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「よし終わった!」
本に載ってる図と自分の手元の布端を確認する。
「俺様の方が先に終わった!」
伊之助は得意げにそう言う。
「てかこれどうすればいいの炭治郎?柱居ないじゃん」
善逸もすでにおわっているようだ。
「なんか、お堂の方まで行けばいいみたいだ」
「さっさと行くぞ!子分ども!」
「あーはいはい。というかいつから俺伊之助の子分になってんの?」
「それはちょっと分からない」
呆れている善逸にとりあえずそう声をかけて、お堂の方へ向かった。
「うわーまじで普通に神社じゃん!というか自分の屋敷でやればいいのに」
「別荘って言っていたから、屋敷はもっと大きいんだろうな」
「ん?あそこじゃねえか?」
伊之助が不意に指をさす。
その先には、お堂があった。
「行ってみよう」
そう言って、3人でそのお堂へ近づく。
「すみませーん!どなたかいらっしゃいますかー?」
すると、割とすぐに鳳来さんは顔を出した。
「終わりましたか?」
「はい!」
「それじゃあ手合わせでもしますか。訓練場が屋敷にあるのでそちらに向かいましょう」
「よっしゃ!」
伊之助は、早く戦いたいとでも言うように、腕をぶんぶん振っている。
善逸は…
「俺もう帰ろっかな」
「だめだ!これは貴重な体験なんだぞ!それにいつ何があるか分からない!」
「なんか色々と地獄を見てる気分だよ…」
そうボソッと言うと、善逸は、鳳来さんと伊之助の後を追う。
俺も、その後を追っていった。
屋敷までと言うから、遠いところにあると思っていたけれど、屋敷は、神社のすぐ隣にあった。
山の中で、とても静かな場所だった。
「上がってください」
屋敷の中の訓練場へと入る。
「とりあえず、一対一でやりましょう。この木刀を使ってください」
「とりあえず、嘴平隊士から」
鳳来さんにそう言われ、訓練場の中央に来た伊之助は、木刀を2本持って構える。
鳳来さんは、木刀を一本片手で持って、伊之助の前に立ち、ゆっくりと構えた。
「では、」
「はじめ!」
鳳来さんのその声と共に、伊之助は斬りかかる。
それを鳳来さんが受け止める。
そして伊之助がまた引いては斬りかかる。
いまだに、鳳来さんは片手を全く使わない。
それに受けてばかりだ。
「ワハハハハ!というか!攻撃してこねえのかよ!」
「どうしましょうか。ここで技でも見せておきましょうか…」
「鳥の呼吸 弐ノ型…」
「鴗突き!」
次の瞬間、伊之助は、訓練場のはじまで飛ばされた。
突き技のようだけれど、相手をここまで飛ばせるって……
やはり彼女も柱なのだ。