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7話目
雑渡、長嶺、伊作、高坂、山本の一行は忍術学園へ向かった
「2人とも大丈夫そ〜?」
『「大丈夫です!!」』
「ならもう少しあげようか」
『はは!!』
「これ以上…!?」(やっぱり手加減してたんだ…思い知らされるなぁ…)
「疲れたら全然言ってね〜」
「遠慮なく言ってください」
『まだ大丈夫です
伊作もまだ行けるでしょ』
「うん…!」
「ふふ…」
「大丈夫??」
『だ、大丈夫…です…』
「ッ…ハァハァハァ…!」
『あ”ッ〜…!』(伊作も僕も6年までちゃんと残ってきた…なのに僕らは息が上がってるのにこの人達は息もだが汗もかいてない…!)
「落ち着いたら行こうか
伊作くんは部屋戻るでしょ?」
「は、はい」
『…土井先生と山田先生呼んできます』
「うん、私たちは先に大川平次渦正殿の所へ行っているね」
『はい、行っててください』
門をくぐると小松田さんが外泊の件を少し怒っていたが笑顔で出迎えてくれた
長嶺は雑渡達と別れ職員室へ向かった
『失礼します』
「長嶺か、どうした?」
『土井先生、山田先生に用事があり来ました』
「どうした?」
2人はとても優しい顔をして尋ねてくれた
『学園長先生の庵へ来てはくれませんか』
「?何か今日ありましたっけ」
「今日は何も聞いてないぞ」
『その…大事な話があるので学園長先生を交えた話し合いを…そこには土井先生と山田先生が必要なんです…』
「…とりあえずわかった」
「行こう」
『はい…ありがとうございます』
3人は学園長先生の庵へ向かった
「…ちょっと待てどういう事だ」
「なんでタソガレドキの方々が…」
「大事な話ですので」
「とりあえず山田先生、土井先生、長嶺怜治座りなさい」
『失礼します…』
学園長と雑渡が向き合っており長嶺は雑渡の隣に座り山田と土井は両者の間に座った
「それでお話というのは…」
「…怜治、言える?」
『はい…山田先生、土井先生、学園長先生…タソガレドキ忍軍組頭雑渡昆奈門さんと結婚したいです』
「「!!?」」
「ちょちょ、…ちょっと待ってくれ」
「本気か怜治…!」
『無論本気です…!元々お話は頂いておりました…
決心がつきました。タソガレドキ忍軍組頭の嫁になることで命を狙われるのも覚悟の上です』
「もちろん、そのようなことにはさせない所存です
私は殿か家族かと言われると殿第一で動きます。なので家族を守れない場合もある…それは本人も承知の上です」
『……どうかお認めになっては貰えないでしょうか…』
長嶺と雑渡は頭を下げ後ろに待機していた山本と高坂も頭を下げ部屋には沈黙で静まり返っていた
その沈黙を破ったのは山田だった
「怜治、」
『はい、』
「本当にいいのか?」
『はい…拾ってもらい育てていただいたのにこのような形で返してしまい申し訳ありません…!』
「…私は半助が許すなら何も言うまい
お前の保護者は半助だからな」
「わしも土井先生の決定に従おう」
「えっ、」
『……』
「…怜治、ちゃんと雑渡さんには話したのか?」
『はい、長嶺怜治ではなく長嶺美桜であることは話しました』
「じゃあ素顔は?」
「素顔…?」
『それは…まだです……』
「なら認められない」
『… ッ……!』
「…」
「美桜、素顔を見せるのは恥ずかしいかもしれないけど一生を添い遂げる伴侶にはちゃんと見せるべきだ」
『それは……』
「…」
『…む、…無理です…』
「「「えっ」」」
『…ッ……』
「!美桜!」
長嶺は障子を開け外へ飛び出して言った
「美桜…」
「あの子はまだ克服しておらんようだな…」
「どういう…」
「それは本人に聞くべきではありませんか?」
