渡「この間やけにゆるかったのも、ゴムの減りが早かったのも、そういうこと?」
舘「……ん」
顔を赤面させ、俯きがちになりながら返事をする涼太を、今すぐ抱き潰したい欲望に駆られながらも、懸命に自分を律しながら会話を続けた。
渡「このディルドさぁ、俺のとサイズ感似てね?」
舘「っ……そんなことないでしょ」
渡「ふーん」
これは図星だな。こんなことになると予想もしていなかったからか、今日の涼太は物凄くボロが出ている。動揺も感情も、全部剥き出しになったみたいに。
自分の腰からベルトを抜き取り、押し倒した涼太の両手首を縛って頭上のベッドフレームに固定させた。
ほら、普段なら直ぐに気がついて抵抗してくるのに、今日は全然じゃん。
涼太の色白で健やかな肌が露呈されていて、両腕を縛られたことに対してか不服そうな表情を浮かべている。
そして熱を孕んだそれは俺がやってきたことにより意図せず寸止めを食らって情けなく震えている。
渡「(にしてもこの格好、やば……)」
舘「おい、翔太、これはずせ」
渡「え、いやだけど」
これ以上涼太が文句を言う前に大人しくさせるためにも堕としてしまおうと、先程から絶え間なくひくついていた後孔に再びディルドを埋めていった。そしてスイッチをオンにすると、抵抗の言葉たちはあっけなく散っていった。
まじまじと見られて恥ずかしいのか、そこを隠そうとする膝を抑え込むように開かせると、快感を拾ってしまう従順な身体に、腰は浮いて全身を微かに震わせていた。
舘「や゛らぁ、う、ぁっ、しょ、たぁ、っん、う゛はぁ」
渡「どう涼太?これ気持ちいの?」
舘「あっ、ぁ、きも、ちぃっ、からぁ、ん、、」
渡「へぇ」
自分から仕掛けておきながらも玩具に悦がって震えている涼太を見て、いい気にはならなかった。嫉妬じゃないけど。そんな事を考えている間にも感情はどんどん複雑になっていく。
俯いた視界にふと入り込んだ涼太のソレを見て、いい案が浮かんだ。
舘「しょ、った、んぁっ、へんっ、な、ぁ゛、こと、すん、なぁ、っよ゛」
渡「さすが涼太。俺がなにか思いついたって分かってくれたんだ」
そういいながら俺は躊躇うことなく涼太の震えるソレを口に含んだ。途端に甘さをもった嬌声が頭上から聞こえてきて、徐々にいい気分になってきた。
先走りで濡れていたコレはこの先誰を抱くこともないのだと思うと、口角が自然に上がっていってしまう。
舘「あっ、あぁ゛、ぃあっ゛っ、ふぅ゛ぁ、っぁあ、んっ、しょ、たぁ、でちゃっ」
渡「ん、らひていーよ (だしていーよ)」
舘「や、ら、っあ゛、は、にゃせ、ってぇ、や、ぁだ、、ぁ、ぃくっ゛」
そうして涙を浮かべながら身を捩って涼太は果てた。口内にじんわりと広がる独特な味が全て涼太のものだと思うと、一滴も逃したくない。前はイけたとしても止まることのないディルドに息つく暇もなく懸命に喘いでいた。
一旦休ませてやるかと思いバイブを止めて玩具を抜き取ると、その瞬間さえ感じているようで上擦った声をあげていた。
渡「泣いてる?」
舘「はぁ、は、、泣いて、っない」
渡「ほんとつよがるよな、こんなグズグズになってるのに」
言葉を少し強めると、息を呑んだ涼太の喉が上下したのが見えた。
なに、嬉しいの? もうどうしようもないな、俺も、涼太も。
緩急をつけるように今度はやさしく唇を重ね、互いの熱を交わした。激しさに慣れてしまったのか、物足りないと言うように喰い付いてくる涼太を無視しながら、俺のペースに飲み込ませていく。
俺以外のことなんて考えられなくなればいい。普段もそうしろと強いるのは互いの職業柄できることではないと分かっているけれど、せめて、今だけは。
渡「涼太。明日の予定は?」
舘「スタジオ収録……午後から、だけど」
その言葉は俺にとってGOサインが出たようなものだった。次の日の予定が午後からであれば身体を重ねる。それは俺と涼太にとって暗黙の了解のようなものだった。
自身のズボンと下着を脱ぎ捨てて噛みつくようにキスをする。先程の誘いに乗ってやるように涼太の肉厚な舌と絡ませながら、呼吸も奪うくらいに涼太を味わった。
僅かな唇の隙間から零れ出る雨粒のような吐息と限界を感じさせる涼太の声が聴覚を刺激した。
