「あ、こんにちはー」
「こんにちはっ」
扉が開くと、みんなが順々に挨拶した。
「恩田先生、新しく来た子の袴ってまだ頼んでないですか?」
滝原くんが先生の近くに来て言った。
「野仲さんのやつね、まだ注文してないけど今しても来るのだいぶ時間かかるからね」
「凪にも今度の中庭パフォーマンス出てほしいねんけどなあ」
「中庭パフォーマンス?」
「7月12日の昼休みにあんねん、1年生は周りでダンスとかチアやるんやけど、凪やったら書く方でいけると思うから」
前の高校では、何も無い日にパフォーマンスをすることはなかったから少しびっくりしたが嬉しいと思った。
「あ、先輩が置いてった袴あるんじゃない?」
皆川くんが思い出したように言った。
「あほんまや、ちょっと待ってな」
滝原くんが小走りで倉庫の方に行って戻ってきた。
「これ!前辞めてもた先輩がもし使えるならって置いてってくれてん」
ズボンの方を見ると、『岸』と名前が刺繍されていた。
「あ、女の先輩やから安心してな」
何も言っていないのに滝原くんがそう言うので、少し笑いそうになった。
「でも岸先輩身長高かったからちょっとおっきいかもね」
瑠衣ちゃんが袴を私に合わせて言った。
「そうやなあ、でもこれでいけるんやったらこれ着て出てほしいな」
「とりあえず着てみる?」
「うんっ、着てみる」
「よし、じゃあ瑠衣着替え部屋連れてったって」
瑠衣ちゃんは着替える部屋に案内してくれた。
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「おおいいやん似合っとる!」
日高くんと皆川くんもいいじゃんと言ってくれた。
「でも裾すってまうなあ、だいぶ長いな」
「でも今度の1回くらいだったら大丈夫だと思う」
「ほんま?じゃあ、、それで出よか」
滝原くんは優しく言った。
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