※甚だしい捏造
※非日常な日常話
※実在の人物、団体とは一切関係ありません。
※軍パロです。
※以上をふまえて大丈夫な方のみおすすめください。
ゆっくりしていってね
外の喧騒が、嫌でも耳に入ってくる。
それが、エーミールには嬉しかったし、辛かった。
自分のために、こんなに一所懸命になってくれている。
助かる可能性は低いのに、その可能性に賭けて行動してくれている。
エーミールはチラリと腕時計で時間を確認する。
ーー15時23分。
時間はあまりない。
何かの瞬間に意識を乗っ取られた場合、迂闊なことをさせないように、電話も無線も投げ捨ててきた。
外部でどういう作戦が立てられているかは、わからない。だが、情報を知ることで、余計な知識を寄生体に与えるわけにはいかない。
少しでも怪しい動きをするならば、
一緒に消えてもらいます。
エーミールは震える指を、手榴弾のピンから離さない。エーミールの覚悟を感じている寄生体もまた、本能的に危機を察してか、動きを止めてはいるようだ。
とはいえ、ある程度の高等な知性は持ち合わせてはいるのだろうが、所詮は植物である以上、日が陰る前に必ず動く。
そうなる前に、ピンを引く。
怖い。
恐怖で体が震える。
今はもう、仲間を、ゾムを、信じるしかない。
向こうには、鬱先生も、コネシマも、ロボロも、シャオロンも、ショッピも、チーノもいる。グルッペンもいる。トントンもいる。オスマンとひとらんらん、しんぺい神と兄さんは視察と待機で不在だが、万が一のときの全滅の憂いはない。
何より
ゾムさん。
無意識に顔に手を伸ばせば、右目の蕾は開き始めている。
間に合わないかもしれない。
花が咲けば、完全に寄生体はエーミールを乗っ取る。
エーミールは体を伏せ、抱くように手榴弾を体の中に入れ、ピンを引く指に力を入れる。
ワガママを言うなら…もう一度ゾムさんに会いたい。声を聞きたい。
でも、もう…、
「ありがとう、皆さん」
エーミールがピンを引こうとしたその時
「エーミールッッッ!!!!」
祭壇の天窓が割れる音。
同時に教会内部にこだまするのは、
「ゾムさんッッッ!!」
祭壇の最上部にある天窓までは、細い木はあったが人は登れないはず。
だが。
ゾムの身体能力なら?
エーミールが考える暇もなく、ゾムがエーミールに向かって走りながら叫ぶ。
「エーミール! 耳を塞げッ!!」
叫び声と同時に、ゾムは緑の信号弾を天井に向かって放った。
エーミールもまた、両手で耳を塞ぎ、衝撃に備えて体を伏せた。
ーーーーーーーーーー
「信号弾きたッ! 緑です、POKA先生!」
後続隊のグルッペンwith薬理凶室の面々は、すでに配置に着いていた。
グルッペンの合図と共に、全員が防音イヤーマフを装着し、身構える。
「はっはー、任せろ!」
POKAが取り出したのは、浪漫あふれるエグゾーストキャノン・テノール(改)。
音響に特化したエグゾーストキャノン・テノールを更に音響兵器へと特化させたある意味破壊兵器である。
防音イヤーマフを付けていなければ鼓膜を破壊させる轟音が、教会を振動させ、ガラスにヒビを入れる。
「ちィッ! ボロい建物のクセに頑強な」
「だが、充分だッ」
「行け!エグゾーストキャノン部隊!!」
イヤーマフを装着しているせいで、POKAの号令は聞こえない。だが、振り上げられた腕の意から、yasu、エメツ、ELKが、それぞれの作ったキャノンを担ぎ、教会に向かって発射した。
キャノンから射出された風船のような紙包みが、ひび割れたガラスに当たり、ガラスを割ると同時にガラス破片で紙包みが破裂し、教会の内部を白い粉が一面に舞い散った。
続く
コメント
3件
Fooooo!!!✨✨✨ 盛り上がって参りました✨🙌✨ zニキ〜〜〜〜〜!!! 救ってくれ〜〜〜〜〜!!! 🙏🙏🙏
本当は、うるちまい子さんボイスでガラス割ろうかと思いましたが、現場の危険性を鑑みて本部待機お願いしました。 うるちまい子砲は、いつかかいてみたいです。