コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「真ちゃんごめん、勝手なこと言って」
「。。。」
やべぇ全身から冷や汗が滲み出てくる。大輝達にトランクの中身を知られるわけにはいかねぇ。
真夜中の峠道をセルシオは唸りを上げてぐいぐいあがっていく。
「紗栄子、トンネルで大輝達と現地解散したら中身を再確認する、それまで奴らに悟られるなよ」
鬱蒼と樹木に覆われた峠道、立ち入り禁止の有刺鉄線が絡みつくバリケードが行手を阻む。
俺はゆっくりとセルシオを止めた。
「真ちゃん、やっぱり警察に」
「警察はダメだ」俺は紗栄子の言葉を遮るようにそういった。
「ある日突然トランク開けたら死体がありました。なんていってら俺が、犯人だと思うだろう、真相がわかるまでは警察にはいかない。分かったか⁈」
紗栄子は力無く頷き、ドアを開けて外にでた。
「真一先輩、おひさ!」
「大輝の彼女って?#彼方__カナタ__#だったのか⁉︎」
「ういっす、3ヶ月前にゲットしたっす」
彼方、、、お前先月、勢いで俺と寝たよな。。。右乳の乳首の横にホクロあるのだって俺はしってんだょ。
2人でホクロに名前つけたじゃねぇーか
「サダハル」ってよ。
「彼方、サダハル元気か?」
「サダハルって誰?」少し怒り気味に大輝が彼方を詰める。
「あぁ、うちの甥っ子だよ、サダハルは💦」
やっぱり、夢じゃねぇ、確かに俺はこいつのサダハルと乳首を交互に舐め回した。やっぱり俺はドスケベ最低男だ。
「さっさとトンネル行こう💦」
彼方はそう言って紗栄子と腕を組み、暗闇に大きな口を開けるトンネルの前にいった。
廃トンネル 地元の奴は誰も立ち寄らない。本物のバケトンだ。高さは2mくらい半円形の全長100m、今は現代風のトンネルが隣接しここは廃トンネルとなった。
照明もなく、灯りは手持ちのこのライトのみ。
「やっぱりやめない?」彼方が怖気付きそういった。
「そっか、彼方、少し霊感あるんだょな?」
「たまに波長が合うと見えたりすることがあるくらいだけど」
「100mくらいだから、パッといって終わらせようぜ」大輝は能天気にひとりトンネルに入っていく。俺らも追うように大輝についていった。
トンネル内部はレンガ作りの手彫り感が漂っている。落書きなどは一切なく、これが本物だと物語っていた。
地下水なのか、天井は所々、湿っているようにみえ、そのシミが人の悲痛な顔にも見えてくる。空気ひんやりとして夏である事を忘れてしまうくらいだ。
「真ちゃんもう直ぐ出口だね」トンネルを抜けると、雑草や木々で道は塞がっていて先には進めそうにない。
「なんだもう終わりか」大輝がつまらなそうにタバコに火をつけようとライターをとりだすと入り口の方から強い風が急に向かってきた。
ゴォオォー
そしてまた、静けさが俺たちを包み込んだ。
「なんか聞こえない?」紗栄子が何かを感じ始めた。
「女性の声?」彼方も何かを感じる。
俺は大輝からタバコを恵んでもらい一服し始めていた。
「なんも聞こえねぇよな?大輝?」
大輝はタバコを逆に咥えたまま放心状態。
「おぃ、どうした?」
「真一くん、あれ、人っすよね?」大輝は車を止めている方を指差してそう言った。
俺には何も見えないが彼方、紗栄子、大輝は同じ方行を見つめている。
「真一くんの車の横あたりに誰が立ってるよ」震えた口調で彼方がそういった。
「真ちゃん見えないの?」
「真一くん俺車の方に行きたくねぇよ」さっきまで能天気だった大輝が震えながらそう言った。
何をいってるんだ、この先は行き止まり、車に戻るしかねぇだろ。
「んじゃ分かった、バリケードずらして車ので迎えにきてやるよ」
「だめだよ、なんか手招きしてるようにも見える。」紗栄子はそういって俺を引き止めようとするが俺は無視してセルシオに向かっていく。