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あの日、自分は死んだと思っていた。死んだら天に帰るだけだと思っていた。でもそれは少し違っていた。
「おいミリカ、お前もさっさと倒せ!」
私はミリカ。この世界で魔王の眷属の1人として作られた転生魔属性スライムだ。前世では事故にあって一度死んでいる。目が覚めたら勇者を倒す魔王の眷属の1人として生まれ替わっていた。
「はーい」
「まったく、お前はいつもいつも仕事をサボりやがって」
そう言いながら、死んだ人間に手を合わせているのはアスバルトだ。アスバルトも眷属の1人でミリカの兄的な存在である。
眷属の仕事は勇者や魔王に楯突くものを1人残らず殺すこと。元人間が現人間を殺すのは罪悪感しかない。
「おい、ミリカちょっと来い」
死んだ人間を片付けているとアスバルトに呼ばれた。
「実は、俺の部下たちの間で勇者パーティーが魔王城に向かっている、つう噂が流れているらしいんだ」
「えっ…やばくない?」
「あぁ、やばい」
勇者パーティーがくる、ということは…
「…脱出?」
「はあ?」
来た、やっと来た。転生してからずっと待ち望んできたこと、勇者パーティーに混ざって行けばこの魔王城から脱出できるかもしれない!
「よし!アスバルトもやろう!」
「はあ?お前さっきから変…」
「まずは準備からしないとね!」
「えっ、ちょっとおい!」
こうして、私の魔王城脱出計画が始まった。