コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ゾムside
ゾ『違う、違うのに!』お前は無能だ!
どっかいけ!
きゃぁぁぁ!狼よ!
狼だ!やれー!
俺は、俺は!
………もう、何も信じられへん。
ゾムside
俺は狼や。でも狼とは思われへん程のケガを俺はしとる。小さいときに何に襲われたんかは忘れたけど、そのときに俺は右目と右足にケガをしてしもうたんや。でも、大きくなるにつれて治るやろ。
そう思うてた。でも俺のケガは一切治らんくって、とうとうつい先日俺がおる群れのボスに群れを出ていけ言われた。でも俺は出て行きたくなくって、必死に嫌や!って言ったんや。…でもそれが間違いやった。ボスに逆らったから俺は他の奴らからも恨みを持たれて、攻撃された。それに耐えられんくなって俺は群れを出たんや。そんで村に出てみたら、狼やからって追い出された。石とかいろんなもん投げて来られて、もう既にボロボロやった体はもっとボロボロになった。
もう、誰も信じられへん。なんで、俺がこんな目に遭わんとあかんの…?
俺はそのまま目を閉じた。
次俺が目を冷ましたんは知らん場所。なんか白くて………っ!?ここ、人間が使うへや?っつう場所やん!あかん、またなんかされる…!逃げなっ!
グ「おっ!起きたのか!」
しまった!もう人間が来てもうた!俺に何するつもりや!
ゾ「グルルルルルルルッ!」
グ「………おぉ!かっこいいな!」
なんやこの人間…。意味わからん。まぁでもさっさと逃げるに超したことはな、いぃ!?な、なん、めっちゃ痛いんやけどぉ!?
グ「あぁ、動いたら…」
ゾ「ガウッ!」
グ「おっとと、すまんすまん。」
なんでこんなに痛いねん!あんとき寝てもうたから緊張の糸が切れて、って感じか?ようわからん…。
ト「グルっペン!」
グ「げぇ!?トントン…!」
ト「やぁっっと見つけたぞ…!お?おぉ、この狼起きたんか。」
ゾ「グルルルルル…」
ト「おぉ、おぉ、ごめんな…ってちゃうねん!グルっペン!また書類ほったらかしやろ!机の上見たぞ!」
グ「な、なんで見るんだ!」
ト「なんで……?お前がちゃんと書類せぇからやろが!ほらっ、さっさとしにいくで!」
グ「えぇぇぇぇ!」
はぁ〜。なんやあの騒がしい人間は…。体はまだ痛いし、動かれへん。てか、動きたくねぇ、痛すぎる。…ケガが治るまでここにおろ。あいつらなんか関係ない。ケガが治ったらすぐにこんなとこ出てくんや。でも今は、なんか、まだ…眠い…。
グルっペンside
あの緑の狼を我が軍へ連れてきてから一週間が経った。怪我は完全に治っているというわけではなく、まだ安静が必要だとペ神は判断した。
グ「なぁ、ロボロ」
ロ「うぉ!びっくりしたぁー。なんや?」
たぶんだが、あの緑の狼が懐きそうなのはロボロかエーミールだと俺は判断した。だが、エーミールは今外へ行ってもらっているからロボロのとこへ来たというわけだ。………世話を頼むか。
グ「ペ神がな、明日1日用事でここを離れるんだ。ペ神の代わりと言ってはなんだが、あの狼の世話を頼まれてくれないか?」
ロ「あーそういうこと?ええで、別に。」
グ「おぉ!ありがとうだゾ!」
ロ「ていうか、みんなあの狼のこと狼ってばっか言っとうけど、名前つけたらへんのか?」
コ「ロボロにそんな人道的な心があったんか!」
シャ「やばいやばい!明日は大雪や!」
ロ「なんやねん!お前ら!」
実を言うと何回も名前をつけようと思っていろんな名前で狼を呼んでみたんだが、全てを拒否られ、名前をつけれずじまいなことはこいつらには言わん方がええかなと思い言っていないのだが………。
グ「名前、か…。」
ロボロside
ロ「失礼しまーす…」
ゾ「グルルルル…」
ロ「うわぁ!?びっくりしたぁ。ドアの近くにおらんといてや〜。」
これがあの狼か。てかみんなが言ってたとおりほんまに緑やねんなぁ。
ここにこいつを見に来たやつは、昨日の時点で俺以外やった。やから俺は初めてこの緑の狼とご対面や。
でも………
ロ「毛、きれいやなぁ」
ゾ「!!」
人間じゃ絶対に染めれない自然に生えてきてる毛。太陽の光に当たってるところが、本来の黄緑の毛をもう少し薄い黄緑にして宝石みたいに輝いとる。
あいつらが言うにはめっちゃ警戒心が強い狼やってなっとるけど………、最初威嚇したときからこの狼、俺に全然威嚇してこぉへんけど、大丈夫かな?
