異変発表から、2年と何か月か。
(嘔吐、トラウマ表現(性的)&アメリカ視点あります)
最の日課になりつつある、凍結情報のニュースを見る。
どれだけ目を背けてたって、分かってしまうから、せめて凍結が遅くなったりの希望を胸に、毎日ニュースを見るが毎日その希望は砕かれる。
運悪くニュースを見ているときにリビングにアメリカが入ってくる。
気分が沈んでいるのも、取り繕う余裕がない
「なぁ、そんな顔してたら氷より固まるぞ?」
「…現実見ろよ、もう南半球は死んでる」
「見てるって、もう俺は大丈夫」
そう言われて、前、アメリカを励ましておいて、受け止めれずにいる自分に腹が立ってくる。
「…なんで、こんな目に合うんだよ……」
つい、本音がこぼれる
アメリカがコーヒーを飲んでいた手を止める。
「…気分転換にちょっと散歩でも行くか?」
「もう気軽に外いけねーよ」
「そういやそうだったな…」
外に行けないわけではない、吹雪で数メートルも行くとかなり危険なのだ。
窓越しの風の音が物語っている。
風の音を意識したからか、幼い頃に、散々快楽の奴隷にされた挙句雪が降る中外に放り出された時のことが蘇る。…気持ち悪い
片手で口を抑えて、もう片手で立ち上がろうとする。くらくらして立てない、
中途半端に立ち上がったせいで、椅子にも戻れなくなり、しゃがみ込む。
「どうした?!」
アメリカが寄ってくる
「ぅ、おぇ、っ…」
喉が熱い、息が引っかかる。息がしずらい…
…怖い。怖い、怖い!
胸の奥から、焦りと恐怖がせり上がってくる。
「大丈夫かよ?!吐けるだけ吐け!」
アメリカが手を伸ばしてくる。
「…っ、触んな!」
反射的に、叫ぶ。
アメリカは一瞬、何があったかわからないように目を見開いた。
「……ごめん、びっくりさせたか……?」
アメリカの声は震えていた。
(アメリカ視点)
「……ごめん、びっくりさせたか……?」
俺の声は、情けなく震えていた。
自分でも何に怯えているのかわからない。
けれど、ロシアの怯えた目が、どこか昔の自分と重なって見えて、胸が締めつけられた。
「無理に触んねぇから、……落ち着け、な?」
俺が静かに声をかける。
どうすればいいのかわからなく、視線を泳がせる。だがすぐにその視線は止まる。
いつも裾で見えない首元が、裾がずれ落ちて露わになっている。
――古い、傷跡。
一瞬だけ、アメリカの呼吸が止まった。
「……ロシア、これ……」
「っ、…昔のことだから」
ロシアがさっと首元を隠す。
「……ごめん、これ、掃除するな」
できるだけ、さっきのことは触れないように。
「…ありがと」
ロシアが弱く返事をする。本人から聞くしかねぇよなこういうのって
そう考えながら、床の掃除を終える、きれいな布を持ってきて、ロシアの口のあたりを拭く。
服は汚れていなくてよかった。
掃除をし終わり、沈黙が続く。
「……悪ぃ、掃除させて、」
ロシアが沈黙を破る、さっきより落ち着いているようだった。
「別にいーよ、俺もこういうことあったし。」
「そうだったな、………俺さ」
「昔、…虐侍されてて、偶に思い出すとき、こうなっちまうんだよ」
「…そっか」
アメリカは小さく息を吐いた。
「……話してくれて、ありがとな」
そう言って目を伏せる。その瞳の奥が、どこか遠くを見ていた。
少しの沈黙。
何かを思い出したように、アメリカが口を開く。
「……俺もさ、昔、似たようなことあったんだ」
「?」
「俺も、虐待されてた」
アメリカの声は、いつもの明るさとは違って、どこか乾いていた。
「…仲間じゃん」
ロシアがぼそっと呟く
「ふっ、www確かにな」
「なんかどうでもよくなってきた、昔のこと」
「昔のことごと吐いたんじゃねーかw」
「確かにな、ww」
そうやって笑い合い、お互いの過去を教え合った。
雑談も終わり、いつもの日常に戻った。リビングは家事の音だけが響く静かな空間。
けれどその静けさは、いつもみたいにどこか不安な冷たさはなかった。
もう、寒さも悪くないかもしれない。
隣に、こんな風に笑えるやつがいるなら。
_全球凍結まで、あと■週間
コメント
2件
今気が付いたけど、凍結まで残り数週間になってない?!ああああああああああああああ涙腺がああああああ(まだ早い)
あああああああああああああああああああああああああああああああやめて私泣いちゃう!(全力投球の褒め言葉)