『…』
「…美桜、父上や土井先生探してると思うよ」
『……嫌だよ……いくら結婚するからと言って全部さらけ出せない』
「話は聞いてわかったけど……」
長嶺は学園長の庵から飛び出し学園を抜け出し少し離れた利吉のところへ来ていた
「というかどうやってきたんだい?」
『…クロと紅を使って探した…』
「そうかい…」(どうしたもんかな…)
『…素顔は見せたくない…鉢屋に面の作り方を教えて貰ってより高度に隠せるようになったのに……雑渡さんに拒絶されるのは…嫌だな…』
「……」(雑渡さんならしないと思うけど…絶対教えてやらない…)
『……利吉くん、どうしよう…結婚はしたい…でも顔は見せたくない…』
「…どうするって言ってもね…あ、じゃあさこういうのはどう?耳貸して」
『??』
「ゴニョゴニョ…」
『!…え、それ…え、失敗したら僕結構心にキそうなんだけど…』
「その時はその程度の愛だったってことで潔く諦めな」
『ッ…辛辣…』
「はは、そんなこと言うなら大人しく顔を見せればいい」
『……試す価値はありそうだね…』
長嶺は利吉のいた廃寺から雑渡さん宛に文を書いた
文は紅に持って行ってもらった
文にはこう書いていた
“逃げ出し申し訳ありませんでした。しっかりお話をしたいのとタソガレドキ城下を見てみたい。待ち合わせをしませんか?”と…
その返事は了承だった。
そして何回か文のやり取りで日時と場所が決まった
『…』
「不安かい?」
『そりゃあそうでしょう…拒絶されたら利吉くんが私の旦那さんになってね』
そういう長嶺の顔は酷く悲しそうな顔をしていた
「仮定の話のするのは良くない
どうしても悲観的に捉えてしまうからね…ほらちゃんと可愛いし綺麗だ!誰かに泣かされたら私にいいなさい」
『ふっはは!お父さんみたい!行ってきます』
「行ってらっしゃい」
長嶺は女人の服を着て素顔で宿からタソガレドキ領へ走って向かった
「…さてと…」
「……」(美桜が来ない……)
雑渡は待ち合わせ場所で忍び装束ではなく着物を着て顔を隠して長嶺を待っていたが時間なっても長嶺は来ない
「…」(タソガレドキ城下で待ち合わせをするのは間違っちゃったかなぁ…入口とかにしとけば分かりやすかったかなぁ?)
雑渡は待ち合わせ場所で何度も何度も自問自答をしていた
「組頭」
「陣内か、何?」
「……長嶺くんのことを悪くいうつもりはありませんが…ここまで待っても来ないとなると…」
「もう少しだけ待ってみるよ
道に迷っただけかもしれないから」
「……」
「一応探してきてくれない?あの子どうも保健委員の不運を引き寄せちゃうようだから」
「承知しました」
「……」(大丈夫だ、あの子はちゃんと来る)
そして……とうに四半刻が過ぎた
「組頭、また今度にされてみてはどうでしょうか…」
「……」
「今度する時は忍術学園へ迎えに行き一緒に歩いて行かれるのがよろしいかと…」
「そうだね、そろそろ戻って仕事をするよ
悪いね、仕事でもないのに使って」
「いえ、」
「…少し心配だ、な…!」
「組頭…?どうなさ、」
「君待って…!」
「ちょ、昆!!?」
雑渡は雑渡の目の前を通った女子の手を握って引き止めた
『!……ッ……きづ、いて、…くれ、た……』
「大丈夫かい?怪我してない?」
『してないです…!大丈夫です……大丈夫ですが…この傷を見せたくなくて…少し躊躇してしまって……気持ち悪いで』
「気持ち悪くない」
『!…』
「とても綺麗だよ」
『あぁ、…ははは…』(…やっぱりこの人と生涯を共にしたい……)
「それに君は私の火傷を怖がらず普通に接してくれた
なんなら労わってくれただろ?」
『あ、…』
「強者と本気で戦いたいからだとしても私はとても嬉しかった」
