テラーノベル
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アイマスクの下で、総悟の思考は極限まで研ぎ澄まされていました。
銀時の問い詰めが脳を侵食し、自分という存在が
「真選組」から切り離されていく恐怖。
ならば、せめて
「一番隊隊長・沖田総悟」
として死ぬことだけが、彼に残された最後の矜持でした。
「……あ、あァ……銀、とき……」
掠れた声で、初めてその名を呼ぶ。
銀時が満足げに顔を近づけた、その一瞬の隙。
総悟は拘束された両手を、自らの喉元へと叩きつけた。
手首に食い込む鎖を、凶器へと変えて。
(……これで、終わりだ。……土方さん、近藤さん……先に行きやすぜ)
渾身の力で鎖を喉笛に押し込み、気道を潰そうとした——その時。
「……っ、この、ガキが……ッ!!」
凄まじい衝撃が総悟の腕を弾き飛ばした。
銀時の、獣のような咆哮。直後、総悟の体は床に押し倒され、両手首は銀時の大きな手によって、床が抜けんばかりの力で固定されてしまった。
「……死ねると思ってんのか? 俺の目の前で、勝手におさらばできると思ってんのかよ!!」
銀時の声は、もはや静寂を保ってはなかったかもしれない、
剥き出しの、狂気的な焦燥。
総悟の首筋に、銀時の荒い吐息が突き刺さるようで、
「……っ、は、なせ……! 死なせろ……俺を、殺せ……ッ!!」
「死なせねーよ。お前が地獄を見ようが、俺がその地獄ごと抱いてやるって言ってんだろ!!」
銀時は総悟の首を締め上げるのではなく、その喉元の傷跡を、狂おしく、汚すように舐り上げる。
自害という
「逃げ道」
すらも、銀時の圧倒的な執着によって塞がれた絶望。
「いいか、総悟。お前には死ぬ自由なんてねーんだよ。……お前の命は、もう俺が買い取ったんだ。指一本、勝手に動かすんじゃねェ」
銀時は、総悟が自ら傷つけようとしたその首筋に、消えないほどの深い歯形を刻み込んだ。
もはや、侍としての死すら許されない。
総悟の目から、初めて一筋の涙が、アイマスクに染み込んできて、
「……っ、……、……」
声にならない慟哭が部屋に響く、
銀時は、その震える体を壊れるほどに抱きしめ、暗闇の中で呪いのように囁き続け、
「……お前は、死ぬまで俺の檻の中で鳴いてりゃいいんだよ。……愛してるぜ、総悟」
コメント
1件
いや、めちゃくちゃ重くて美しかった……。総悟が「侍として死ぬ」という最後の矜持すらも、銀時の執着で剥ぎ取られていく感じが読んでて辛かった。自害の瞬間を「俺の目の前で勝手におさらばできると思ってんのか」って阻止する銀時、狂気と愛が混ざりすぎてて震えたわ。「死ぬまで俺の檻の中で鳴いてりゃいい」って言葉、呪いみたいだけど究極の愛でもあるよな……。次が待ち遠しい。
NAGI