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ちょっと不思議で可愛らしいお話をありがとうございます🫶 そして100作目おめでとうございます! 篝火様の描かれる💚ちゃんの可愛らしさに日々きゅんきゅんしております。 特にぽってりした唇の描写💋…そら🖤もデレデレして口角が昇天しますわな😌🫣 これからも素敵なお話を拝読できることを楽しみにしております!
100作品目おめでとうございます🎊㊗️陰ながら今後も応援させていただきます☺ 今回はとてもかわいいお話でしたね🥰

泣けて笑えてジーンと来て、篝火さんの作品は一度で三度美味しいですね😋💓一番大好きな作家さんです🥰 100作品目おめでとうございます✨️✨️🎉
目黒は心身ともに疲れ、打ちひしがれ、やけっぱちになって夜の街を徘徊していた。
出会った日から全く色褪せない記憶。目を閉じなくても浮かんで来る、愛らしい花のような笑顔。そして…味わった、類い稀な料理の数々。
求めて焦がれて、これまで何千里歩いただろう。万歩計があったなら、きっと壊れていたぐらいには探して歩いた。宛も伝手も使いまくった。 それでも、手掛かりのての字も掴めなかった。
もう、限界だった。
二度と会えないのなら、いっそ楽になってしまいたい。そればかりが頭を支配し、宛もなく知らない街を彷徨っていた、その時。
ちょうど斜め前方に、飲食店らしき明かりが見える。
……まさか。まさか……まさか。
目黒は心ここにあらずで、木製の扉を開いた。
「お帰りなさいませ。ようこそいらっしゃいました」
真正面で出迎えたのは、着物と腰エプロンを身に纏った美貌の人。
記憶と照らし合わせても遜色のない、いや寧ろ鮮やかな、夢でしか会かなかった……恋しい、人。
目黒の視界が滲んで歪む。動けないと思っていた足は勝手に床を蹴り、怠かった腕は大きく羽ばたいて、ものも言わずに抱き締めていた。
「おっ…~客、さま?」
戸惑った声が上がろうと構わず搔き抱き、ひたすら泣き続けた。この日に取っておいた涙を全て流す勢いで。
軈て枯れて留まる頃、背中を擦る優しい温もりに気付いた。のろのろと顔を擡げて鼻をすん、と啜る。
「……会いたかった。ずっと、ずっと…探してた」
「え?…あぁ、このお店をでしょうか?」
「…うん。それと、…名前なんていうの?」
「口福レストランです」
「店じゃなくて、貴方の名前」
「私の…?…阿部、ですが」
「下は?」
「…亮平」
「アベ、リョウヘイ…素敵な名前だね。やっと聞けたよ」
「ふふふっ、お客様に名前を尋ねられたのは初めてです」
両の袖口で口元を隠してはにかむ姿が超ド級に可愛くて、目黒は赤くなった目の縁を撓めてだらしなくニヤけた。
「俺は目黒。目黒蓮。出来れば蓮って呼んで欲しいかな」
「レン…様」
「様はいらない。俺もリョウヘイって呼ぶから」
「はい」
「だから、俺と結婚して」
「はっ…~はいぃ??」
「一目惚れ。最初の好きだなが大好きになって、今じゃ愛に育っちゃった」
「あ、あのぅ…」
「…リョウヘイを愛してる。一緒に、一生幸せになろう?」
「ちょっと待って…!待ってください、レンっ!」
「なんか距離感じるから、敬語止めて」
「注文多いなぁ…、…結婚は無理だよ。俺、人間じゃないんだもの」
「はい…?」
驚きの余り、目黒から慣れない敬語が飛び出した。素っ頓狂な音階付きで。
人間じゃないって……なんだ?幽霊なワケない…な。感触ちゃんとあるし。あ、想像より細い。うっわ、触り心地良過ぎ…。
思いながら華奢な、しかし柔らかさもある身体を遠慮なしにペタペタ触り放題触る。触られる一方の阿部は捩って逃れつつ、目黒の尻っぺたをぺっチンする。
「…~ぃって」
「もうっ!来て早々抱き締めたり、好きって言ったり、求婚したりっ!警察呼ばれても文句言えないよ!?」
「…好きな人と結婚したいって思うのは罪、なの?」
「……お茶、淹れるね。落ち着いて話そうか」
項垂れる目黒の声は真剣そのもの。揶揄われているのかと一瞬は気色ばんだが、直向きで素直なだけだと漸く分かり、叩いた尻を優しく撫でて椅子へと促す。
機械仕掛けのように座るのを見届けてから、阿部はお茶の支度へ小走りで向かった。
阿部が選んだ茶葉は、穏やかなジャスミン。対面で大人しく啜る此方を見詰める瞳もまた、穏やかで。直情的だった自分が嘘のように凪いでいく。そして、現金な腹がキュルルル~と鳴る。
