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10月21日と書かれた黒板を見る。
放課後1人の教室。
一体どうすればいいんだろうか。
頭を抱える。
「うーん。」
取り出したスマホの待ち受けは、幼い頃のゾムさんと自分が映っている。
ゾムさんに会えない数時間は辛いが正直この待ち受けはニコニコしてしまう。
「どうしたんやそんなニコニコして。」
トントンさんが近寄ってくる。
「待ち受けみてただけですー」
スッとスマホを隠す。
「見せてくれたっていいんだよ?」
キラキラとした瞳は笑っていて悪巧みのようなことが読み取れる。
「遠慮しときます。」「そうか…」
「…。」
「…。」
沈黙の時間が流れる。先に声を出したのはトントンさんだった。
「ショッピ。ほぼケンカ別れした人と仲直りってできるかな。」
表情を見せないトントンさんは、
哀愁漂う背中をしている。
「まあ努力によってそりゃ変わるけど、仲直りできないなんてことはないと思いますよ。」
自分はあんまり友達を作ったことがないし、ケンカ別れしたこともないから他人事のように答える。
「そうなんかなぁ。」
笑顔を作るトントンさんは、悲しそうで辛そうで、何重もの感情が重なって見える。
「まあ、無理だったら相談乗ってあげますから。」
「ショッピい〜」
今度は嬉しそうな顔をする。
「てか。今日はゾムとかえらんの。」
トントンさんの口から久し振りにゾムさんの言葉が出る。
「今日は帰ってもらってるんです。でもまだ帰ってないだろうし鉢合わせたくないんで。」窓の外を覗き込めば見覚えのある顔がチラホラと見えるが、ゾムさんの顔はないようだ。
「へぇ…。なんか企んでんの?」
ぽけっーとするとんとんさんをみてから、黒板の日にちの部分を見つめれば察したようにニヤつき出す。「なるほどな。」
「はい。だからですよ。」
この時間はなんだか幸せだ。
「でも今日ゾム委員会やろ。逆にもう行ったほうがよくね?」
「えっそうなんすか!?」そうそうと返事をするとんとんさんは名簿を見ながら仕事をしている。そういやゾムさんの委員会の担当の先生やった気もする。
「じゃあ行きますね。ありがとう御座いました。」「おう。」
カバンを持って勢いよく教室を飛びだした。
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