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和也×○○
“恋愛はしない。”アイドルとして生きていくために作ったルール。それを破る日が来るとは思わなかった。
先生「今日から2週間、教育実習として小島○○先生に来てもらうことになった。」
「小島○○です!皆さんと一緒に成長していきたいと思ってます!短い間ですがよろしくお願いします!」
初めの印象は、皆から好かれそうな人やなって思った。ぱっちり二重、白い肌に毛先まで綺麗な黒髪。同性からも、異性からも人気そう。それは当たっていて。
男1「なぁ、○○先生可愛くない?」
男2「分かる、可愛いけど、色気もあってヤバイよな」
男1「てかめっちゃいい匂いするよな」
男2「分かる、花の香りっていうの?とにかくめっちゃいい匂いよな!!」
女1「○○先生にヘアアレンジ習いたい、」
女2「分かる!てか今日ハーフアップしてたよ!」
女1「まじ!?絶対似合うやん!!」
そんな人気者の○○先生は、教えるのも上手くて、仕事の関係で欠席していた約1週間分の授業内容を放課後、丁寧に教えてくれた。
和「あの、何でこんな丁寧に教えてくれるんですか?」
「あー、ん〜、、これから話すの、内緒にしてて欲しいんだけど、、できる?」
和「、はい」
「私ね、子役してたの。」
和「そうなんですか!」
「そうなの。お仕事が忙しくて学校に行けない時期が続いて。久しぶりに行ったら全然授業に着いていけなくて。だけど担任の先生が放課後に特別授業してくれてね。」
和「なるほど、」
「それが教師を目指すキッカケにもなったんだよね」
和「そこは小学校の先生じゃなかったんですね?w」
「うん、プールの授業があるからね。私泳げないから。」
和「なるほど。高校は無いですもんね」
「うん!」
できる?って人差し指を口に手を当てて首を傾げる姿にドキッとして。思い出を話している○○先生は幼く見えて。ドキドキした。
🏠
和「気になる、、」
どうしても気になって、小島○○で検索を掛けるけど、出てこなくて。
和「芸名使ってたかもなぁ。。」
って諦めて、○○先生からもらった自作プリントに取り組んだ。
プリントが終わってリビングに降りると、お母さんが昔のドラマを見ていた。
和「再放送してたん?」
母「そうそう!今日から!子役の子が可愛くてねぇ〜、、」
“子役”という言葉に反応。
和「どの子?」
母「えっとね〜、、あ、この子!」
お母さんが指差した子。○○先生と言われれば面影があって。
和「なんて言う人?」
母「えっとねぇ、たしか遥ちゃんよ」
和「ふーん」
検索をかけ直すと、画像とか色々出てきた。中学に入学と同時に芸能界を引退していた。小6の写真を見た。ドラマの時より成長していて、今の○○先生に似ていた。天才子役と呼ばれ、人気だったらしい。
和「あの人気は昔からやったんやな、w」
和「あー、アカンな、、決めてたのに。w」
恋に落ちてしまったわ、、w
でも、教育実習生と生徒。おまけに元天才子役と現役アイドル。恋が実る確率なんてほぼ無いに等しかった。
でも。
「今日までありがとうございました!もっともっと成長して、皆さんのような、素直で、立派な生徒を導けるような先生になります!ありがとうございました!」
和「○○先生」
「大橋くん!」
和「○○先生のこと好きです。」
「え?」
和「たぶん、これからもずっと。やけど、付き合ってとは言えません。言いません。ただ、伝えたくて。」
「ありがとう。嬉しい。」
和「キラキラのアイドルになるので見ててください」
「うん。応援してるね。私も、生徒の笑顔を引き出せるような先生になるね。」
こうして高校最初で最後の恋は終わった。
ー7年後ー
スタッフ「大橋和也さん到着されました!」
和「おはようございますお願いします!」
「「お願いします!」」
スタッフ「職員室で仕事をされている先生が居らっしゃるそうで。。」
和「あ、了解しました!」
こうして高校の廊下歩いてると思い出すな、○○先生。
その時、俯きがちに歩く先生とすれ違った。休日のはずなのに大変や、、え?
ふわっと香る甘い花の香り。忘れるわけない、あの匂い。あの綺麗な黒髪。
和「○○先生、?」
「あっ!大橋くんかぁ、なんだ、びっくりした〜w」
和「お久しぶりです、」
「久しぶりだね、主演なんでしょ?おめでとう!」
和「ありがとうございます」
久しぶりに会った○○先生はあの頃と変わらず、可愛くて。
「キラキラのアイドル、なってるね」
最後の会話のことだと分かった。
和「先生こそ、笑顔引き出せる先生になってますね」
「え?」
和「だって会えただけで笑顔になっちゃいましたもん」
「ふふっ、ありがとう。」
和「そういえば何で俯いてたんですか?」
「あー、顔馴染みのスタッフさんが多くてね。バレちゃわないか心配で。」
和「あんまり顔変わってないですもんね」
「そうそう、たまに保護者の方から聞かれる。けど違いますって言ってる。w」
和「そうなんやw」
和「あ、、先生。」
「ん?」
和「たぶん、じゃなかった。あの時から今までずっと変わらなかった。」
「そっか。」
「私も、ずっと変わらずだよ。あの時は言えなかったけど。」
和「そっか、、」
この恋は、この先どんなに想っても、アイドルで居る限り、きっと実ることは無いだろう。だけど、もし、来世でも出会うことができたなら、告白してもいいですか_