テラーノベル
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相手が読んでいることは、こちらには分かっている。それでも、返事は来ない。
拒まれたわけでもないし、突き放されたわけでもない。ただ、画面の向こうで止まっているだけだ。見てはいる。確かに、見てはいる。
でも、返す言葉が見つからない。
どう返せばいいのか分からない。そうして光ったままの画面を閉じ、朝が来る頃には、受け取った側はもう忘れている。
けれど、送った側は忘れない。返事を待っているからだ。
何かを伝えたくて、誰かに言葉を送る。それが返ってこない。
「気づいていないのかもしれない」
「忙しいのかもしれない」
そんな都合のいい想像は、反応のない画面によって、静かに壊れていく。
そして、思考は一歩だけ先へ進む。
――嫌われているのかもしれない。
その重たい感覚を抱えたままではいられなくなって、また別の誰かに言葉を送る。
そして、また返事は来ない。
それを繰り返す。送り続けて、待ち続けて、やがて、どこかで完全に途切れる。
でも、私にとっては、曖昧な沈黙よりも、はっきりとした断絶のほうが、ずっと親切だ。
そうなって初めて、もう関わらなくていいのだと、思考が前へ進むのだから。
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