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まさか、奈々美さん……私と知って?! だめよ、冷静になるのよ! 私。

「ごめんなさいね、私って結構こういうーなんというかなー調べるの好きで。飛鳥さんが占いしているって聞いて……でも教えてくれなくて。そしたら余計気になっちゃってー。ようやく見つけましたよ」

「……」

「夏彦さんはここでやってるのは知ってるの?」

「場所までは知らないわ」

「互いに隠し事してる哀れな夫婦」


……本性を出したな、奈々美さん。

そもそも義実家に借金をするように仕向けたのも彼女じゃない……それに実家に寄り付かなくなったのも秋利さんに言えば離れることもできる。


くそっ。

「占いしてまで私たちに義実家の世話を押し付けようとするなんて、小賢しい」

「……小賢しいって? あなただって!」

立ち上がった私を止めたのは誠也だった。


「ダメですよ、感情的になるのは……」

「だって、この女……!!」

私は奈々美を睨みつける。フン、と彼女は私を睨み返す。


「……あー、もう小鳥遊家に嫁いだのがバカだった。借金隠して浮気も隠してきた秋利……妊娠しなかったのも秋利が不妊体質なのにそれを棚に持ち上げて私が不妊体質だ! とか言いがかりつけてきたお義母さん、子供に授乳してる時に鼻の下伸ばして見てこようとした気持ち悪いお義父さん! 長男の嫁だからと何も才能も後ろ盾もないのに気高く振る舞うヘコヘコした奴隷の飛鳥さん! 本当に最低、最悪な家族とはこっちから願い下げよ!」


……。私は誠也を見た。誠也も頷いた。


「……夏彦はどうなの?」

そういうと奈々美さんは凍りついた。

「あ、あの男も……いい顔して見栄張りのケチ男じゃない。秋利も言ってたわ」

まぁ確かにね。誰が見てもわかるからそれはいい。


「男としてはどうだった?」

それを言うと奈々美はのけぞった。


……あの浮気調査でもう一人浮上したのは、何と、奈々美だったのだ。

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