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ちゃす!るーあです!
続き!
まあ見ていって
次の朝、俺はトルテさんに連絡を入れた。
『昨日のこと覚えてる?』
意外と返信は早かった。しかし、その返信に思わず苦笑してしまった。
『ちゃんと服着てたよ』
いつものトルテさんだった。この様子だと覚えてないんだろうなぁ
そう思うとなんだかまた笑えてきた。
『違うよw俺に鍵渡してきたんだよ、覚えてる?』
今度は少し返信に時間がかかった。そして返ってきたメッセージにすごく驚いた。
『覚えてないけど、あげるわ』
そして続けてメッセージが届いた。
『てか、送ってくれたのはありがとう、水も助かった』
トルテさんにしては珍しくお礼のメッセージだった。
昨日俺は弐十ちゃんにとんでもない事をしていた事が発覚した。鍵を渡していたという…
昨日俺はとんでもなく酔っていたのか…
照れ隠しのように送ったお礼のメッセージ。らしくなくて気持ち悪い。本当に嫌い…お前が女だったらよかったのに…そしたら…気持ち悪いとか思わなかったのに…思えなかったのに…!
アイツからの返信が来た
『別にいいよ、てか体調大丈夫?』
あくまでも誰にでも優しいアイツが本当に憎くて…愛おしい…
その愛情が俺にだけ向けられたら…なんて…
その数日後
アイツからメッセージがあった。
『ご飯行こ!』
端的で短い文。
『あと、明日家行くね』
さも当たり前かの様に来る報告をしてくる。
『じゃあ、○○に○時に集合ね!』
これで俺が行かなかったら、どうすんだよw
俺は返信せず、既読だけ付けといた。
トルテさんは約束の10 分後に着いた。
「遅いよ!トルテさん」
すると、不服そうな顔をして
「お前が勝手に決めたんだろ」
と言う。それでも来てくれるトルテさんは優しい。
一頻り料理を食べると、トルテさんは帰ると言った。
理由を尋ねると
「だってお前明日来んだろ?」
咄嗟に出た本音。明日は大事な日にしたいから家に帰り眠りにつくよ。
本当はもっと一緒にいたかった…
「えぇ、じゃあ明日早めに行っちゃっお!」
少し困った様な鬱陶しい様な顔をした。
けど、それ以上に嬉しさを含んだ顔だった。
…
トルテさんはきっと誰かに恋をしている。
君の頬に残る恋の色をなぜだか気付かないふりを続けてる。
堂々巡りの会話、俺とトルテさんの会話が終わらない様に靴を履いて、今日はさよならした。
ピンポーン
朝の9時、いつもならまだ寝ている時間にアイツは来た。
合鍵持ってんだからインターホン鳴らすなや
と思いつつ、無視し続けてたら、鍵が開いた。
「いるなら、開けてくれればいいのに…」
ボソッと独り言を言うとまだ半分寝ている俺に
「朝ごはん届くようにしといたから」
と言う。
「いらなし、寝る」
当たり前の様に家にいるし、当たり前のように一緒にご飯食べようとするし、本当に…なんなんだよ…
こんなに関係性が深くても一方通行。だから、曖昧な距離は今日だって、いつも、明日だって、きっと一生ぼやけて変わらないし、それなら、俺のままでいた方がきっと…いい