『…』
「…ちゃんと顔見せてくれるかい?」
『……ここでは……嫌です…みんな…怖がってしまいます……』
「承知した…詰所でもいいかな?」
『…個室があるのであれば…』
「うん、安心しなさい…連れて行ってもいいかな?」
『…お願いします…』
雑渡は長嶺を抱え人目を気にせず詰所へ向かった
「…ここなら誰も来ないよ美桜」
『……ッ…』
長嶺は雑渡からゆっくりと離れ顔を上げる
「!……やっぱり…」
『ッ…!』
「やっぱりとっても綺麗だよ美桜」
『へ、……?』
「なんだい?その腑抜けた声は」
『…綺麗って…おっしゃるので……』
「こんな顔の中心にできてしまって隠したくもなるね」(右の眉頭から左頬までのこの傷は男でもこんな傷隠したくもなるのに女となれば余計に隠したくなるよね…少し悪い事をしたな…)
『…昆、さん…』
「?」
『こんな、…私と結婚して、くれます、か?』
「!…ふふ!先を越されてしまったね…もちろん…結婚しよう…それに君」
『?』
「こんな火傷まみれのおじさんでいいのかい?」
『火傷まみれ…でもそれは仲間を助けた勲章です…そんなかっこいい雑渡さんと結婚したいんです…!!』
「!」
『わっ、…!!』
「…あ〜…今の顔絶対他の人に見せちゃダメだよ」
『?あの、昆さ、ん…苦しいで、す…』
「ごめん、もう少しこうさせて…こうしてないと襲いそう…」
『!、…それ、は…まだ…こまり、ます……』
「うん、在学中は出さないから…ちゃんとそこは守るよ」
『…これ、から…よろしく…お願いします…』
「うん、よろしくね」
『あと…約束の時間遅れてすみません』
「いいよ、可愛い嫁の遅刻くらい許すさ」
2人は翌日忍術学園へ赴いた
「土井半助殿、教職というお忙しい職業でありながらも本日時間を取っていただき誠に感謝を申し上げます。
私、長嶺美桜さんとお付き合いさせていただいております、タソガレドキ忍び組頭雑渡昆奈門と申します」
「…」
「単刀直入に申し上げます、先日の 婚約の件で来させていただきました。改めてご結婚の了承を頂きたいと思っております。」
「…その様子だと顔お見せになったようですね」
「はい、僭越ながら」
「…雑渡さん」
「はい」
「傷を見てどう思われましたか
素直な気持ちを教えてください
それで了承するかは決めません」
「理由はどうあれ
とても綺麗だと思いました」
「!…顔の大部分を占めるような傷を綺麗…と…」
「おかしなことを言ってるのは承知の上です。ですが、私は気持ち悪いという感情はなく
しっかり見た上で私は綺麗だと思いました」
「そうですか………
雑渡昆奈門さん」
「はい」
「…美桜をよろしくお願いします」
「『!!』」
『いい、の…本当に』
「なんで本人が1番驚いてるんだよ美桜」
『ッ…あり、がとう、ございま、す…』
「誠に感謝申し上げます……」
「ただ、美桜を泣かせた時はわかってますね?」
「肝に銘じます」
『ありがと、土井先生…!』
「いい人が見つかって良かったな」
『はい!』
「じゃあ私はこれで帰るね」
『はい、部屋まで送って下さりありがとうございます』
「いいよ、また文を送っても?」
『もちろんです!私も送りますね』
「うん、またね美桜」
『おやすみなさい、気をつけてお帰りください』
「うん」
長嶺は部屋の戸を閉め、雑渡は門へ向かった
「出門票にサインお願いします」
「はーい」
雑渡は門前へいた小松田さんに呼び止められ出門表にサインをし門を出た
「おや、これは珍しい人だ」
「ええ、お久しぶりです雑渡さん」
「久しぶりだね、利吉くん」
「ご婚姻おめでとうございます」
「耳が早いね」
「情報をどこよりも早く抜き伝えるのが忍びですので」
