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《やっぱり人間なんて信用ならん》
やっぱり?
こいつらはお互い初めて会ってるんじゃないのか?
それとも違う人間の話…?
「御主、此奴は知り合いか?」
そう言って女の子を指さす。
「知らないよ」
「それに…」
なんかこの子…
変な雰囲気がする。
なんかオーラを纏っているっていうか…
なんか気持ち悪い雰囲気がする。
「それに、なんじゃ?」
「いや、何でもないよ」
「…そうか」
スケッチブックからは相変わらず青の地の声が聞こえている。
今のところ特に気になるところは無いな。
そう思いながら眺めていると
《この魚..青じゃない…》
という女の子の声が響く。
「見抜いた…だと?」
柧夜が驚いたようにそう呟く。
俺が驚きを隠せずにいる中、
柧夜も同じ状況でいるようだ。
その瞬間、
スケッチブックから見えていた金魚の視点は
暗転した。
最後に聞こえたグシャリという嫌な音。
「なぁ柧夜、」
「なんじゃ?」
「さっきの女の子って変な雰囲気しなかったか?」
「雰囲気…」
「確かに変な感じはしたな」
気のせいだとは思ってたけど、
本当だったのか?
なんであの子が、
” 藤色のオーラを纏っている “ んだ?
だけど色はとても薄かった。
何かを暗示しているのだろうか。
その時、水の流れる音のような何かが聞こえた。
遠くから近づいてくるようなそんな嫌な音。
だがその正体は俺のすぐ後ろに居た。
というより ” 凄い速さで俺の背を取った “
という方が正しいのだろうか。
「千秋!!」
柧夜のそんな声が聞こえる。
必死そうな声。
そんな一命の危機が迫ってるのにも関わらず、
俺の頭にはある記憶が流れてきた。
𓂃◌𓈒𓐍𓈒
今日は遠足の日だ。
前々から楽しみにしていた遠足。
だけどこの日は俺が大好きである遠足が
怖いものに変わる日でもあった。
「千秋はお菓子、何持ってきたんだ〜?」
そうやって友達とお菓子の話をしている
最中だった。