rt side
『えっ、はい』
何故か、新人くんが俺に話かけてきた
何か用事があるのか?と思って
椅子をくるり新人くんの方へ回して首を傾げてみると
新人くんが「え、?」というから
訳もわからず俺も『え?』と聞き返してしまった
「あれ、部長さんから聞いてませんかね..?」
「僕、教育担当が…えっと、香坂、さんって言われたんですけど…」
“部長”の名前を言われた事で少しビクッとしてしまったが
それより“教育担当”という言葉の方が今の俺にとってはインパクトが強かった
『き、聞いてない…』
「え゛!?本当ですか…?」
勿論、教育担当なんてした事ないし
上手くできるかもわからない
けど、みんなやりたがらないから俺に押し付けたんだろう
と言っても部長が「やれ」と言うんだから
俺は従う他ないしね
『わ、わかった!一回部長に聞いてみるけど、とりあえず今日は俺が色々教えるね』
「あっ、ありがとうございます!…香坂、せ、先輩、?」
『あっ、あー、呼び方はなんでもいいよ』
『みんなはレトルトくん、とか色々言ってる』
「じゃあ…レトルトさんで行きます!」
『ん、じゃあ俺は、キヨくんって呼んでいい?』
名前で呼んであげるとさっきの自己紹介で
名前を覚えられていたのが嬉しいのか
キヨくんは目を光らせて
「はい!よろしくお願いします!」と言った
純粋だなぁ、と思う反面
あの部長に教育担当俺で良いのかを聞かないと
いけないのでそれに若干怯えながらも
『じゃあ、一通り内容教えるね』
とキヨくんに言った
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数ヶ月後
「レトさーーーーん!」
『わっ!…ったくもー周りの人に迷惑やろ!』
俺はキヨくんと話す事が多くなり、
いつの間にか“社員”じゃなくて
“友達”として接していた
あんなに憂鬱だった会社も
今では少しだけ….楽しみになった
けど、部長からの暴力は終わる事なく
今日だっていつもの部屋に呼ばれていた
18:15
「よっしゃー終わりーー!」
「レトさん!今日金曜だよ!飲み!行かない?」
『あー、ごめん。今日予定あるんやわー』
「えー、デートかよー….」
『ちゃうわ!えっと、親、が家来るんだよねー、』
「それはしょうがないか。じゃあ次は絶対飲み行こうね!じゃね!」
『うん、バイバイ』
ky side
「飲み、行きたかったなぁ」
15分程歩いて駅に着くと
何かを会社に忘れた事に気づいた
「あれ、定期…どこ」
生憎、鞄の中を漁っても何も出てこず
めんどくせぇと思いながらも
‘一人暮らし始めたばかりだし
ここでお金を使うより会社戻った方がいいよな’
と思い、先程通った道を小走りで戻った
…
運良く会社は開いていて
自分のデスクまで走っていくと
机の上に望んでいたものが
ぽんっ、と雑に置いてあった
「何でこんな分かりやすい所に置いてんのに
忘れてくんだよ俺」
自分自身に軽く笑い、すぐ帰ろうと思った
[….!、~~!!]
[…、?]
微かに声が聞こえてきた
「誰か怒ってる、?」
その声色は確かに怒っていて
もう少し耳を澄ませると
[…は、いっつも….で、]
[…目障りなんだよ!]
はっ、っと目が開いた
これは駄目なやつだ、と本能が言っている
「助けないと…」
定期券を握りしめて声のする方へ走った
「明らかにここから声がするよな…」
何で部長室から…
とりあえず出てこないか張っていると
バンっ、と勢いよく扉を開けて
苛立ちながら出ていく部長が
「ちゃんと綺麗にしとけよ!」と
言い残すとスタスタと帰って行った
あの声の主はやっぱり部長だったのか、
いつもの温厚な部長とは裏腹に
すごく、怖かった
とりあえず部長室に入ってみよう…
とりあえず周りに人がいないのを確認して
開いたままの扉を覗きこんでみた
中は真っ暗で廊下の光で中が照らされている
そこには、蹲っている人がいて
『うぅ、グズッ、』
はだけたスーツ
茶色い髪の毛
鼻にかかる声
がっしりめの身体
だけど、繊細な手
全て今日、俺が見た人そのもので
「れ、レトさん!!!」
__レトさんは床に伏せて静かに、泣いていた
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やっと色々片付いたので
ちまちま書いていたものを出しました
更新遅すぎて内容みんな飛んでるよね
ほんとごめんね、!泣
過去に戻って見てくれたらと思います🙇🏻♀️
また、ちまちま更新になりますが
よろしくお願いします😿
あ、定期券はICカードの事です💳
分かりにくい!ごめん!
コメント
5件
わー!!!キヨ見つけたのね…!よし、それじゃあこれから部長と二人がどうなるか楽しみだ✨ 気まぐれちゃんおひさー! 最近私もだけど皆忙しいよね〜!全然書く時間ないのわかるぅー…お互い休み休みに頑張ろね!
ちょっと待って更新嬉し?!!!???(勉強の間に見た人) さいこう!!!!! 何回も見返してるよん!!