あ、そうや、名前。グルっペンがつけようとしたとき全部拒否られたって言っとったけど、こいつにはこいつの名前があって、それ以外は受け付けへんって訳じゃ………ないよな。ただ単に警戒心が強いだけやろ。
ロ「お前、腹減ってないか?」
ゾ「………」
ロ「反応なしか…。まぁ、せやんな。」
一応餌は置いといたるか。えーっと?確か、ここに…
なんでないんや…。もしかして、
ロ「なぁ、狼?ここにあった餌取った?」
ゾ「っ!……………」
ロ「…………その反応、取っとるな。はぁ、まあええわ。それが気に入ったんやろ。あげるわ」
うーん、でもここにないのは流石にあれよなぁ。ペ神が帰ってきたら、「そんなに食べさせたの!?」って怒られてまーたあの追い回され地獄になるかもやし。
買ってくるか。
ロ「ちょっとだけ待っとってな」
グルっペンとトントンに事情説明して外に行くかぁ。
ゾムside
こいつ…、俺が餌取ったってすぐに気づいた。なんでや?普通、人間やったら他のやつが俺に食わせたとか思わへんのか?まぁええわ。これで外に出たあとの飯はなんとか手に入ったわけやし。
でも、なんかあいつ、他のやつと違うかった。ていうかここの人間、主に幹部?とか言われとる奴ら全員他の人間と明らかに違う。大抵俺を見たら、逃げていくか、追い払おうと力で押さえつけてくるやつらばっかりやったし…、なんでや?
なんか…、胸のあたりがモヤモヤする。
ロボロside
ロ「これください。」
モブ「はいよー、〇〇円ね。」
ロ「ほい」
店主「まいどぉ。」
ロ「よしよし。数もあっとるし、あの狼が食べそうなもんも買えたし。」
「ねぇ、聞いた?この国の隣にある〇〇国ってあるじゃない?」
「あ、もしかして狼出没事件のこと?」
「そうそう!なんでも、緑の毛の狼らしくって。」
緑の毛の狼…?あいつちゃうんか?
「その狼ね、急に人里に下りてきて、人に近寄ったらしいわよ!」
「えぇ〜!それ絶対人を食べようとしてたんじゃない!?」
違う…、絶対違う!あいつは多分やけど…そんなことせぇへん!グルっペンたちも言っとったけど、拾ったときめっちゃ怪我しとって、もし人に暴力を振られとったとしても、それ以外の傷があったって言っとったもん!そんな体で人なんか襲われへんやろ!
ロ「あの人ら好き勝手言いやがって…!(ボソッ)」
「それがねぇ、向こうのあたしの友達に聞いたんだけど。」
「あぁ、あのいつも誰にでも優しいって子?」
「そうそう!その子がね?その狼が怪我してるように見えたんだって。それで、手当してほしいから人里に来たんじゃないかって!」
「へぇ〜!でも、そうだったとしたら、追い払ったの、だめだったんじゃない?手当してあげれたら良かったのに…。」
「ほんとにねぇ。」
なんや…悪い人やないやん。勝手に決めつけてごめんな。でも、向こうの国からここまで来たんか…。そんで、向こうの国にもあいつを擁護してくれる人はおってんな。でも、多数が狼を追い払おうとしてたから助けに行かれへんかった感じかな…。
早よ帰ろ。あの狼が待っとるあそこに。
ロボロが買い物に行ってから10分後
トントンside
またやりやがったな…グルっペン!
俺がホッチキスの芯がもうなくなったから取りに行っとる間に抜け出したなっ!
ト「どこ行ったんや!グルっペン!」
鬱「あ、またグルちゃんどっか行ったん?」
ト「おぉ大先生。グルっペンに会った?てか、どないしたん。」
鬱「いや、僕は書類ができたから一応持ってきただけやけど、ちなグルちゃんには会ってないで。」
ト「そうか…」
ショ「トントンさん書類、あ、団長やないですか。」
鬱「お、ショッピくん。グルちゃんに会うた?」
ショ「いや…会ってないっすね。」
ト「はぁ〜。探してくるわ。」
鬱「僕も一応会ったら言うわ」
ショ「わいも言いますね」
ト「ありがとう」
って別れてから10分が経ったわけやけど、どこ探してもおらんねんけど!なんやあいつどこ行ったんや!一番行きそうな食堂はもう行ったし…。(※軍の食堂では、常に料理を作ってくれるおばちゃんがいるのだが、たまに兵士や幹部の皆に甘いものを渡してくれるときがあるのだ!)