「ふふそうだね…では私はこれで失礼するよ」
「美桜の事大事にしてくださいね」
「…もちろん、大事に大事にするさ」
「泣かせたりしたりタソガレドキへ乗り込みますから」
「嗚呼」
「美桜に定期的に会いに行きますから!」
「妹離れしないも嫌われるよ?」
「余計なお世話です」
「ふふ、美桜にも確認したよ」
「何を」
「もう逃がしてあげられないけどいいかと問うたらいいと答えた」
「…そうですか」
「獲物が手に入るとよく男は興味が無くなると言うが私はどうやら逆のようだ」
「は?」
「手に入れてもまだ、もっともっと美桜のことを知りたい、なんなら人と会わせないようにどこかに閉じ込めたい
でもそんなことしたら本格的に嫌われちゃって笑顔見せてくれないと思ってやらないけどね」
「…それ美桜には」
「言うわけないでしょ」
「うわぁ…猫被ってるんですね」
「もちろん、好きな人の前では余裕のある大人でいたいだろ?」
「まぁそうですが、あの子ある程度相手が甘えてこないとあの子も甘えませんよ」
「それは弱ったな〜…じゃあ君たちがいないところで甘えるとするよ」
「ふふ、邪魔します」
「嫌な姑だ」
「誰が姑ですか!!」
「はは!!では失礼」
雑渡は風のように姿を消した。
そして日が経ち6年生の卒業式の日となった…
この日はとてもよく晴れ暖かく桜もほぼ満開に近かった
「…早いですね」
「そうですね」
山田と土井は6年生の背中を見ながら感傷に浸っていた
『山田先生、土井先生、』
「怜治か、どうした?みんなの所へ…」
「!」
『ここまで育てていただきありがとうございました…!』
長嶺は深々と頭を下げた
『こんな私を拾っていただき面倒をかけました……』
「そんなことは…」
『でも!これから親孝行できるように幸せになります』
「「!!」」
『結婚式は小さいものですがお2人お呼びします!胸を張って堂々とタソガレドキ忍び組頭の雑渡さんの隣にいても恥ずかしくない妻となります…!』
「嗚呼、」
『それにたまに会いに来ます…!みんなとも…敵になっちゃうかもしれない、…ですが、…僕は…』
「ふふ、顔涙でぐちゃぐちゃじゃないか」
『ひっ、…ぅう”ッ…』
「怜治」
『は”ぃ”!』
「ちゃんと幸せにしてもらうんだよ」
『!』
土井はそういうと長嶺を強く抱きしめた
『はぃ、…ちゃんと…幸せにして、もらいまず、…!』
「酷いことや嫌なことあったらすぐに帰ってきなさい
それかぶん殴りなさい」
『ぶん殴ちゃ、ダメですよ』
「はは!!そうだな!!」
「美桜」
『!昆さん!!』
長嶺は土井から抜け出し雑渡の方へ駆け寄り抱きついた
「ふふ、無事卒業おめでとう」
『ありがとうございます…!』
「目元真っ赤だね」
『恥ずかしいです…』
「クロと紅以外はもう私の屋敷の君の部屋の近くの小屋に運んだよ」
『!何から何までありがとうございます』
「ふふいいよ、今日は簪つけてるんだね」
『はい、少し派手かと思いましたがどうしても付けたくて』
「とても綺麗だ」
『はは!ありがとうございます!』
「みんなにお別れはいいのかい?」
『あ、まだです!ちょっと待っててください!』
「嗚呼、転けないでよ〜」
長嶺は6年生の元へ走って向かった
「見せつけてきますね」
「ふふ、なんのことか」
「雑渡さん」
「はい?」
「長嶺美桜のことをよろしくお願いします…」
「「!」」
「土井殿!?顔を上げてください!」
「いえ、保護者として務めです」
「え、あー…そうですか…美桜の事は心配しないでください
絶対という保証はできません…でも美桜がこれから顔を隠さずに生活して欲しいとは願っています」
「!…ははそうですか…ありがとうございます…よろしくお願い致します…」