膨張しきった欲にゴムを被せて、涼太に怒られないギリギリの位置に俺の証をつけた。こんな位置につけようとすれば、普段なら抗議の声が飛んできたり力で抵抗されるものだが、残念ながら今日は手首を拘束しているし、熱に縋りついた思考は言葉が紡げないようだった。
子供っぽいって涼太は笑うかもしれないけど、涼太は俺のものだというどうしようもない独占欲の現れだ。好きに笑えばいい。そうやって笑ってる涼太も、もう既に俺の手の内なんだから。
後孔に指を沈ませると玩具のお陰か既に十分なほど柔らかくなっていた。これはラッキー。
そのまま指でぐるりと中を刺激すると落ち着いていた涼太の身体が再び震えるように暴れ始めた。視覚からも聴覚からも酷く扇情的な恋人を感じられて、熱はいつも以上に膨張していた。
なぁ、涼太。実は耳が弱いことも、焦らされるのが好きなことも、なんだかんだ言って俺の言うことを聞いてくれるのも、ちょっといじめると余計に感じてることも、俺全部知ってんだよ。
渡「じゃあ、今から抱くね。涼太」
―――
これまでの道は簡単なものではなかったけど、今の光景を見るまでに時間はかかったけど、今やテレビをつけていれば一度は目にする、そんな立ち位置まで俺達はくることができた。謂わば、俺も涼太もメンバーも国民的アイドル。
ありがたいことに女性のファンなんて数え切れないほどいて、星に手を伸ばすように涼太に恋をする人たちも沢山いて、国王だとか貴族だとか言われながら何でもスマートにこなす涼太が、同性の男に、他の誰でもない俺の下で全身を震わせながら快楽の海で藻掻くように必死に喘いでいる。そんな事実に優越感を抱いて、くらりと目眩がした。
舘「あっ、あっく、っぃ゛、は、ぁっあ゛」
渡「今日いつもよりどろどろじゃん、そんなに俺が欲しかった?」
舘「ぁっ、く、う、るさ、ぁ゛ぃっん、ん゛ぁ」
「うるさい」そう言いながらも中はきゅうきゅうと締まって、俺は思わず笑みをこぼした。素直じゃないなぁ。偶に不定期に素直な日がやってくることもあるけど。
背中を反らせては腰を揺らしている目に毒すぎる恋人の痴態を眺めながら、最奥を穿つように熱を挿れ込んだ。
舘「ん゛っ、うぁ、あっ、あ、っく、る、ま゛って、しょ、ったぁ゛」
渡「いいよ、イって」
舘「あ゛、ま、っで、って、しょ、ぅだっ、ぁ゛あ゛っっ〜〜゛!!」
涼太は限界まで顎を反らせて淫らな声をあげながら白濁が散った。強い内壁の収縮に誘引されるように俺も果て、数ミリの隔て越しに熱を注いだ。
男同士では意味のない行為だって頭では分かっていながらも、本能的に奥へと擦り付けてしまう。果てた直後の身体にはそんな緩慢な動きさえも刺激になるようで、息を整えながらも涼太は未だに喘いでいた。
渡「は、っ、もう玩具なんて使うなよ」
舘「ぁ、ぇ、な、んで」
渡「(……え、なんでってなに??)」
予想もしてなかった言葉が飛んできて面食らったまま固まっていると、なにやら墓穴を掘ったようで涼太の顔はじんわりと赤くなっていった。
そんな愛くるしい様子に胸を締め付けられながらも、未だに言葉の意味が理解できず熱に浮かれた思考を懸命に張り巡らせた。
そうしているうちに一つの可能性に辿り着いたものの、いや、まさかね? 疑いは確かめられずにいられず問いかけた。
渡「ねぇ、『なんで』ってどういうこと? 何を期待しちゃったの」
舘「な、んでもない……よ」
渡「りょーた」
問い詰めるようにキス一歩手前まで顔を近づけて低めの声で名前を呼べば、涼太は抵抗するのを諦めてくれる。
渡「教えて」
舘「いや、あ、の、俺がわるいことしちゃったときとか、使うんじゃ、ないの……」
渡「へぇ、お仕置きってこと? なに、されたいの?」
舘「…………うる、さい」
これは確実に涼太が悪い。潤んだ熱っぽい艶やかな瞳で睨んだって、喘ぎ散らかしたおかげで掠れてしまった声で悪態をついたって、欲を煽るだけだってこれほど自覚がないものなのか。
力なく項垂れていたソレが再び熱を持ち始めたと同時に、ふと涼太と目があった。その瞳はどうしようもないほどの興奮と期待で満ち溢れていて、俺は止まれるわけがなかった。
渡「明日、文句言っても知らないからな」
舘「……こいよ、翔太」
コメント
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最後の「こいよ、翔太」めっっちゃ 好きです!!