コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
去年の冬、その日は雪だった。
alf)アン〜
…あれ、いつもならすぐ来るのに。
寝床にもいない。キャットタワーにも、どこにも。
alf)アン!?アン!どこ行った、!
僕は急いでリビングに降りた。
drs)もう、なんで言ってくれなかったの、こんなに怪我して…
mob)だって…迷惑かけたくなくて。
hmt)全然迷惑じゃないよ。
alf)兄さんっ、アン見かけなかった!?
hmt)よくもあのクソ猫を!あいつがモブを引っ掻いたんだ!
……え、なんで、
alf)嘘や!アンはそんなことしない!!
人懐っこくて、噛んだり、引っ掻いたりしなかった。
hmt)見つけたら殺処分だ。
alf)有り得んよ!!アンははめつ兄さんからもらったんだよ!?わかってるでしょ……
hmt)人間は変わる。猫なんてなおさらな!
…連れてきたのはあんた達だ…
愛されてなかったのは、僕だけじゃなかった。
alf)見つけたら…一緒に出ていく。
そう言って僕は庭に走った。
snm)…さっき、ちょっときつかった…
drs)行こう。見てこよう。
〜
外は暗くなっていた。
それでも構わない。アンが見つかるなら。
alf)アンー!!アンどこー!!!アン!
ゴミ箱のそばに血が溜まっていた。
alf)…まさか、
アンは見つかった。
それも、最悪な形で。
alf)アン!!!!!
無惨な姿でゴミ箱にほたり込まれ、上からぬいぐるみで蓋をされていた。
alf)っ、なんで……なんでここまで…
mob)もう悲しまないで?
皆が歩いてくる。その中でモブは、僕にだけ聞こえるように囁いた。
mob)プレゼント、気に入った?
そう言って微笑む。
alf)…お前か……お前がアンを……
今までにないほどの殺意が沸いた。
alf)○してやる!!!!よくもアンを!!!
泣き叫びながらモブの肩を掴んで揺さぶった。
hmt)おいあるふれ!!気でも狂ったか!!
頬に痛みが走る。
でも、そんなもの気にしてられなかった。
alf)っ、あいつがアンを○した!!!
mob)違うよっ、なんで濡れ衣着せるの!?
hmt)ちゃんと猫を見てもなかったくせに、他人のせいにすんなよ!!!
hmt)もう1匹買ってやるから…
snm)…外は寒い、もう帰ろう
alf)……帰れん、帰れんよ…
4人が帰ったあと、僕は泣きながらアンを埋葬した。
雪が降りしきる中、冷たくなったアンの隣で、ずっと涙を流した。
alf)…怖がらないで…アン…すぐに、行くから…
急にめまいに襲われ、気を失う。
ただ、倒れなかった。しなみ兄さんが傘を持って迎えに来ていた。
しなみ兄さんの足に寄りかかる形で、僕は意識を手放した。
snm)…!あるふれ…?あるふれ、っ…!
〜
alf)……恩返しに、なるかなぁ…
slk)…心配されますよ…皆さん…
alf)…ふふ、そっか……もっと早く見たかったな…
目隠しを付けられ、最期の会話をする。
もう、何も怖くない。
アン、待ってて…
alf)…そっちに行ったら、2人で沢山遊ぼうね…苦しかったよな、寂しかったな…
alf)最期に、そばにおれんでごめん…
被験者の社長の弟は、安らかに微笑んでいた。
slk)……社長…なにしてるんですか…ほんとに、
唇を噛み締めながら、まだ若くして、眠る選択を選んだ儚いその子を見送った。
続く