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第23話:孤立の宣告
都市中心部の広場。
巨大なホログラムが空を覆い、国家の宣言が流れていた。
「クオン──元国家管理職、現民間所属。
度重なる秩序破壊行為および未定義命体の救出を理由に、完全抹消対象とする。」
人々は端末に通知されるその文字を確認し、ざわめきと恐怖の声を上げた。
「抹消対象……? 生きている限り、存在ごと消されるってことか」
「秩序に逆らったんだ。仕方ないさ」
ホログラムには、墨染めの外套を纏ったクオンの姿が映し出されていた。
灰色の瞳は冷徹な光を宿し、第三の眼が強く輝いている。
だがその映像は「脅威」として編集され、あらゆる災厄を彼が引き起こしたかのように描かれていた。
広場の隅に身を潜めるクオン。
灰色の外套は埃に汚れ、額の第三の眼は微かに震えていた。
「……国家だけじゃない。民間まで俺を切り捨てるか。」
かつて味方だったフォージャーの一派も、今は敵となった。
豪奢な外套を翻したダリオが壇上で声を張り上げる。
「国家が動く前に、我々フォージャーが“秩序の敵”を排除する!
未来は造られるものだ。クオンの正義など必要ない!」
市民たちは歓声を上げる。
「フォージャーが秩序を守る!」
「国家より頼もしい!」
後方にいたリサたち支持者の小グループも、不安に揺れていた。
黒髪を束ねたリサは琥珀色の瞳を細め、悔しそうに呟く。
「……ここまで追い詰められるなんて。」
隣のトーマは緑の作業服の腕を組み、苦々しく顔をしかめる。
「民間でも孤立したら、俺たちまで危険だ……」
ミナは水色の瞳を潤ませ、三つ編みを握りしめた。
「でも……クオンさんは間違ってないよ……!」
だが広場全体が「国家+民間=敵」という構図を作り出していた。
秩序に酔う市民、利用を叫ぶフォージャー、排除を決断する国家。
孤独の中、クオンは静かに灰色の瞳を閉じた。
「……正義を守るには、全てを敵に回すしかないのか。」
第三の眼が淡く光り、彼の影が長く広がった。
社会全体が一人の存在を消そうとする時、クオンの孤独な旅はさらに深く踏み込んでいった。