🧡「俺に全部聞かしてや」
事務所に入って、悩み相談を受けた時よく言ったこと。
俺が美亜の彼氏やったから。
“美亜の中のなにか”になりたかったから。
美亜は大きく深呼吸して、
🤎「泣きそうになるけどええ?」
と、俺の顔を見ながら、もう泣きそうな顔をして訴えた。
🧡「ええよ。大丈夫。全部受け止める。」
美亜はゆっくり話し始めた。
🤎「2017年に入所して、まいジャニに出させて貰って、康二とよく絡んでた。」
🤎「2018年、ゆるふわ隊結成。」
🤎「それから康二がSnowManに行くって言って、別れたよね。それが2019年。」
🤎「東京行ってやるって、一人で宣言した笑」
🤎「それからゆるふわ隊として頑張ったんだけど、異変を感じた 2021年夏。海での撮影で、水着を着るのに抵抗があった。『自分は着たくない』って。」
🤎「それからなんとなく男物の小物を身につけた時、いつもは感じない嬉しさが出てきて、『あぁ男になりたいんだ』って確信した。」
美亜はまた深呼吸して、話を続けた。
🤎「誰にも相談出来ずにいて、メンバーに打ち明けたら『そう言って男に近づこうとしてる』って言われて、いじめられて。」
🤎「2022年冬、解散が決まった。ほかは退所して俳優やソロ。私はアイドルを続けたい。」
🤎「すぐにマネージャーに暴露して、男になりたいことを話した。」
🤎「そして、先週大好きな先輩が集まるSnowManに加入が決まった。すごく嬉しかった。」
🤎「康二に久しぶりに会えたこと、私たちのことを知ってくださっていためめに会えたこと、憧れのいわふかに会えたこと、すごく『恵まれたな』って思った。」
🤎「あの時、『康二はSnowMan。私はゆるふわ隊』って区切りをつけたから別れたんだよね。まだ好きなのは知ってるし、復縁は無理でもまた一緒に過ごせるから…」
美亜は静かに泣き始めた。
🧡「え、ちょ美亜」
🤎「ごめんね、男になりたいからって嫌われるかと思って。自分ずっと無理してて……」
美亜はその場で机に顔を伏せて泣いてしまった。
🤎「男になりたいなんか思わなきゃ良かったんや…!!」
違う。
嫌われるんやない。
『いじめられる』と思って避けてきたんや。
男……いや、
人と関わることを。
🧡「美亜、あんたは違う。」
🤎「え?」
🧡「嫌われるのが怖いんやなくて、いじめられるのが嫌で、」
🧡「今まで人を避けてきたんやろ。」
俺は変になだめたりもせず、美亜ただ見つめた。
🤎「康二は……美亜…のこと、嫌いやないん?」
当たり前やろ
🧡「大好きやで。」
🤎「……SnowManは、私の事嫌いじゃない?」
🧡「男になりたいっていうの、気づいてるんやないかな。」
🤎「え、?」
🧡「もし気づいとったら、あべちゃんからこんな連絡こーへんよ。」
俺が見せたのは、美亜がSnowManに来てすぐの夜、俺に来た連絡。
💚『康二、今佐久間と一緒なんだけどいい?』
🧡『ええよー!』
💚『柴ちゃんって、元々体ガッシリしてる子?康二と関わりあるなら何か知ってるかなって。』
🧡『そう?元々やないかな?』
💚『男になりたいとか言ってなかった?』
💚『仕事だからって部屋を飛び出した時、体の構え方と筋肉の付き方が、女の子らしく男らしくてさ。』
💚『ごめんね。どうしても引っかかっちゃって。』
🧡『んー、聞いてみようか?いや、あかんな。』
🧡『また気軽に話せる仲になったら聞いてみるわ!』
💚『うん。ありがとう。』
俺は美亜にこれを声に出して読んで聞かせた。
その日の最後の文をゆっくり読み上げた。
💚『もしそうなら、みんなでサポートしてあげたいなって思ってる。』
美亜は、いつの間にか俺の胸元にいた。
🤎「こんな恵まれたグループないわ……」
🧡「来てくれてありがとう。」
美亜は声を出して大泣きしていた。
今まで気づかずにずっと
自然と苦しめていた。
もうそんなことにはさせん。
大事な仲間なんや。
🤎「ん……なにこれ。」
美亜が拾ったのは、俺が無くした髭剃りのパーツ。
🧡「…あーーー!これや!俺が探してたやつ!」
🤎「…これ使うんだ。」
泣き止んで深呼吸する美亜は、俺の髭剃りのパーツをまじまじと見つめる。
🧡「……レクチャーするか?」
美亜は笑顔になって、嬉しそうに頷いた。
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