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「では、1時間休憩でーす」
スタッフに会釈して、スタジオを後にする
宮舘は楽屋に戻って、椅子に座ってペットボトルの紅茶を口にした
主演ドラマの撮影スケジュールは順調で、うまくいけば今日は早くあがれそう
30分ドラマとはいえ、内容がちょっと奇天烈なので試行錯誤はしているものの、なんとか乗り切っている
次の台本、読んでおこうかな・・・と、考えていたら、ドアをノックする音がした
「はい、どうぞ」
マネージャーが次の予定確認に来たのかな?
と思ったら、意外な人物が顔を出した
「ふっか、どうしたの?」
「近くで仕事してたから、陣中見舞いに来た」
和風な柄の紙袋を引っ提げて、部屋に入ってきたのは深澤だった
「ありがとう、今日は順調なんだ」
「お、よかったじゃん」
「うん、ふっかは何の撮影?」
「アリ」
「・・・・・・そっか、大変だね」
もうなにも言うまい
これまで奇想天外な仕事なんて、死ぬほどやってきた
ちょっとやそっとじゃ驚かない
「そういえば、あの2人って順調なのかな?」
あの2人と言われたら、もう他にいない
佐久間と目黒のことだ
ドラマの撮影が続いているおかげで、宮舘はメンバーと一緒になる機会がなくて、情報が少なかった
本人にメッセージで聞くわけにもいかないし
ほぼ両思いに近い2人なんだから、過度に心配しなくてもいいかなと思っていた
「う、う〜〜〜〜〜ん・・・、まぁ、なんと言うか・・・」
「え?もしかしてダメな感じ?」
「いや、相変わらず、もどかしい部分があるんだけど・・・」
「まだ拗らせてるの?」
「なんか・・・佐久間、めめにちゃんと言ってないみたいで・・・」
「えっ・・・・・・」
宮舘は嘘だろ、と言う顔で眉間に皺を寄せた
阿部が「ちゃんと返事してあげて」と言っていたのに
そこから何ヶ月経ってんだよ?とでも言いたげだった
「うん、言いたいことわかるよ、舘さん」
「いや・・・ちょっと想定外すぎて・・・」
「2人でやってることは、ほぼ付き合ってるようなもんだけどね」
「え!?じゃあ・・・」
「あ、でも中身は中高生の付き合いみたいな感じ」
「あいつら、いくつだよ・・・」
「だよねぇ、そう思うよね・・・」
原因は一つ、佐久間だ
目黒の気持ちに甘えたまま、中途半端な状態で放置してるんだろうなと
いつも人にはストレートに絡んでいくくせに、なんでそこには疎いんだ
目黒、よく我慢できてるな・・・と、2人は言葉にせずとも同情した
「でも年明けのことを考えたら、めめも限界だと思う」
「そうだよね、佐久間はそこに気づけるかなぁ・・・」
「ちょっと突いたから、そろそろ決着はついてるかも」
「そっか、お疲れ様・・・」
宮舘は労いながら、冷蔵庫から缶ビールを取り出して手渡した
自身はまだ仕事中だから飲めないけど
彼は免許を持ってないから、飲酒運転の心配もない
深澤は素直に受け取って、躊躇いなくプルタブを開けた
なんであの2人は、手がかかるんだろうね・・・
そうお互い思いながら、ペットボトルと缶ビールで小さく乾杯した
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