「はい」
『土井先生ー!!!山田先生ー!!!』
「「?どうし…!?」」
『受け取ってください…!』
長嶺が持っていたのは大きな花束だった。
「こ、これどうしたんだ…?」
『野の花を取るのはちょっと抵抗あったんですけど…どうしても感謝を込め伝えたくて…』
「…」
『そ、それで若王寺先輩と桜木先輩に協力してもらって一緒に取ってもらい持ってきても貰ってしまってあの二人にも何か感謝を伝えないといけないんですけど…!まずお2人に伝えたく…』
「…美桜……」
『はい』
「…ありがとう…」
『!感謝はこちらの台詞です…!拾っていただいただけでもありがたいのに…ここまで無事に育てていただいて…ありがとうございます…!』
「…ッ……何回言うんだよ…」
『何回で言いますよ!』
「こら、半助ちゃんとせんか!」
「…はい、…美桜、受け取るよ」
『!ありがとうございます!!』
「美桜」
『はい』
「幸せになるんだぞ」
『何回言うんですか…!あはは!!』
「…何回でも言うさ……」
「美桜」
『なんですか?昆さん』
「ふふ、その呼び方も嬉しいけど式終わったら旦那様かあなた、がいいな」
「雑渡さん、ここで話すのはやめてください」
「そうですぞ」
『…』
「え、何その反応可愛い」
長嶺の顔は傍から見てわかるほど真っ赤になっていた
『ッ…!伊作〜!!!!』
「あ、ちょ!!美桜!?」
「振られましたね」
「式まじかに控えているのにやめてくださいよ」
「失敬」
『もぉぉ〜…昆さんのバカぁ…!』
「はは!怜治顔真っ赤だね」
『仕方ないじゃん…!』
「「怜治」」
『あ、若王寺先輩!桜木先輩!』
「成功したか?」
『はい!そりゃあもう大成功です!』
「そりゃあ良かった」
「で、なんでそんなに顔が真っ赤なんだ?」
『えっ、と…これ、は…』
「ふふ」
『…先輩たちならいいかな…?』
「うーんどうだろうね
怜治がいいならいいんじゃない?」
『…驚かないでくださいね先輩たち…』
「そりゃあ聞く内容によるな」
「嗚呼」
『…実は結婚するんです…』
「…ほう、良かったな」
「もう嫁さん見つけたのか、流石だな」
『…嫁さんというか…』
「怜治がお嫁さんなんです」
『ちょ、伊作ぅ〜…!』
「………」
「……ん?お婿さんじゃなくて?」
「はい、怜治がお嫁さんです」
「……??お相手は誰なんだ?」
『……タソガレドキ忍び組頭の雑渡昆奈門さんです…』
「た、タソガレドキ忍び組頭ぁ!!?」
「待て待て待て怜治、落ち着け」
『僕は落ち着いてます』
「そうだけどそうじゃない」
「どうしてもそうなった!」
「第一お前男だろ」
『女の子です』
「「…?」」
『ですから女です』
本日二回目である
「女であるならくノ一の方ではないのか…??」
『手に職と言いますか、女でも忍びをやってもおかしくはないと思いまして、あと普通に身を守れますのでくノ一ではなく忍たまの方へ』
「………」
「よし、それは分かった」
『ありがとうございます』
「でも、タソガレドキ忍び組頭はやめておけ」
『なぜ?』
「タソガレドキ忍び組頭だからだ」
「その嫁となれば数え切れんほど狙われるぞ」
『ですからそういう時のためにこうして忍たまで鍛えたんではありませんか』
「そうだけどそうじゃない…!」
「お前利吉さんじゃないのか」
『利吉くんとは兄弟のつもりですし向こうもその意識です』
「…本当にあの雑渡昆奈門でいいのか」
『はい、もうちゃんと決めました
それにもし刺客に殺されたら殺された時だと思っています
その時はその刺客諸共道ずれにします』
「いい意気込みだ」
「桜木待て、そうだけどそうじゃない」
『ふふ、先輩達がここまで焦ってるの初めて見ました』
