TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
シェアするシェアする
報告する

「ねぇ遥、始めちゃって大丈夫なの?」

「それともやっぱり…」

『悪者なの?』

多分菜々は次にこの言葉を出すだろう。

「今その話しなくていいだろ」

そう思っていたら海夏人が菜々の言葉を遮った。

「私、ぬいぐるみがある場所が分かるよ」

そう呟くように言うと

「どこ?!」

「早く教えて!!」

そう言いながら2人は私の肩を激しく揺らす。

「ストップストップ..」

慌てて陸が止めた。

じゃなきゃ、教える前に脳震盪で

気絶していただろう。

「2階のクローゼットの奥に広い空間があるの」

「クローゼットのドアを1度閉めたら、その裏側に丁度ぬいぐるみが入る位のくぼみがある」

「多分、そこにあると思う」

よく私が大切なものを隠して

秘密基地にしていたクローゼット。

「でもmiカちゃんはどうやって避けるの?」

それは..,分からない。

みんなしてうーんと唸っていると陸が口を開いた。

「今、miカちゃんが居る場所がそのクローゼットだとする」

「そしたら1階に降りてきたタイミングで急いで俺たちが2階に行けばいいんじゃないか?」

確かに行けそう。

だが、

「あの階段、きしみの音がすごいうるさいんだよね」

だから───

そう作戦会議をしていると、

【sスタt&@/-?ート」¿】

と家中にmiカちゃんの声が響いた。

ついにゲームが始まってしまったのだ。

「続きは通話してやろう」

そう言って海夏人は真っ先に

どこかへ行ってしまった。

「僕らも早く隠れよう」

「菜々はこの家に詳しい遥と一緒に隠れろ」

そう言って陸もどこかへ行ってしまった。

「敵かもしんない奴と一緒だなんて最悪…」

ぶつぶつと菜々が呟いているが、

あまり聞こえない。

その時、

【〜♪】

とmiカちゃんの鼻歌らしき声が微かに聞こえた。

「こっち!!」

私は菜々の手を引っ張って隠れる。

隠れた場所は押し入れの上の屋根裏部屋。

ここは昔、おばあちゃんが壊してしまって

空いた穴である。

ここに隠れたのはいいけど、

大事なことを思い出した。

ここは壊れやすいということ。

万が一、少しでも動いたら床が抜けて

和室の部屋に落ちてしまう。

「ここ危険だからあんまり動かないでね」

私がそう言ったと同時に菜々と私のスマホから大きな音が流れる。

「きゃあ!!」

そう叫んだ菜々の口を慌てて私の手で塞ぐ。

海夏人からのグループ通話の通知だった。

【nn何iかkak63/物音が¥gした気が…】

そう言って和室の部屋に入ってくるmiカちゃん。

私たちのすぐ下に居る。

「こんなとこ早く逃げようよ!!」

そう言って菜々が動いた。

途端、すごい音と共に床が抜け落ちる。

そしてmiカちゃんの目の前に菜々と私の姿が

晒された。

【みーつけた!】

見たことないくらい不気味な笑顔でそう言った後、逃げる菜々の足を引きちぎり、

ぐちゃぐちゃと喰った。

ただ悲鳴をあげるしかない菜々を

私は呆然と見ていた。

「あ”…ぁ…」

そんな言葉を吐いた後、

菜々はmiカちゃんの大きな口の中へ消えた。

『次は私の番だ』そう思ったが、

miカちゃんは私に目もくれず、

どこかへ行ってしまった。

まるで私が見えていないかのように。

loading

この作品はいかがでしたか?

12

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