「疲れた〜!」
事務所の打ち合わせの帰り道、凸さんが言う。
「凸さんお疲れ」
「家に帰ったらハイボール飲も〜」
「ほどほどにね」
俺たちは雑談をしながら歩いていた。
そんな時
「ガサッ」
「……?」
俺は物音がしたような気がして立ち止まり、振り返った。
「さもさんどした?」
凸さんが聞いてくる。
「いや、何か物音が聞こえた気が」
「ノラネコとかじゃない?」
「かなぁ」
そんな話をして、また歩き出そうとした時
「………て」
「「え?」」
俺も凸さんも驚いて立ち止まる。
「たす…て」
「たすけて…」
「助けてって聞こえる…!?」
その直後。
「ばたっ」
倒れた音がする。
「探さなきゃ!」
俺たちは急いで声がした方を探す。
「さもさんいたよ…って」
凸さんの声が途中で聞こえなくなる。
俺は駆けつけた。
そして、その光景を見て俺の言葉が詰まる。
「えっ…」
俺は一瞬目を疑った。、
………そんなわけないよね。
「…とりあえず連れて帰ろう」
凸さんが話した言葉に、俺は頷いて返した。







