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夕食を食べ終えて
自分の部屋の電気をつけた
遠くからバイクの音が聞こえる
スマホと財布、鍵をいつものカバンに入れて
階段を降りて家を飛び出た
「どこ行くの〜?」と言う親の声を
玄関のドアで塞いだ
家を出ればそこには
バイクに乗ったあいつがいた。
ヘルメットと言う仮面を被って
カッコつけてる笑
いつもの学校の姿を見てると
まるで似合わなくて、別人みたいだけど
夜の君はかっこいい。
ヘルメットを差し出す手さえも
夜の光でいつもよりも
男の手になっていた
私を連れ出してくれる君
君がいなかったら私は
家という存在に押し潰されて
いたのかもしれない
君が差し出したヘルメットを被って
バイクの後ろにまたがった
一人乗りのバイクだと少し狭いけど
その分君と近づける
ほんのりたばこの匂いと
匂い隠し味の甘い香水の香り
いつもの君の香りだ
私にとって夜の香り
君は私の手を持ち
自分のお腹に手をまわせと言わんばかりに
私は彼のパーカーにしがみつくと
スタンドを蹴りエンジンをかけた
エンジンの振動がバイク全体に伝わってくる
地面を蹴りバイクは風をつたって出発した
五月雨明けの夜は少し肌寒い
からいつもより君の背中にくっつきながら
目をつぶった
空は暗いけど
店の光がこぼれてくる
その光が私達を照らしてるみたい
2車線道路を駆け巡っていく、そして
あっという間に誰もいない公園についた
真っ暗で公園灯だけが一人ぼっちで
突っ立っていた
その横のブランコに座った
君は自販機へと歩いていった
いつも私の好きなレモンティーを買ってくれる
チビサイズ レモンティー 130円
でかサイズの飲み物が飲みきれないことを知ってる君
ありがとう!と言ってそのレモンティーを飲んだ
彼はブランコの前につっ立って
私のほっぺに手を伸ばした
少し髪が光に当たって茶色く見えた
キョトンとした瞳が私を見つめている
なんの視線?!笑笑
その雰囲気に呑み込まれ
君の唇が私の唇に触れた
これで君は何回目のキスなんだろう
私は何人目の女?
いつか教えて
そう言いかけるように
君の手をギュッと握り返した。
少し震えていた手
慣れてる唇
私のFIRST KISSは
SEVENTEENの夜明けだった
誰もいない公園
二人だけの夜
車が走る音が遠くで聞こえた。
私はニヤニヤが止まらず
うつ向いていたら
頭にのる大きな手の感覚が
柔らかかった
びっくりして私は頭を上げると
「嫌だった?」と目の前に君の顔がぁ!
いやいやいやー、嫌なわけないよ!
と思い首を横に振った
すると背中に手を回して
そっと包み込んでくれた
君の肩に顔をあずけると
君の匂いが肺まで届いている気がした。
大人の香りに包まれて
心も癒やされてしまった
カバンの中のスマホに手をのばした
0:23
時間は私の味方にはなってくれない
そして家族も
私はまだ貴方の彼女じゃない。