんね。
王都が大変?
だから何だ?
という話ですよ、はい。
「頼む!
昔の事は水に流して王都に戻ってきてくれ!
しゃ、シャンク様はゼルゼディスさんを王都に戻す為ならばいくらでも出すとおっしゃっているんだ…!
ほら、ここに100万ルナある!」
ドルモッドは袋を開けました。
確かに札束が入っているようです。
「申し訳ありませんが、私が王都に戻る事はもうありません。
いくら金を積まれても…ね。
お金より大切な物がある、とあなたのようなゲスに言っても分からないでしょうけどねぇ。」
私は言います。
「頼む…!
俺はあなたが王都に来ないと、宮廷魔導士をクビになるんだ…!
昔の事ならばいくらでも謝る!
どうか、戻ってきてくれ!」
ドルモッドは頭を下げて言いました。
「ゼルゼディス様…
可哀想ですわ…」
お人好しのエシャロットが言う。
「そうですかぁ?
私は冷酷なので、ぜーんぜん可哀想には見えませんが。」
「いや、王都に戻って欲しいと言っても、月に2度ほどで良いんだ…!」
ドルモッドはテーブルに頭を擦り付けて懇願します。
あのテーブル、後でアルコール消毒しなくては…!
「ふぅ…
そこまで言うならば、良いでしょう。
その代わりに、かなり沢山の条件があります。」
私は悪魔の笑みでそう言いました。