テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
11
680
あざとい
🌸×🦈
🌸:「」
🦈:『』
こさの彼氏は頑張り屋でかっこいい。そしてバカでちょろい。
きっとこれが嬉しいんだろうな、とか。これが好きなんだろうなっていうのが手に取るように分かるから、こんなこと彼氏に向かって思うことじゃないけど扱いが楽。
だってこさがかわいく甘えてお願いすれば喜ぶし。
あざとければあざといほど喜んでもらえるんだもん。
だから今日もそんな彼氏に甘えにいく。
コンコンと控えめとは言い難いノックをして扉を開けると、まず目に入ってきたのはパソコンの置いてある机に積まれた大量のエナドリの空き缶。パソコンの画面にはたくさんのファイルが詰まっていた。
そして眠いはずなのにカタカタとタイピングしつづけるらんくんがこっちを向いた。
「あれ、こさめどうしたの?」
『んーん!顔見たくなっただけ〜!」
そう返せばみるみる上がる口角が分かりやすすぎて面白い。
『らんくんニヤニヤしすぎだよ』
「だってこさめがかわいいから」
さっきまであんなにボロクソに言ってたけどこうやってサラッと褒めてきたりするところがずるい。
なんだかんだでちょろいのはきっと一緒。
だってこさの口角も今の言葉で下がる気がしないもん。
「そういうこさめもニヤニヤしてますよー?」
『だって…!』
本当ならあざとく返すはずなんだけど、やっぱり慣れない。本当はこさは“あざとい”に向いてない。
『仕事おわらないの?』
「明日ゆっくりしたいから多めに回してるだけだよ。」
また目線がパソコンに戻ったらんくんに近づく。後ろから手回してぎゅってしたら…らんくんは喜ぶだろうな。ぎゅーしながら『甘えていい?』って聞くの。我ながらあざといな、らんくん好きそうだな。
『ねぇ、らんくん?』
らんくんは椅子越しの後ろからのハグに少し驚きながらも作業を止めた。
「ん?」
『あ、甘えていい?』
「なにそれかわいい」
ほら、狙いどうりでしょ?
実はこさめがあざといことするのが苦手なことはだいぶ前から知ってる。そんなに得意じゃないのに頑張ってあざといを狙うこさめがかわいくて知らないふりしてるけど。
「甘えるってなにするの?」
『察してよ』
くぐもった少し掠れた声に少しだけ息が漏れる。
「おいで」
『らんく…んっ♡、ぁ゛、すきぃ』
「うん、俺も」
こうやって体を重ねるとあざとくなることも忘れて、素直に甘えてくるのがかわいすぎてやめられない。
『ぅ゛〜っ!?も、でるぅ』
『こしゃ、らんくんも…ぃって、ほしい゛っ』
そう言って力を入れて締めてくる。
「は、かわいい。」
やっぱりこさめには“あざとい“よりも“かわいい“の方が似合う。
普段から狙ってあざとくしなくてもこんなにかわいいのに。
『ぃぐッ〜、??!』
「っ、やば」
2人で同時に果ててから少し落ち着くと、こさめが俺の頬に手を当ててから唇を重ねてきた。
『すーきっ!』
ナチュラルのこさめも、あざといを作ってるこさめも、どっちもかわいくてどっちも好き
終
リクエストありがとうございました
コメント
3件
リクエスト答えてくださってありがとうございます!めっっっっちゃくちゃ好きです!!!
読み終わりました。この話、めちゃくちゃ良かったです……!「あざとい」を意識してるこさめと、実はそれをちゃんと見抜いてるらんくんの温度差がたまらなくて。特に「あざといよりもかわいいの方が似合う」のところ、らんくんの視点でちゃんとこさめの素の可愛さを見てるのが沁みました。体を重ねたあとのナチュラルな「すーきっ!」が、あざとさを忘れた本当の彼女って感じで尊かったです。2人の距離感が丁寧に描かれてて、ほっこりしました。