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「まろ、大丈夫か?」
大丈夫なわけあるか。人殺したかもしれんのやぞ。
「あー…」
と言ってなにかを察した初兎。
すると……
「おい、ないちゃん起きろ。まろがびびっとる」
と、心臓が動いてない彼に声をかけた。
「んー……初兎ちゃん?」
「え……?」
だって今、心臓が止まって……?
「あれ……?なんで俺ここで倒れてるんだ……?」
「いふくんが落ちたの庇ったんやろ、みりゃあわかるやん」
「あ、あぁ、そっか」
「????」
え?なんでこいつら普通に会話しとるん?
てか内藤さん心臓とまっとったよな??
え??
「あれ、?いふまろがなんで居るの……?ってあぁ、そっか。」
といって一人で納得して何事もなかったかのように終わらせた内藤さん
「てか、いふくん、授業始まるで?」
「え……?ああああああ!?忘れとった!!」
そうして二人のことはよくわからないまま授業に参加し、案の定集中できず先生に何度か注意を受けた。
放課後、俺は内藤さんと初兎にどういうことか聞こうと思い行こうとしたところ相手から来てくれた。
「いふくんは放課後暇、?」
「暇やで?」
「じゃ、一緒に帰らへん?」
「ええけど……」
「大丈夫やで。ちゃんと説明するから」
「え、あ、うん……」
そして初兎に着いて行って30分ぐらい経った頃、とある大きな屋敷に着いた。
「ちょっと待っとってな」
といって鍵を取り出す初兎。門をくぐって庭を通り抜けると屋敷のドアの前に着いた。そして取り出した鍵を差し込むとがちゃっと音がしてドアが開いた。
「……?」
「いふくん入ってええで?」
そうして俺は初兎に導かれるまま屋敷の中に入っていった。
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「ないちゃん、いふくん連れてきたで。」
案内されてたどり着いたところは内藤さんの部屋で、
めっちゃにっこにこしながらこっちを見てくる内藤さん。
てか窓枠に座ってるけど落ちたりとかそういう恐怖はあらへんの??
「初兎ちゃんありがとう。もう部屋に戻っていいよ。」
と、彼がいうと初兎はさっさと部屋から出ていってしまった。いや、内藤さんと部屋で二人きりとかめっちゃ気まずいんやけど!?
「さて、いふまろ。」
「はいっ!?」
急に名前を呼ばれなんか変に高い声で返事をしてしまった気がする……しかも内藤さんすっごいニヤニヤしてるし……
「そんなに緊張しなくてもいいのに~」
なんていう彼は本当に昼間見たあの内藤さんなのか、と言いたいほど性格が違くて……
「いふまろ、?どうかした?」
てか今気がついたけどさらっと呼び捨てだしあだ名になってるし……
「あの……知り合いでしたっけ……?」
とか聞くと彼の動きがピタッと止まった。
「あぁ、そっか。今回は記憶がないんだね。」
というと急に空気が重くなって……
「初兎ちゃんの部屋に行ったら?本たしか好きだよね?沢山あるから借りてくといいよ。」
とだけいって内藤さんはどこかに行ってしまった。
初兎の部屋に行ってみると本当に沢山本があった。そして真ん中のちょっと広いところにあるソファには初兎が寝ていた。
いや、これ絶対本持っていっちゃダメでしょ……
とか思っていると急に後ろから声がかけられた。
「初兎様に何か用?」
振り返っても誰もいない。思わずキョロキョロしていると下やで??と声が聞こえた。そして視線を下ろすと……
可愛らしい兎が居た。
「……?」
その兎は口を開いて
「あ、いふくんやん, 何か用なん?」
と、言い出した。
「兎が喋ったん?????」
「そうやけど??」
「????」
俺がポカンとその兎を見ているうちに初兎が起きたようだ。
「いふくん?なにしとるん?」
「あ、ええと……内藤さんにしょにだから本借りれば?って言われたから来たんやけど……」
「おー?ええけどいふくんが好きそうな本あんまないでー?」
と言いながら本を探しに行く初兎。図書館か!!って言いたくなるくらいある本の量。いやむしろそこらへんの図書館より本あるんじゃないか??初兎はあ、あった。というと本を手に取って戻ってきた。
「いふくんこれとかどう?」
と言って見せてきたのは童話らしき本だ。
「こんな童話あったっけ?」
「ん~、これは俺が作っとる本やから出回ってないな~w」
「え??しょにだ本作ってるん??」
「そ~, いろいろ覚えてるのめんどいから本に起こすんよな~, 」
「へぇ~…すごいやん」
「ま、いふくんが気にいるかはわからんけどな」
「ありがと、借りてくわ」
「あ、それ、続きもあるから面白かったらまた借りにきてな」
「どんだけ作ってるんだよ!ww」
「まあ……ざっと数千年分……」
「数千年てw流石にやばいやろw」
「冗談に決まっとるやろwじゃ、また明日な」
「ばいば~い」
そして俺はしょにだの図書館を出ていった。
「冗談じゃないんやけどなぁ……」
なんて言っている初兎の言葉の意味を知るのはもう少し先の話。