俺はいつものように数匹のゴブリンにイジメられていた。
「雑魚ゴブリンが!小鬼族の恥さらしなんだよ。外出歩くなよ、恥ずかしいだろww」
1匹のガキ大将的なゴブリンが叫び俺を1発殴る。
このゴブリンの取り巻きの奴らも笑いながら俺に石を投げつけている。
すると
「やめなさーい」
イジメられている俺をゴブリナ(メスゴブリンの進化系)のリアナが助けに来てくれた。
「クソ!リアナには勝てない、ずらかるぞ」
リアナはゴブリンの進化系だから一般のゴブリンでは勝てないためリアナが来ると俺をイジメていた奴らは逃げ出すのだ。
「大丈夫?」
また心配されてしまった。
「大丈夫だよ、別にこのくらい」
と俺が返すと
「そんなボロボロで言われても信じられないよ」
この会話もほぼいつもしている。
この世界では名付けられた魔物は進化する。
だが名付けた魔物は自分の魔素を与えることになる。
そのため場合によっては魔素が回復せずに弱体化したり、最悪死に至る可能性だってある。
リアナは親が病死するときに名前を付けられたらしい。
「どうしたの?どこか体調悪いの?」
「大丈夫、少し考え事してただけ」
そのとき
「おーい、みんな聞いてくれー!」
慌てた様子で小鬼騎乗者(ゴブリンライダー)が帰ってきた。
「どうした」
急いで村長が駆けつけた。
「人間たちがこっちに向かってきている。」
みんなが慌てていると
「人数は?」
と村長が聞き返した。
「約50人です。」
皆が騒ぎ始めた。
「落ち着け、皆の者。村の精鋭を集めろ、迎え撃つぞ。」
村長がそう言い放つ。
「正気ですか村長、50人ですよ。勝ち目がありません。」
1匹のゴブリンが反論する。
「あぁ、勝ち目はない。」
「じゃあなんでですか。」
「戦える者が人間たちの相手をしている間に戦えない者を逃がすんだ。このまま全滅するくらいならなるべく多く逃がす方がいいだろう。」
村長の言葉に皆は黙り込んだ。
「分かりました。皆急いで準備しろ!」
逃げる者たちと戦う者たちが分けられた。
俺は逃げるチームに分けられた。
リアナは逃げるチームの護衛に選ばれた。
戦うゴブリンたちは村の入口で待機している。
すると村に火矢が打ち込まれた。
もう人間たちは到着してしまった。
戦っている仲間たちが足止めしている間に俺たちは出発した。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!