ほんまにどこに行ったんやあいつ…。
もしかして…。
グ「〜〜〜」
ト「ここか。」
俺はグルっペンがいるところを見つけ、思わず鼻で笑うてもうたけど、でも俺もよう来るかもしれんな…。
今の医務室は。
ト「ごらぁグルっペン!」
グ「やば!見つかったゾ!あれが一番怖い書記長様だゾ!」
ト「なぁにが一番怖いじゃ!サボるからやろがい!」
グ「ち、ちょっとぐらいいいじゃないか!」
ト「あんたの場合ちょっとちゃうねん!あんたのちょっとは30分近くなんか!?」
グ「やばいやばいっ!」
俺がグルっペンの後ろの襟の部分を掴んで医務室から出ようとしたときにロボロが帰ってきた。
ロ「うお!びっくりしたぁ。どしたん、グルっペン。」
グ「おおロボロ!たすけ」
ロ「狼ー新しく買ってきたったからなぁー」
グ「なぜ無視なのだ!?」ロボロナイス。俺はそのまんまグルっペンをつれて医務室を出た。ていうか、あの狼、ロボロが入ってきても吠えへんくなったな…。ちょっとは俺らに慣れてきてくれたんかな…。
グ「悔しいゾ〜」
ゾムside
このロボロとかいう男は俺の餌以外にも俺が好きそうなやつ言うて色々買ってきてた。まぁ、俺にとっちゃ嬉しい限りやねんけどな。
ロ「おーい、これ食べる?」
そう言うてロボロが出してきたんは人間が食べれるようなジャーキーやった。俺はそれを食べたことないからちょっと怖かったけど、でも美味しそうって興味が勝って食べんてもうた。それも人間の手からや。
でも、ロボロは俺のこと殴らへんし、怒鳴ったりせえへんかった。でもまだ信用はできひん。すぐに手のひら返すかもしれんし…。あと俺がいるところは多分やけど、軍国家?っちゅうところやろ。俺は1回そういうところに行ったことがあるから知っとうけど、ここにいる奴ら全員軍人っていうか、兵士なんやろ。力で俺が勝てるわけない。やから、早く怪我を治してここから出ていきたいんや。
ロ「なぁ、お前さ、名前ないの不便やない?」は?いや、名前はあるし、ゾムっていう名前ちゃんとあるし。俺の唯一の味方やったおかんがつけてくれた名前…。おかん以外に呼ばれたことないけど。ロ「俺なぁ、昔あるメスの狼に会うたことあるんよ。ほんで、その狼はちっちゃい子供つれてたんやけど、そのメスの狼、次に会いに行ったら瀕死状態やって、俺は助けようとしたんやけど、もう…手遅れやったんや。」
………俺のおかんの死に方と一緒や。おかんが死ぬとき、たまに俺とおかんに会いに来てくれとった人間がおった。おかんが死にかけのときにめっちゃ頑張ってくれた人間…。もう一度会いたい思うてたけど…。
もしかして…。ロ「俺、あんとき布面してなかったからあれやけど、もしかしたら、そのちっちゃい狼がお前やって思うて」そう言ってロボロは布面を外した。
あぁ、あのときの人間や…。おかんを必死に助けようとしてくれて、おかんの死に一緒に悲しんでくれた………
ロボロ、お前やったんか。
俺はそれに気づいてロボロの膝に自分の頭を擦り付けた。『覚えてるよ』って言うみたいに。
ロ「そっか、あんときの…。よし、お前の名前決まったぞ!」
ゾ「クゥン」
ロ「お前の名前は…、あ、いや、グルっペンに言われたほうがええか」
ガクッ
なんやねんそれ!w
ロ「あんなぁ、ここにはお前を傷つけるやつは誰一人としておらんから、安心しいや。グルっペン呼んでくるか!」でも、まだロボロ以外は完全に信用したわけやない。まだ人間やから、っていうのもあるし、力でねじ伏せられそうってのもある…。ロ「はよ!さっき言った名前な!」
グ「わかったゾ!」
ト「ほんまにそれ気に入ってくれるんかいや。」
鬱「俺見学〜」
ショ「わいも〜w」他のやつもおるけど、そんなにおらんな…。グ「よし!お前の名前は…
ゾムだ!」
あぁ、初めて…
ト「よろしくな、ゾム。」
鬱「よろしゅう、ゾム。」
ショ「ゾムさんよろしくお願いしますね。」
おかん以外から俺の名前呼ばれたなぁ。
ロ「よかっな!ゾム!」
なんで知ってたんかは知らんけど…、ありがとう。
少しだったらこいつらのこと…いや、ここにいるやつら全員とまではいかんけど、幹部?言われとる奴らのことは、信じてみてもええかな…。よろしく!
ゾ「ガウッ!」
今回は、狼脅威さんだったね〜
次も頑張るかぁ!