賢二郎と太一くんの事は聞いたけど…
お兄ちゃんどうだったんだろう?
昨日、バイト終わり疲れてすぐ寝ちゃってて
朝もお兄ちゃん、朝練早いから
(私が寝坊してバタバタしてたせいで)
お兄ちゃんと全然話せてない
どうだった?なんて…
聞くのはダメかな?
だってもし…
シラブ「おい」
ん?賢二郎が呼んでる?
シラブ「当たってんぞ」
『えええええ!?』
思わずびっくりして立ち上がる。
センセイ「瀬見〜、「え〜」は答えじゃないぞ」
あははははは
教室に笑いが起こる。
ぐぬぬ…やってしまったあ
辱めを受け席に座ると賢二郎が私を見て
シラブ「ばーか」
と言って前を向く。
いや。
賢二郎に、ばーか言われるの好きだからいいや
ニヤニヤしちゃう
えへへへ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
HR後
帰る用意をしていると
シラブ「美樹。瀬見さんの事聞いてねぇの?」
賢二郎が話しかけてきた。
『ん?お兄ちゃんの事?』
シラブ「ユニフォームの話。」
『ああ〜!聞いてない…んだよね、まだ』
自然と一緒に教室を出ながら喋る。
シラブ「…俺、」
『ん?』
賢二郎が思い詰めるような顔をして言う。
どうしたんだろう
シラブ「瀬見さんのポジション、セッターだろ。俺、インターハイ予選、正セッターで出る事決まったんだ。
嬉しいけど、お前は…」
とその後は口をつぐみながら賢二郎は言った。
ああ、賢二郎はまた…。
『賢二郎ッ、私努力は報われると思ってる』
シラブ「?」
少し賢二郎の前を歩きながら言う。
『賢二郎、頑張ってたし努力してきたもんね』
そして賢二郎の方を振り返る。
『夢、だったんでしょ?』
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
昨日、ユニフォームをもらってすぐはとても高揚していてしばらくは浮かれていた。
けど今日、お前に会って瀬見さんの話題が出た時。
俺は、正式に瀬見さんの。
セッターのポジションが俺に変わったんだと改めて自覚した。
ずっと試合に出ていた瀬見さんを応援していたお前は、どう思うだろう?
心からお前は、おめでとうと言ってくれるだろうか?
太一が昼休み、ユニフォームの話をした時に俺ももらった事を話した。
美樹はすごい喜んで祝福してくれたけれど ̄ ̄
『賢二郎、いっぱい頑張ってたし努力してきたもんね
夢、だったんでしょ?』
美樹は俺の方を見て言う。
『おめでとう!賢二郎!私も嬉しい』
そう言って俺の手を握り笑顔で言った。
その笑顔で俺は、、、
プラマイプラスってとこだな!
シラブ「おう、ありがとう」
俺も微笑んで言った。
そしたら美樹は
『それにお兄ちゃんも努力してたし信じてるし』
続けた。
『なんの自主練してたんだろね?
なにかすごい技完成させてたりして!もしかしたらお兄ちゃん実はすっごくムキムキになってたりッ!?…あっそれかそれか〜…』
楽しそうにキラキラした目で話す美樹。
『だから〜賢二郎は気にしなくていんだよ!』
ああ、悩んでた俺がバカみたいだ。
俺は
シラブ「自分で聞けよな」
と笑った。
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