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38 ◇鉄は熱いうちに打て
執刀医の腕が良かったのか?
滉星の術後は順調に進み翌月の前半に退院する運びとなる。
そして退院後は実家で半月ほど過ごし退院1か月後、滉星は自宅に戻った。
自宅に戻った滉星は『鉄は熱いうちに打て』とばかりに、週末、見舞いに
来てくれたお礼に……と、ひまりを自宅に招待した。
◇ ◇ ◇ ◇
「今日はお招き、ありがとう」
以前自分も住んでいた家なのにとも思うが、やはりケジメはけじめなので、
すぐにこんなふうな言葉がひまりの口から零れ落ちた。
『見舞いに来てくれたお礼に、一度家に来てもらいたいというか、ご招待
したいんだけど』……と、滉星から招待された時、ひまりは本心から
『あっ、よかった』と思った。
無事退院したと聞いてはいたが、現在本人がどんな状況なのか
心配していたからだ。それと、退院祝いもできる。
滉星から連絡がなければ、自分から1度連絡を入れてみようか、
どうしようなどと、考えていたからだ。
ひまりは、何も食べないで昼前に来るよう言われていた。
家には11時半頃着いた。
リビングに入ると皿やお椀が並べられておりみそ汁に茶碗蒸し、そして
握り寿司が並べられていた。
「わざわざ、出向いてもらってすまない。
寒かったろ? ささっ 座って。寿司食べよう」
「すごい、お御馳走だね。退院祝いしないといけないのに
なんだか申し訳ないような……でもおいしそう。いただきますっ」