今日は、合宿2日目、朝練をするために赤葦に鍵を開けてもらい、俺はトイレに行ってからるんるんと第3体育館に向かった。
バタンと大きなな音を立ててドアを開けると、そこには服にまみれた子供がいた。ビクッと震えてこっちを見たその子供は赤葦に似ていた。
『おにーさんだぁれ??』
子供がそう俺に尋ねてきた。まぁ、こういう時はまずは名乗らないとな!
『俺は、木兎光太郎!!!!エースだ!!!!お前の名前は??』
『お、俺はあかーしけーじ…』
おずおずといった形だが名前を聞き出すことに成功した!!さすが俺!!というか、やっぱりこの赤葦に似てる子供は赤葦本人だった。
そこに、
『おーす』
『おはようございます』
と黒尾と月島が入ってきた。
ビクッと赤葦が震えて、俺の方に走ってきた。着ていたTシャツがワンピースみたいになっていて可愛い。
『ぼっとさん!!ぼっとさん!!だぁれ??怖い…』
何この天使。俺は赤葦を抱っこして、驚いてる黒尾と月島の方に行った。
『え、それってもしかして赤葦さんデスか??』
『は?どういうこと??』
さすがツッキー察しがいいなぁ!!と思いながら、今までの経緯を説明した。
『で、朝練に来たら赤葦さんが子供になっていた…と』
『どーすんよこれ、直んなかったら木兎がしょぼくれ続けるぞ』
『おいっΣヽ(゚∀゚;)』
なんて会話をしてたら赤葦が
『ぼっとさん達、バレーのせんしゅなの??』
と、目をキラキラさせながら聞いてきた。赤葦は、こんな頃からバレーに興味があったらしい。
『そーだぞ!!すごいだろ!!赤葦もバレー好きなの??』
と聞くと、
『俺ね、バレー好きで、えーと、セッターやりたくて、今いっぱい練習してるの…』
なんて、可愛い天使なんだろうとその場の全員が思った。
その時、ぐーっと赤葦のお腹がなった。
自分のお腹の音にびっくりしてる赤葦に思わずぷッと吹き出して、月島が
『そろそろご飯食べに行きませんか??』
と言ってくれた。
『おににぎたべたい!!』
と赤葦も乗り気だ。でも、あんなに人がいるところに赤葦連れてっていいのか分からない。黒尾と月島が入ってきた時ですら震えていた。黒尾も同じ考えだったそうで、
『木兎、赤葦の分今すぐ取ってこい、俺、お前の分取っとくから、で、月島は早く食べてここで赤葦の面倒見といてくれ』
皆それに賛成し、俺は
『赤葦、ご飯持ってくるから、ちょっとまっててくれ!!』
『やだぁぼっとさんいかないでぇ』
『大丈夫!!すぐに戻ってくるから、な??』ニコ
『う…ん。』
『よしっ!!いい子だな』わしゃわしゃ
俺は赤葦の頭を撫でて、食堂に向かった。
木兎視点
俺は走って食堂に行った。入ると、月島はしっかりご飯を食べていたがあと半分以上ある。黒尾に席を確認し、俺は赤葦のご飯のおにぎりを2つ持ってった。木葉に捕まって時間がかかっちゃった!!やばい早く戻らなきゃ!!
赤葦視点
『うーん…ぼっとさん遅い』
俺はグズグズと泣き始めていた。
『早く帰ってくるって言ったのに…ぼっとさんー』
木兎さん視点
『あかーし!!遅くなってごめん!!』
と叫んで入れば、グズグズと泣いてる赤葦がいた。
『ぼっとさんー!!』
この可愛い生き物はそう言って俺に抱きついてきた。キュン死しそう…おにぎりを落とさなかった俺を褒めて欲しい。
『赤葦、ほらおにぎりだぞ!!食べな』
『おににぎ!!』
赤葦はすぐに笑っておにぎりを頬張り始めた。
あーもう可愛いなぁ(*´ω`*)
すると、俺のお腹がぐぅーっとなった。
『ぼっとさん、お腹ちゅいたの??はい、あーん』
なんて優しい子なんだろう。俺は赤葦の言葉に甘えてあーんしてもらった。なんかいつもの100倍美味しい!!
