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「よく分かりませんが、勝ったんですか?」
「朱里の赤に、二十六歳の二十六……は黒だから、今年二十七になると思って。運試しのストレートアップとストリートで勝った」
「えええ! 凄い!」
私は小さく拍手する。
「俺は黒メインで賭けて、朱里ちゃんにあやかって赤にも入れておいたから、ちょっと勝てたよ」
涼さんはそう言い、恵に向かって「隣においで」と手招きする。
次のゲームは私たちもベットする事になり、どこにどう賭けようか緊張してくる。
「初心者は無理しないで、アウトサイドベットで大雑把にいったほうがいい」
尊さんはそう言って、もう一度外側のマスの説明をしてくれる。
「じゃあ、ちょっと冒険して赤の奇数でいってみます!」
それを聞いた恵も、決意を固めたようだ。
「なら私は黒の偶数で」
「俺も恵ちゃんにあやかって、黒の偶数、ファーストダズンで」
「えっ、やだ。外したら気まずいので、相乗りやめてください」
「まぁまぁ、当たっても外れてもゲームだから」
「お金かかってるんですよ……」
そんな会話を聞きながら、私と尊さんもベットし終わり、結果が出るのを待つ。
結果、黒の10が出て、恵も涼さんもドンピシャだった。
「あぁ~、楽しいけどドキドキする。これ、嵌まったらヤバイですね」
「まぁ、あと二、三ゲーム楽しんだら次行こうか」
尊さんにそう言われ、私たちは少しずつ理解してきたルーレットを楽しみ、テーブルを離れた。
ブラックジャックは、カードの合計が二十一に近い人が勝つシンプルなゲームだ。
最初にディーラーさんからトランプを二枚配られ、足りないと思ったら一枚さらにもらう事ができる。
ディーラーさんは合計点数が十七以上になるまでカードを引き、プレイヤーと勝負する。
なお、二十二以上になると負けで、同点は引き分けだ。
エースは1、2から9はそのまま、10以上の絵札は10として数える。
二十一ぴったりを〝ブラックジャック〟と言って無条件で勝ちになるけれど、ディーラーさんも二十一だった場合は引き分けだ。
「神通力よ、きたまえ……」
私はうんうんと唸っていいカードがくるよう祈り、欲張って三枚目をもらっては、二十二以上になってしまう……を繰り返していた。
尊さんと涼さんは慣れているからか、追加のカードをもらわない引き際を弁えている。
私と恵がおっかなびっくりプレイしている横で、彼らは楽しそうに遊んでいた。
「ちょっと……、頭使わない奴やりたいです」
期待と不安、そして安堵と落胆を繰り返し、頭の中はショート寸前だ。
「んじゃ、スロットでもやるか」
「スロットって、パチンコ屋さんにもある奴ですか?」
私はテレビに出ていた芸人さんの真似をして、親指でボタンを三つ押す真似をする。
「パチスロは、基本的に同じ機種ならどの台でも確率は同じなんだ。カジノのスロットは、小さな当たりが沢山出る台と、当たる確率は低いけど大当たりの出る台とがあって、カジノスロットは現金を入れるのが主流だね。パチスロは現金をメダルに変えて、それで遊ぶ感じ。あと、ボタンを押して自分のタイミングで止める事はできないんだ。勝手に機械のほうでリールが止まるのを待つだけ」
涼さんに説明され、私と恵は「ふーん」と頷く。
「プログレッシブジャックスポットっていうのが、大当たりのマシーンなんだが、他のプレイヤーのゲームで勝率が積み上げられて、ネットワークで繋がった結果、どこかで大当たりが出る仕組みだ。勝った時は数十億とかだな」
「うぇー!」
私たちはあまりの金額にビビり、手を握り合って後ずさる。
「地道にコツコツ……だよね?」
「んだ」
そのあと、何回かルーレットで遊んだけれど、私も恵も徐々に疲れてきてしまっていた。
普段賭け事はしないし、リスクの高い事と思っているので、慣れない世界に身を置いて気疲れを感じている。
勝った時は勿論嬉しいけれど、当たりかハズレかでドキドキするのと、ガクッとした時の落差に、心がついていかない。
普段、なるべく感情をフラットにして生きようとしている分、気持ちが上下するのに疲れてしまったようだ。