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うみ
番外編51『赤ちゃんの子守り』前編
『……主様、その、抱えてる赤ちゃんは…?』
『えっと、この子は……。』
『ま、まさか、隠し子か!?』
『主様はまだ18歳ですよね…?』
『いやあの…だから…。』
『何処の馬の骨だ?そいつ殺してきてやる。』
『ハナマル落ち着いて……。』
ハナマルは私の肩をつかみ問い詰めた。
『まーまぁ…!』
『あ、ちょ…っ!』
『……。』
『よし、主様。父親の名前、住所を教えてくれ。殺しに行く。』
『だから落ち着いてって……。』
『あれ、お姉ちゃん仕事から帰ってたんだ。お疲れ様。あ!その子預かってきたんだ!』
『ご、ご存知なんですか?』
事情説明中――
『なるほど…。主様の依頼人である貴婦人の赤ちゃんですか……。』
『隠し子なわけないでしょ……。その方に今日1日頼まれたのよ。名前はユリマちゃんよ。1歳の男の子。』
『あーぶぅ…』
『可愛いわね…。』
『てっきり主様の子供かと思ったっすよ。』
『うん……俺も自分が抑えられなかった。』
『今日1日預かってって頼まれたの、急でごめんなさいね。』
『いえ、大丈夫ですよ。赤ちゃんのお世話なんてしたことないですが頑張ります。』
『ハナマルさんはお手の物ですね。』
『いやぁどうかな…。ガキの世話なら得意だけど赤ん坊は行動が読めねぇし…。』
『あーん!あーん!』
『あ、泣いたな。』
『オムツかな…ミルクかな…。オムツはさっき変えたから…。ミルクだね。ロノ、ミルクをお願い出来るかしら。』
『は、はい!』
キッチン
『ミルクの温度は人肌くらいで大丈夫。
熱すぎず冷たすぎず…。』
ポタっ…手首に数滴垂らす。
『これくらい、かな。ユリマちゃん、ミルクよ。』
『んく、んく…。』
『飲んだ!可愛いー!頑張って吸ってる〜!』
『主様、赤ちゃんの扱いに手馴れすぎてません?』
『貰った本を一通り目を通したからよ。覚えるのは大変だったけど。』
『あ、飲み終わったみたいです。』
『そしたら必ずゲップをさせないといけないの。吐き戻し防止のためにね。』
『げぷっ…。』
『上手に出来たわね、いい子いい子…。』
(くっ、主様になでなでしてもらえるなんて羨ましい…っ!)
『ハナマルさん、心の声がダダ漏れですよ。』
『それじゃあ私は部屋で仕事の資料をまとめるからみんなユリマちゃんのお世話お願いね。』
『かしこまりました。』
バタンッ。
『さてと、じゃあユリマと遊ぶか。』
簡易的に作ったゆりかごにユリマを乗せる。
『きゃきゃっ!』
『お、嬉しそうだな。良かった。』
ゆらゆらと揺りかごを揺らす。
と、その時――。
『んぎゃぁ、んぎゃぁ!あー!』
突然泣き出す。
『ど、どうした!?ミルクか!?オムツか!?』
『ハナマルさん…何泣かせてるんですか。』
『いや俺何もしてねーって!』
『落ち着けよハナマル、こういう時は抱っこだ。抱っこ。ほら、貸せよ。』
俺はユリマを抱っこする。
『あーんあーん!』
『泣き止まないっすね。ボスキさんが怖いんじゃないっすか?』
『チッ……。』
『じゃあ私が……。』
ベリアンさんが抱っこする。
『あーんあーん!』
『どうしてでしょう……。』
その後も執事達が抱っこしたが泣き止まなかった。
『麻里衣様のがいいのかな……。』
『でも今はお仕事してますし……』
『フフ、そしたら百合菜様にお願いしましょう。双子ですから。』
『赤ちゃんだし分からないもんね。』
百合菜様を呼んで抱っこしてもらう。
『泣き止まないから呼ばれたけど…私でいいのかな?ユリマちゃん、泣き止んで〜……』
『んぎゃぁんぎゃぁ、んぎゃぁ!』
『やっぱりダメか……』
『赤ちゃんって変なところで敏感だよな。』
一方その頃――
『これはリザリア様…こっちがミクリ様…
ふぅ…仕事は溜め込むものじゃないわね……。』
と、その時――。
バタバタ……っ!
『お姉ちゃん助けてー!』
『ゆ、百合菜!?それにみんなも……。』
『なるほど…泣き止まないのね。ちょっと抱っこさせて。』
『きゃっきゃっ』
『泣き止んだ…っ!?』
『赤ん坊の扱いは難しいな……。』
『私じゃないとダメなのね……』
『よっぽど主様の抱っこが気に入ったみたいだな。』
『でも主様もお仕事がありますし……。』
『大丈夫よ、ユーハン。これも一応貰ってるの。抱っこ紐。これを私の前に巻き付けて…。』
『へぇ…便利だな。』
『仕事する時は後ろにすればいいのよ。』
『でも赤ちゃんを抱っこしながらお仕事なんて……』
『出来るわよ。預かったからには最後まで面倒見るわ。』
『主様…。』
『ありがとうね。仕事ももう少しで終わるし夜ご飯の支度をお願いするわ。夜ご飯は何がいいかしら…。』
私は本をペラペラと捲る。
数時間後――。
『んぎゃぁ、んぎゃぁ!』
『ユリマちゃんどうしたの?お腹すいた?大丈夫よ、私はここにいるわ。』
『んぎゃぁ…。』
『ふふ……。』
(ほっぺむにむにで可愛いわね…。)
『ばーぶぅ…』
『ふふ、お眠かしら。夜ご飯になったら起こしてあげるわ。おやすみ、ユリマちゃん。』
次回、後編へ続く!
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