『んむ、ありがとな!!赤葦』
すると月島が帰ってきた。
『お待たせしました』
『ツッキー!!待ってたぞ!!じゃああとはよろしくな!!』
『分かりました』
ツッキーなら大丈夫だと思って俺はその場を名残惜しかったけど後にした。
月島視点
来てみたはいいものの、赤葦さんとどう接すればいいか分からない。まずは、自己紹介とか??
『こんにちは赤葦さん。俺は月島蛍です』
『ちゅきちま??』
待って上目遣い可愛すぎ、死にそう…早く戻ってきて木兎さん!!
後2時間で、練習試合が始まっちゃうし、なんでこんな事になっちゃったのか確かめなきゃ。うーんと唸っていると
『ちゅ』
と、赤葦さんがキスしてきた。
『は、え、赤葦さん!?』
『ちゅきちまうーんってしてたから……治った??』
今ので確実に寿命縮んだ。
『大丈夫デスありがとうございます赤葦さん』
平然でいるふりをして、やっとの思いで返した。が、澤村さんから連絡が来て、行かなきゃ行けなくなった。赤葦さんは、おなかいっぱいになったのか寝てしまっていて、直ぐに戻ることを約束し、僕は澤村さんのところに行った。
赤葦視点
パチッ
『ちゅきちま??いない…ぼっとさん…ぼっとさん!!!!どこ??どこぉー!!』
体育館を見渡してもいない2人の姿に俺はパニックになった。すると、小窓が空いてることに気づいた。
『ここなら出れる。ぼっとさん!!どこぉー!!!!』
小窓から出て走ってると、誰かにぶつかった。
ドカッ
それは、プリンみたいな頭の人だった。
研磨視点
ドカッと誰かにぶつかられたと思えば、見覚えのある黒髪くせっ毛な子供だった。
『え、もしかして京治??』
その子は、
ふぇっ
『びゃぁーーーぁ!!ぼっとさんー!!ちゅきちまぁ!!どこぉー!!どこぉ!!』
と泣き出してしまった。
ぼっとさん??ちゅきちま??
『君、木兎さんと月島探してるの??』
と、問いかけると泣きじゃくりながら頷いた。俺はとりあえずその子を抱っこして食堂に向かった。
食堂に着くと、予想通り木兎さんがいて、木兎さんはご飯をかき込んでいた。さっきクロは監督に呼ばれてたからなぁ。月島も、さっき澤村さんが呼んでたっけ…
急いで京治を下ろすと、
『ぼっとさんー!!』
と抱きついてった。はぁ、慣れないことして疲れた
木兎さん視点
『ぼっとさんー!!』
と、聞こえるはずもない声に呼ばれ振り返ると、赤葦がいた。
『え、え!!赤葦!?なんでここに…』
『あの人に連れてきてもらったの!!ぼっとさんー』
そういうと、赤葦は俺にスリスリしてきた。可愛い。
『孤爪!!ありがとう!!助かった!!』
俺は孤爪にお礼をいい、赤葦を膝に乗せた。
すると、
ボンッ!!
『え??』
『え??えぇえ!!』
何と赤葦が元に戻った。
『あ、あああ赤葦!?元に戻ったのか!?』
『木兎さん…ってなんで俺、木兎さんの膝に乗ってんですか!?下ろしてください!!!』
『え、あ、うん』
赤葦は今までのが嘘だったかのようにしっかりした口調で真っ赤になりながら俺の膝から降りた。
ちょっと名残惜しかったけど元に戻ってよかった!!
『赤葦今日もいいトスよこせよ!!』
『もちろんです』
これは本人は忘れてるタイプだなと、呑気に考えてるうちに大事なことを忘れてたことを思いついた。
『あーーーー!!写真取ろうと思ってたのにぃ!!!』
キッと赤葦に睨まれたので、何をとは言えない木兎さんなのでした。
コメント
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赤葦かわええなwぼっとさんって♡こりゃおにぎり落とさんかった木兎さんすげぇわw