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 ※ty、gkの他ライバーさんが出てきます fw、kra
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「行ってきます」
 優しく微笑むとうやさんに少し違和感を覚えつつも元気よく見送る。
今日は朝からにこにこしているとうやさん。何かあったのかな、そう思ってもとうやさんは顔色1つ変えず俺に話しかけてくる。
昨日とはまるっきり違った表情を見てちょっとドキドキしている自分が居る。
髪の毛をぐちゃぐちゃにしながら考えるが、さっぱり分からない。
まぁでも、とやさんが元気なら俺はそれでよし!
 奴の遺体、早いこと片付けられそうだし、やっと僕達の邪魔をするやつが消えた。昨日まで自分にのしかかっていた悩みが一気に軽くなった。
がっくんとの生活を守るためにした事。僕は間違ってない。合法的な行為だ。
家出てきたばっかりだけど、早くがっくんに会いたいな〜
「ふふっ、」
 …。
 ⌜あの人か。⌟
 
 学校終わりのチャイムが鳴り響く。帰る人、部活動に行く人達を横目に学校の体育館裏にある焼却炉に向かう。
普段なら学校のゴミを捨てたりする場所。いつも煙たくて灰が舞っていて近寄りたくない所だが今という今はしょうがない。そこに鞄から取り出した黒いビニール袋に入れてある遺体を焼却炉に抗うこと無く入れていく。投げ捨てる度にドカッ、グチャッ、と聞こえるがそんな事は気に求めず手を進める。
ここで燃やせば、骨までも無くなるのだ。此方としては相当都合が良い。
スマホで時計を確認しながらもうこんな時間、と次の予定へ急ぐ。
いつもならそのまま家に帰るのだが、今日は違う。
がっくんとの生活の為に、バイトをする事になった。
今日が初めてのバイト。大丈夫かなぁ、
 「今日から入ります。剣持刀也です、よろしくお願いします。」
 まずは第一印象、と思い深く頭を下げる。
 ˹ じゃあ、今日から宜しくね、剣持くん ˼
 店長のシスタークレアさん。
とても清楚で感じの良さそうな人だ。
 ˹ 今日は、剣持くんに誰か着いてもらおうかな ˼
 ˹ じゃあ、不破くん ˼
 えっ、っと言わんばかりの顔でこちらを見つめていて、何故か申し訳なくなってしまった。
 ˹ 不破くんは、レジの打ち方とか、メニューの取り方とか、教えてあげてね  ˼
 ˹ じゃあ、みんな仕事に戻っていいよ  ˼
 ˹ 2人はお仕事、頑張ってね ˼
 ˹ ときどき見に来るから ˼
 行動、喋り方、全てが美しく感じる。相当ちゃんとした人なんだろうなぁ、と思う。
   ܰ  不破湊って言います、よろしくね!  ܱ
 なかなかにテンションが高い人だ。コミュニケーションを取るのが上手いし顔立ちも整っていて身長も高い。この店の中じゃ相当モテるんだろうなぁ。
   ܰ もちさんって呼んでいい?  ܱ
 一瞬、反応が遅れてしまった自分が居た。もちさん、僕のことだろうか。
断って気まずくなるのも嫌なので、承諾する事にした。
 不破さんに色々教えて貰いながら仕事をしていく。
   ܰ  じゃあ今日はこれで終わり! ܱ
 そう言われて時計を見る。時間はもう7時を回っていた。
˹ 初めてのお仕事、上手くできた? ˼
 透き通る声とともに、店長のクレアさんが現れた。
 ˹ 不破くん、剣持くんに教えてくれてありがとうね ˼
 ˹ 明日からもお願い ˼
 ˹ 2人ともお疲れ様、気を付けて帰ってね ˼
 そう言われ、初めてのバイトが終わった。
帰り際、不破さんに呼び止められ、連絡先を交換する事になった。明日もよろしくね!と言って颯爽と帰って行き、本当に人付き合いが上手な人だなぁと渋々思った。
 「あ、美味しそう、」
 家に帰る途中、美味しそうなケーキ屋さんを見つけた。
男子高校生1人ということもあって、何故か緊張して恐る恐る店の中に入っていく。 ショーケースに並べてある沢山の種類のケーキに目を通す。
 「これ、がっくん好きそう、」
