テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「……ああ、私の1000万ルクのエメラルドちゃん……」
自室に戻った私は、執務机に突っ伏して、亡き恋人を想うような悲痛な声を漏らした。だが、3秒後。私はガバッ! と顔を上げた。
(こうなったらプランCよ!……エメラルドが『凍結資産』なら、他で稼ぐしかないわ。……皇帝陛下は仰ったわよね? 『スラムを救え』と。……救ってあげるわよ。効率的にね!)
インク瓶にペンをドスッ!と突っ込み、用紙に数字を書き殴り始めた。
(現在、スラムの納税額はほぼゼロ。それどころか、わずかな配給と貧民病院で大赤字。ならばここに職業訓練所と学校を建設する。就職すれば所得税、企業が潤えば法人税。さらに住民を雇用し清掃をさせれば医療コストも削減……。計算上、スラム人口1万人の2割が就職すれば、半年後の税収見込みは――1億ルク!)
「……うふふふっ!」
薄暗い部屋で、数字の羅列を眺めながら私は口角を吊り上げた。
「お嬢様! さっきから目がバキバキで怖すぎですよ!?」
カチャッ! とハーブティーが机に置かれた。アンナだ。
私は書き上げたばかりの『スラム再生事業計画書』を高く掲げた。
「見てなさい。今にスラムを金のなる木に変えてあげるわ!」
「わあ、楽しみですね! お嬢様のガメつさ……いえ、商売魂なら、あっという間にうまくいっちゃいますよ!」
88
#ワンナイトラブ
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!