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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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🧡「俺に全部聞かしてや」


事務所に入って、悩み相談を受けた時よく言ったこと。


俺が美亜の彼氏やったから。


“美亜の中のなにか”になりたかったから。



美亜は大きく深呼吸して、

🤎「泣きそうになるけどええ?」

と、俺の顔を見ながら、もう泣きそうな顔をして訴えた。


🧡「ええよ。大丈夫。全部受け止める。」



美亜はゆっくり話し始めた。




🤎「2017年に入所して、まいジャニに出させて貰って、康二とよく絡んでた。」


🤎「2018年、ゆるふわ隊結成。」


🤎「それから康二がSnowManに行くって言って、別れたよね。それが2019年。」


🤎「東京行ってやるって、一人で宣言した笑」


🤎「それからゆるふわ隊として頑張ったんだけど、異変を感じた 2021年夏。海での撮影で、水着を着るのに抵抗があった。『自分は着たくない』って。」


🤎「それからなんとなく男物の小物を身につけた時、いつもは感じない嬉しさが出てきて、『あぁ男になりたいんだ』って確信した。」



美亜はまた深呼吸して、話を続けた。


🤎「誰にも相談出来ずにいて、メンバーに打ち明けたら『そう言って男に近づこうとしてる』って言われて、いじめられて。」


🤎「2022年冬、解散が決まった。ほかは退所して俳優やソロ。私はアイドルを続けたい。」


🤎「すぐにマネージャーに暴露して、男になりたいことを話した。」


🤎「そして、先週大好きな先輩が集まるSnowManに加入が決まった。すごく嬉しかった。」


🤎「康二に久しぶりに会えたこと、私たちのことを知ってくださっていためめに会えたこと、憧れのいわふかに会えたこと、すごく『恵まれたな』って思った。」


🤎「あの時、『康二はSnowMan。私はゆるふわ隊』って区切りをつけたから別れたんだよね。まだ好きなのは知ってるし、復縁は無理でもまた一緒に過ごせるから…」


美亜は静かに泣き始めた。


🧡「え、ちょ美亜」


🤎「ごめんね、男になりたいからって嫌われるかと思って。自分ずっと無理してて……」


美亜はその場で机に顔を伏せて泣いてしまった。


🤎「男になりたいなんか思わなきゃ良かったんや…!!」




違う。




嫌われるんやない。




『いじめられる』と思って避けてきたんや。




男……いや、




人と関わることを。



🧡「美亜、あんたは違う。」


🤎「え?」


🧡「嫌われるのが怖いんやなくて、いじめられるのが嫌で、」


🧡「今まで人を避けてきたんやろ。」



俺は変になだめたりもせず、美亜ただ見つめた。


🤎「康二は……美亜…のこと、嫌いやないん?」


当たり前やろ



🧡「大好きやで。」



🤎「……SnowManは、私の事嫌いじゃない?」


🧡「男になりたいっていうの、気づいてるんやないかな。」


🤎「え、?」


🧡「もし気づいとったら、あべちゃんからこんな連絡こーへんよ。」




俺が見せたのは、美亜がSnowManに来てすぐの夜、俺に来た連絡。



💚『康二、今佐久間と一緒なんだけどいい?』

🧡『ええよー!』

💚『柴ちゃんって、元々体ガッシリしてる子?康二と関わりあるなら何か知ってるかなって。』

🧡『そう?元々やないかな?』

💚『男になりたいとか言ってなかった?』

💚『仕事だからって部屋を飛び出した時、体の構え方と筋肉の付き方が、女の子らしく男らしくてさ。』

💚『ごめんね。どうしても引っかかっちゃって。』

🧡『んー、聞いてみようか?いや、あかんな。』

🧡『また気軽に話せる仲になったら聞いてみるわ!』

💚『うん。ありがとう。』


俺は美亜にこれを声に出して読んで聞かせた。

その日の最後の文をゆっくり読み上げた。






💚『もしそうなら、みんなでサポートしてあげたいなって思ってる。』




美亜は、いつの間にか俺の胸元にいた。




🤎「こんな恵まれたグループないわ……」


🧡「来てくれてありがとう。」


美亜は声を出して大泣きしていた。



今まで気づかずにずっと



自然と苦しめていた。



もうそんなことにはさせん。



大事な仲間なんや。




🤎「ん……なにこれ。」


美亜が拾ったのは、俺が無くした髭剃りのパーツ。


🧡「…あーーー!これや!俺が探してたやつ!」


🤎「…これ使うんだ。」


泣き止んで深呼吸する美亜は、俺の髭剃りのパーツをまじまじと見つめる。



🧡「……レクチャーするか?」




美亜は笑顔になって、嬉しそうに頷いた。

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