テラーノベル
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10話
𝒈𝒐⤵︎ ︎
じゃぱぱさんとヒロくんが消えてから、俺の体調はもっとひどくなった。
まるで二人の呪いの力が、俺の身体に流れ込んできたみたいに。
朝起きると、全身が鉛のように重い。
ベッドから体を起こそうとしても、まるで巨大な岩が乗っているかのように動かない。
頭の中は霧がかかったようにぼんやりとしていて、思考がまとまらない。
「…う…っ、はぁ…っ」
なんとか起き上がっても、数歩歩いただけで、激しいめまいと吐き気に襲われる。
胃の中のものがせり上がってくる感覚に耐えられず、トイレに駆け込むこともしばしばだった。
吐いても、吐いても、何も出ない。
ただ、えずくことしかできない。
背中の黒い桜の紋様は、常に熱を帯びている。
その熱が、身体の内側から俺を焼き尽くしていくみたいだ。
熱すぎて、皮膚に触れることさえできない。
痛みと熱さに、呼吸が浅くなる。
夜は、まともに眠ることもできない。
眠ろうとすると、頭の中でじゃぱぱさんとヒロくんの声がこだまする。
『大丈夫』
『生まれ変わってもまた一緒に笑ってくれる?』
優しい声が、俺の罪の意識を深くえぐり、眠りを妨げる。
体調が少しでも良くなったと感じても、今度は激しい手足の震えが襲ってくる。
物を掴もうとしても、手が震えて何も持てない。
部屋の隅に置かれたコップに手を伸ばそうとしたが、あまりの震えに、コップは俺の手をすり抜けて、床に落ちて割れた。
俺の身体は、もう俺のものではなかった。
呪いに支配され、内側から破壊されていく。
すべては、俺が二人を失った代償だ。
このまま、俺も消えてしまうのだろうか。
そして、その時、残されたメンバーの記憶から、俺の存在も消えてしまうのだろうか。
身体を蝕む呪いと、心に突き刺さる罪悪感。
俺はもう、その両方に耐えられなかった。
吐き気と激しい頭痛で、ただベッドの上で蹲ることしかできない。
全身に巡る熱は、まるで身体の内側から俺を燃やしているかのようだ。
「…うぅ……、あ゛…っ…、は…、はぁ……」
声にならないうめき声が、喉から漏れ出る。
呼吸をするたびに肺が焼き付くように痛んで、息を吸うことさえ苦しい。
体は震えが止まらず、痛みから逃れるように、ただ硬く丸くなるしかなかった。
「……ごめん…っ…、ごめんなさい……っ」
俺の口からこぼれたのは、謝罪の言葉だった。
じゃぱぱさん、ヒロくん。
二人の顔が、消える寸前の笑顔が、脳裏に焼き付いて離れない。
俺が、みんなから離れようとしなかったら。
俺が、あの時、正直に話していたら。
こんなことにはならなかったかも。
この呪いが、俺の心を殺していく。
俺のせいだ。
俺のせいで、二人を失った。
俺のせいで、メンバーは大切な仲間を忘れてしまった。
この痛みは、俺が犯した罪の罰なんだ。
そう思うと、もう何もかもどうでもよくなった。
身体が壊れてもいい。
このまま消えてしまっても、構わない。
だって、もう、俺には…何も残っていないんだから。
絶望が、冷たい水のように俺の心を飲み込んでいく。
俺は、ただ痛みに喘ぎながら、終わりの見えない苦しみの中に身を委ねるしかなかった。
「……うり……」
久しぶりだね
🌸𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎
コメント
1件
蹲る→「うずくまる」だよ。 コメントよかったらしてって欲しいな