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「来たな…」百鬼が剣を握りしめ、険しい表情で外を見つめた。
「まさか、こんなに早く…!」朱音は唇を噛みしめながら、自らの呪力を高める準備をしていた。
その時、門が破壊された。粉塵が舞い、視界の中から現れたのは、黒鎧――かつての激戦で彼らが敗北した呪詛の王の精鋭だ。
「また…!」透が驚きの声を上げた。
黒鎧は以前よりも強大な呪力をまとっていた。前回の戦いで倒されたかに見えたが、その力は完全に復活し、さらに増していた。
「今回は本気で仕留めに来たようだな…」百鬼が低く唸る。
一方、白川は一歩も動かず、黒鎧の襲撃を冷たい目で見つめていた。彼の体から放たれる呪力は、以前とは比べ物にならないほど強力で、圧倒的な力を示していた。
「白川、どうする?」透が声をかけたが、白川は答えなかった。
その瞬間、白川が歪み始め呪力が解放された。圧倒的な力が周囲に広がり、黒鎧さえも足を止めるほどの威圧感を感じ取った。
「白川…お前、まさか…!」朱音が驚きの声を漏らす。
「見せてやるよ…俺の新技を。」白川が笑った。その目には狂気と圧倒的な自信が宿っていた。
白川は手を掲げ、呪力を集め始めた。手のひらに生まれたのは、黒い渦のエネルギーだった。渦の中には何もかもを呑み込むかのような圧倒的な力が秘められていた。
「これが俺の新技だ――無限殲滅。」
一言と共に、白川は黒鎧に向けて渦を放った。渦は黒鎧を包み込み、そのまま何もかもを消し去るかのように圧倒していく。
黒鎧は呪力を最大限に高め、抗おうとしたが、白川の技の前では無力だった。圧倒的な力に呑まれ、黒鎧は一瞬で消し去られた。
「なんて、力だ…」透が驚愕の表情を浮かべ、呆然と立ち尽くした。
「白川…強くなりすぎだろ…」百鬼も信じられない様子で白川を見つめた。
しかし、白川は余韻に浸ることなく、黒鎧の跡を見つめていた。表情には狂気とさらなる力への渇望が滲んでいた。
「まだまだ、こんなもんじゃねぇ…俺の力は、まだ成長している。」白川はそう呟き、再び拠点の中へと歩き出した。
朱音はその白川の姿を見て、何か恐ろしいものを感じた。「白川…何を考えているの?」
「俺の邪魔をするな。」白川は振り向きもしないで冷たく言い放ち、部屋へと消えていった。
「白川が強くなりすぎている。だが、同時に…何かが狂っている。」透が心配そうに呟いた。
「確かに。あいつの力は凄まじいが、代わりに何か大切なものを失っている気がする。」百鬼も同意した。
朱音は黙って彼らの会話を聞きながら、不安を感じていた。白川の力の増大は、彼を新たな危機へと導くのではないかと。