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テラーノベル(Teller Novel)
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注意!

・これは奇病モノの東リべ二次創作です。嫌な方は回れ右!

・奇病は自作です。使いたい方は一声かけてね、見たいから


以上の事がOKって人はどうぞ!




「おはよ~ハル兄~」


ジブンは少し気だるげな声でそう呼びかけた。


しかし、本人はいるはずもない。


「…だよなぁ…。」


とりあえず朝ごはんを食べようと、冷蔵庫の中にあるものを適当に温めようとした。


しかし、ジブンの手にある、いや、手から生えている木の根を見て、思わず叫んだ。


…家の中にハル兄がいなかったのが救いだ。




とりあえず、保険証とお薬手帳を持って病院へと駆けこんだ。


案外すぐにジブンの番号が呼ばれ、診療室で奇妙な出来事の事を話した。


医者は少し考え込んだ後、すぐにとあるファイルをめくりだす。


「なんか…そんなにヤバいんですか、ジブンのこれ。」


ジブンは医者にそう聞いたが、医者は病気の前例探しに集中しているようだった。


そして、前例を見つけたのか、静かにファイルを閉じると、少し悲しげな声でそいつは言った。


「…治療方法の無い、かなり重い病気にかかってしまったようです。」


「…え?」


ジブンでも思わず素っ頓狂な声が出た。


…ジブンが、死ぬのか?


「その病気って…。」


覚悟しながらも、その病名を聞く。


「…植物成長症候群、ですね。発症条件としては、家庭内でのわだかまりが長く続いていること、その問題が起きる前に戻りたいと願っていること、そしておかしなことに女性または女性寄りの性別をした未成年の方しか発症例がないんです。」


…ぜんぶジブンだ。


そのことに思わず唾を飲んだ。


「余命は…。」


ジブンはそう控えめに聞く。


おそらくそう長くないだろうと、ジブンでもわかっていた。


しかし、それは、あまりにも予想外過ぎる宣告だった。


「持って二ヵ月というところでしょうか…。色素が無くなり始めたらあとは一週間でこの世を去ると思っていただいていいでしょう。」


そうか、もうそんなに…。


ジブンって案外弱いんだな、と自覚した瞬間でもあった。




どうせ死ぬなら潔く死のうと思い、薬はもらわなかった。治るかもしれないと言われたが、治らなくていい。


ジブンには、この最期がお似合いだ。


「…あと二ヶ月ぐらいか、なにするかな~。」


あ、でも「持って」二ヵ月か。なら一ヶ月って考えた方がいいな。


「…やりたいこと多すぎて死ぬにも死ねねぇなw」


相変わらず欲深いジブンに、苦笑いした。


空はジブンの気持ちと裏腹に、清々しい青空だった。


…まず、帰ったらハル兄にだけは伝えておこう。武臣は…いいや、あいつなんもしないし、多分原因はハル兄だし。


ジブンの手を再度見る。


朝見た時も、成長している気がした。


「やべーなお前…。」


ジブンは、そう軽く呟いた。


千咒は病気にかかったようです。

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