 沢山ある中で選んだのはシンプルなショートケーキ。白いクリームから除くいちごが食欲を際立たせる。がっくんのケーキを決め、自分のケーキも見始める。
ふと、目が止まった先にあったのはいちごのクリームショートケーキ。
いちご好きだからか、テンションが上がってしまい、子供の頃を思い出した気がした。
 さっと会計を済ませ、ケーキを倒さないようにがっくんとの家へと急ぐ。
 10分程歩いて、自分の家が見えてきた。
 家の前で鍵を出そうと鞄をガサゴソ、としていると、目の前のドアがガチャ、と開いた。
 『とやさん!』
 「がっくん?!」
 突然がっくんが出てきて困惑しつつも、他の人に見られてたら、という気持ちに狩られ、急いで家のなかに入り、3段の鍵を全て閉めた。
 『とやさん!おかえり!』
 と言って、僕に抱きついてくる。それが可愛くてしょうがない。
 「ただいま、がっくん」
 ふふっ、と笑みがこぼれる。
 『とやさん、その袋なーに?』
 先程寄って帰って来たケーキ屋さんの袋を指さしてがっくん言う。
 「あ、これケーキ買ってきました!」
 ケーキ、と言う単語に目をぱぁっ!と輝かせる。本当に可愛い。
 「ご飯食べて、お風呂入ったあと一緒に食べましょ?」
 『うん!とやさんといっしょにお風呂はいる!』
 「ふふっ、一緒に入りましょうか」
 こんな他愛のない会話でも幸せが溢れる。
 「僕お風呂沸かしてくるのでケーキの袋冷蔵庫入れといてください!」
 『うん!わかった!』
 元気よく返事する所も可愛すぎる。
 ご飯もお風呂も終わり、楽しみにしていたケーキを食べる時間が来た。
テーブルに向かいあわせで椅子に座る。
 ケーキを箱から出し、2つのケーキに目を輝かせるがっくん。
 「どっちがいいですか?」
 『うーん、、』
 悩んでる所すら愛おしい。
 『どっちもおいしそうだけど、こっち!』
 がっくんはショートケーキを指さした。
 2人で手を合わせて、いただきますをする。
 台所から持ってきていたフォークでケーキを取って食べるがっくん。
 今にもとろけそうな顔をしていて、とても可愛い。
 がっくんが僕のいちごのクリームショートケーキをきらきらした目で見ている。
 「がっくん、あーん!」
 そう言って、がっくんの前にフォークですくったいちごのクリームショートケーキを差し出す。
 『んっ!』
 『おいしい!』
 ふふっ、と笑みがこぼれる。こんな顔されたらいくらでもあげたくなってしまう。
口の横に付いている生クリームが更に可愛くて、がっくんごと食べたくなってしまった。
 『とやさん!』
 『あーん!』
 そう言って、がっくんも自分のショートケーキを差し出してきた。
 「んっ!」
 「こっちもおいしい!」
 がっくんと居ると、自然とにこにこしてしまう。
 「さっきまでちょっと疲れてたけど、がっくんと居たら、疲れが軽くなった気がします」
 ふふっ、と笑ってみせると
 『とやさん、つかれてるのー、?』
 「大丈夫ですよ、ちょっと疲れてただけですから」
 『ためこむのよくない、!』
 『とやさんが元気になるおまじないする!』
 そう言って、自分の椅子から降りて、僕の膝の上へ来た。
 『とやさんこっちむいて!』
 そう言われ顔を近ずける。
 ちゅ、と唇同士がぶつかった。
 『げんきになったー、?』
 「ふははっ!、めっちゃ元気出ました」
 「じゃあ僕も」
 次は自分からちゅ、とさっきよりも深く口付けた。
 『ふはっ!とやさん甘い!』
 『いちごのあじー!』
 「がっくんも甘いですよ!」
 「生クリームといちごの味!」
 『ほんとー?ふははっ!』
 「ふふっ、ほんとですよ!」
 2人で笑みがこぼれる。
 自分には勿体ないぐらいの幸せ。がっくんが隣にいて、一緒に笑い合える。僕の、僕だけのがっくん。甘くて、幸せで、それ以外のものは要らない。がっくんの苦い過去だって、忘れるぐらい、今を甘く、どろどろにとろけるぐらい、僕が愛してあげるから。僕の愛しい人。
 がっくんとのキスの味は、甘くて酸っぱい、幸せの味だった。