「今日は…ご飯、出ないんだ」
「うん。今のレンには必要なさそうだし」
「結構、腹減ってるけど」
「ん~…なんて説明したらいいかな。レンの心が此処の料理を欲してないんだよね。このお店は、不幸と幸福のまじわる交差点だから」
「……?」
「はてなって顔してる。そりゃそうか…言っててなに言ってんだって感じだもん」
「リョウヘイが人間じゃないのと、関係あるの?」
「俺もこのお店もね、あの世とこの世の境にあるの。絶望しきった人を、この世に留まらせる為にね」
「絶、望……」
「してたでしょ?前も、さっきまでも」
ハっ、と顔を上げる。
……確かに、そうだ。この世にいる意味なんかない、いなくなりたいって思って…思い詰めて、気が付いたらこの店の前に辿り着いていた。
急速に阿部の言葉が現実味を帯びてくる。
だったら…だったら。
「俺もね、レンと同じ。儚くなりたくなって、このお店と出会って…救われて」
目の前の人は。
「どうしても救う側になりたくって、お願いして雇って貰ってるんだ」
「リョウヘイは……」
「この世では、いない事になってるはずだよ」
「…………」
「だから、結婚は…ごめんなさいって返事になっちゃうかな。まぁそれ以前に、俺男なんだけど」
カラカラ朗らかに笑う阿部へ掛ける言葉を見付けられないまま、ティーカップを空にした。お代りを注ごうとする手を握って制し、情報を整理しつつ目黒は紡いでいく。
「…この世にはいないから、俺と結婚出来ないって事?」
「えっ?ん、んん~…いてもいなくても、同性だから結婚は無理なんじゃない?」
「あ、そうか……、待って。じゃあさ、俺も雇って貰えばいいんじゃないの?」
至ったのは、素直ならではの結論。言って暫く経ってから、名案とばかりに両手をパンと鳴らして笑顔を浮かべる。
「そうだよ、そうすればリョウヘイとずっと一緒にいられる。此処なら結婚出来るじゃん」
「…なに、言ってるの」
「履歴書持って来てないけど、大丈夫かな」
「ねぇ、よく考えて」
「荷物、取りに行く時間はくれる?」
「このお店に雇われるって事は、この世からいなくなるって事なんだよ!?」
「…、…分かってるよ。ちゃんと分かって言ってる。…もう、家族とも友達とも会えなくなるんだよね」
「なら、どうして…っ!」
阿部が椅子を鳴らして立ち上がった。顔が鋭く強張り、激高の程を表している。
当然だろう、目黒の提案は正気の沙汰ではない。生きる事を放棄したのと同義だ。阿部の怒りが何故かは痛い程に分かる。
でも、それでも。
「俺は、リョウヘイと一緒にいたいんだよ」
目黒は膝を伸ばして傍らに立ち、阿部を抱いて包み込む。小刻みな震えを宥めるように。
「ひ、っく…~まだ、会うの二回目…じゃんか。ずっと好きか…分かんない、だろ」
「ずっと好きに決まってる。一目惚れだって言ったでしょ」
「答えにな…てないっ」
「そうかな?俺は俺の愛を信じられるけど」
「ばかっ、…バカぁ」
じんわり湿っていく胸元さえも愛おしく、阿部の頭頂部へ甘えて擦り寄る。ちゅ…旋毛を啄んで強請りを落とす。
「顔、見せて」
「やぁだ」
「はは、可愛い。けど…聞いてあげない」
「んっ、ちょ…~っ!」
阿部の顎をクイ、と掴んで擡げ、吐息が混ざり合う距離で囁く。現れた泣き腫らした顔は桃色に熟れ、潤んだ瞳を縁取る睫毛は濡れそぼり…目黒は思わず生唾を飲んだ。
「俺の事……好き?」
「…~分かるか」
「じゃ、嫌い?」
「…嫌い…、じゃない」
「なんだ、好きなんじゃん」
「はっ!?なんでそうなる??」
「リョウヘイの目がそう言ってる」
「~……」
「あれ、黙っちゃった」
「だって…反論出来ないもん」
「……キス、していいですか」
「…~ど、どうぞ」
目を閉じて待つ阿部の唇が、目黒の唇と出会う。
離れる間際、唇を舌先で擽りながら目黒がもう一度強請りを落とした。
「もう、お客さんが来てもあんな事したらダメだよ?」
「ふぁ……なにを?」
「フェラ」
「!~~…あっ、あれは…~したいと思ったの、レンが初めてだったか…んんんっ!」
再び唇を塞がれた阿部が酸欠になり掛け、目黒の背中をバンバン叩く音が店内に響き渡る。
扉を開いた来客は、目をパチクリさせてその珍景を眺めたのだった。
シアワセにしてあげましょう
扉を探してよ
新装開店、ようこそ。
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