「「当たり前だ焦る」」
「ふふ、本当に子供は可愛いね」
「「!!?」」
『昆さん!』
「怜治、もうそろそろ行こうか」
『はい』
「もう行かれるのですか」
「嗚呼、帰ってからやることが山のようにあるからね」
「ふふ、大変ですね」
「うん、大変だよ…でもそれよりも楽しみで仕方がない」
『ふふ、』
「怜治」
『何?伊作』
「これ、プレゼント」
『!これ、…紅じゃんか…!高かっただろ…!』
「キミどうせ式には呼んでくれないだろ?」
『ギクッ…』
「だから呼ばれないなら呼ばれないなりに考えてね
ね、みんな」
『え、?わっ!!!?』
長嶺が振り返ると伊作以外の6年が飛び乗った
『痛ッ〜!なにこれ!重いし!』
「…私たちに隠し事とはいい度胸だな怜治」
『…は?』
「お前と同じで忍びであり6年間共にした学友だ
お前の隠していることなんかすぐわかる」
「1番気づくの遅かったのはお前だろ文次郎」
「なんだと留三郎!!?」
「やめんか」
「私たちに隠し事をして隠し通せるとでも思っているのか」
「もそ」
「そうだと言っている」
『……はははは!!!頑張って隠してたの馬鹿みたいじゃないか』
「そうだ」
「お前は阿呆だ」
『馬鹿だけど阿呆ではない』
「ふふ、」
『なーんだ……知ってたのか』
「嗚呼、」
「だから私たちはお前にプレゼントを見繕った!」
『え…?』
「全員で金を出し合って反物だ」
『!……なんで、桜の柄に…したの、…?』
「なんででって」
「「「「「「好きだろ?桜」」」」」」
『!…バレてんのかよ…』
「みんな、桜で間違えないと思ってたけど一応雑渡さんにも確認済みだよ」
「はははあの時はびっくりしたね
全員でこっちに向かってくるものだから」
『…ッ……ありがとう……頑張って作って着るね…!』
「嗚呼、」
「作ってあるのじゃなくて悪いな」
『ううん、凄く…嬉しい…』
「じゃあ私はその着物に合う帯類をあげるよ」
『!…はは!貰ってばっかだなぁ…』
「ふふ、さ、じゃあ本当にそろそろ行こうか」
『はい…』
「…怜治」
『仙蔵、文次郎、伊作、留三郎、小平太、長次、桜木先輩、若王寺先輩、土井先生、山田先生!!幸せになりますししてもらいます!!!』
「!」
「嗚呼!してもらえ!」
「泣かされたらいつでも帰ってこい」
「雑渡さんに酷いことされたら言ってね
いつでも薬作るから」
『ダメだろ』
「鍛錬怠るなよ!」
『わかってる!』
「もそ」
「元気が1番と言っているぞ」
『うん』
「何かあったらちゃんと私たちにも知らせてくれ」
『うん、小平太わかってるよ』
「達者でな」
『はい、』
「また式でな」
『はい、お父さん』
「!……嗚呼」
『また』
「よいしょっ、と…!」
雑渡は長嶺を抱っこし風のように消えた
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#オリキャラ
ちかしゃん
419
#喜八郎愛され
コメント
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うわあ…第7話、読み終わったよ…!!😭💕 まず、雑渡さんが傷を見て「綺麗だ」って言ったシーン、ここマジで心臓ぎゅってなった…!!「気持ち悪くない」からの流れ、エモすぎて何回も読み返したよ…! あと6年生みんなで反物プレゼントするところ、友情が詰まってて泣けた…「好きだろ?桜」って、なんでそんなズルいことするの…!!🌸 土井先生の「ちゃんと幸せにしてもらうんだよ」も、保護者としての愛情が溢れててじーんとしたよ…! 2人の未来がすごく楽しみになるエピソードだった!お互いに甘え合える関係になってほしいな〜✨