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wrwrdにわか
シャオロンside
正直に言うと
俺はゾムのことが苦手だった
嫌いとかじゃない
ただ――距離感が分からなかった
会議には必ずいる
グルッペンの隣に立つことも多い
でも発言は最低限
視線も合わない
話しかけても短い返事だけ
(……俺らとは、住んでる世界が違う)
そう思ってた
あの時も最初は何が起きたのか分からなかった
ゾムが突然執務室に飛び込んできて
息が荒くて
手が震えてて
――あのゾムが
(……冗談やろ)
それが最初の感想だった
ゾムは戦場にも立たなくて何もしないのに何故か圧があって顔も見えんくて 近づきがたい
そういう存在だったから
「もう独りはいやや」
その言葉を聞いた時
頭が一瞬止まった
(……は?)
“もう?”
独り?
(……ゾムが……?)
あの人が?
幹部で グルッペンと古い仲で 戦えないけど“特別”で
(……独り……?)
意味が分からなかった
ゾムは泣いてなかった
声は荒れてたけど 涙は出てなかった
だから余計に―― 怖かった
(……あ…これ)
(……相当無理してるやつや)
中身が追いついてない
シャオロンはその時 初めて後悔した
(……俺)
(……こいつのこと、何も知らんまま)
(……勝手に決めつけてた)
ゾムが執務室を出たあと
トントンがいつも以上に静かだった
考え込むときの あの顔
(……あ)
(……トントン、何か気づいたんかな)
シャオロンはそれ以上踏み込まなかった
踏み込めなかった
だって―― 怖かったから
俺はずっとゾムを何もできない人…
そう思ってた
だってゾムは、 戦場に出ない、 武器を持たない、 指揮もでさない、みてるだけ
だから、
(……守られてる人)
(……甘い立場)
そう無意識に評価してた
でも、 あの時のゾムは
誰よりも 必死だった
数日後
ロボショピチノとゾムが 少しずつ話してるの を見て
(……あれ)
(……ゾムってあんなふうに笑うんや)
薄い作り笑いじゃない
目がちゃんと動いてる
(……あんな顔できるんや)
胸の奥が チクッとした
知らないからこそ…怖い
俺はゾムのことを 何も知らない
でも
知らないからこそ分かったことがひとつある
(……ゾムは)
(……“独り”になるのを異常に怖がってる)
それは 弱さじゃない
生き延びてきた証だ
シャオロンは思った
(……俺)
(……ゾムに話しかけようともしてなかったな)
怖いから
分からないから
距離があるから
それを理由に…
(……あかんやろ)
胸の奥が じわっと熱くなる。
シャオロンは決めた
(……次、会議で)
(……俺から話しかてみよ)
気の利いた言葉じゃなくていい
過去を聞かなくていい
ただ――
「最近、どうや?」
それだけでいい
トントンside
ゾムが執務室を出ていったあと
部屋に残った空気は妙に軽くて妙に重かった
トントンは何も言わなかった
シャオロンはまだ呆然としているし
グルッペンは書類に視線を戻している
――今、言うべきじゃない
そう判断したのは理屈じゃない。
直感だった
「もう独りはいやや」
その“もう”がずっと引っかかっている
(……“もう”って……)
ゾムは言っていた
「1人じゃなかった」
「俺はそこにいた」
「記憶に残っている」
なのに
「もう独りはいやや」
(……一度は“独り”だと感じた瞬間がある……)
トントンはそこを誰にも言えなかった
言えば
詮索になる
過去を抉る
ゾム自身の否定になる
そんか気がしたから…
(……でも……)
(……完全に無かったことにはできへん……)
トントンはその夜眠れなかった。
数日後.グルッペン執務室
夜
執務室にはグルッペンとトントンだけ
書類整理を終えグルッペンがふと口を開いた
グルッペン「……トン氏」
トントン「はい」
グルッペン「ゾムの時何か引っかかった言葉があるんだろう?」
トントンは一瞬黙る
(……バレてる……)
トントン「……一言だけです」
グルッペン「言え」
トントン「“もう”です」
グルッペン「……」
トントン「『もう独りはいやや』の“もう”」
トントン「……その言葉が気になりました」
グルッペンはしばらく黙ってから椅子に深く座り直した
グルッペン「……なるほどな」
グルッペンはゆっくり言う。
グルッペン「ゾムはな」
グルッペン「独りになったことはある」
トントン「……」
グルッペン「だが」
グルッペン「一人になったことはない」
トントンははっきり息を吸った
トントン「…」
グルッペン「細かい話はしない」
「俺が知ってるのも全部じゃないからな」
そう前置きしてから
グルッペン「ゾムは6歳の時に拾われた」
トントン「……6歳……」
グルッペン「元総統がな」
グルッペン「いや…拾われたよりも貰ってきたのほうが正しいかもしれん」
トントン「……貰う……?」
グルッペン)「…詳しくは言えんが実親からな」
トントン「ッ…」
(惨いことする親もいるんや…)
グルッペン「ある日な何も説明せず、ただ使える道具を増やすように」
トントン)ゴクリ
グルッペン「軍に来てからはなぁ…ゾムからしたら地獄だったと思う」
淡々と
「訓練」
「訓練」
「訓練」
「先輩からのいじめやいびり」
「“拾われもん”だったからな」
トントンは無言で聞く
「最初のゾムは酷かったんだ…超絶な」
「口悪いは命令聞かんは気に入らないことがあったらすぐ暴力や言葉で論破」
「元総統以外命令以外無視が当たり前」
「有能で頭の回転も早かったからな誰も何も言えんかったんだゾ」
トントン「……今と……全然……」
グルッペン「そう、別人なんだゾ」
短く言いきる
「ほんとに結構がちめの問題児だったんだゾ」
「だがな」
「ある奴に出会ってゾムは変わった」
トントン「……?」
グルッペン「名前は出さん」
「トン氏は名前だしたら調べそうだからな」
トントン(そりゃ気になるんやし当たり前やろ)
心中でそう思った
グルッペン「そやつのおかげで」
「ゾムは我慢を覚えた」
「考えるようになった」
「“子供として”“人として”な」
「ゾムは15で少佐」
トントン「……は?」
思わず声が出る
トントン「15歳……?」
グルッペン「18で大佐」
トントン「……」
言葉を失う
(階級制度なんて今はあらへんけど18で大佐って…ぇ?けっこうすんごいことやけど…ほんまにあのゾムの話か…?)
(戦場にも立ってへんのに…..いやもしくは昔は立ってたのか…?)
(…下手な探りはやめておこう)フルフル
グルッペン「今は階級制度はなくなって幹部だけだけどな」
「そやつはゾム自身にとって初めて何かを教えてもらったひとなんだゾ」
「ゾムもすごく懐いてた」
「まぁすぐ喧嘩や言い合いするコンビだったけどな」
トントン「…ゾムにとって大切な人だったんだな…その人は今どこに?」
グルッペン「…もう何年か前に戦死した」
トントン「ッ…!?」
トントンの指が少し動く
グルッペン「ゾムは初めて何かを教えてもらった人を失った…そいつが亡くなってからはすごかったんだゾ」
「荒れるは寝ないは外にはでないは…そやつが死んだことを自分のせいにするように…」
「だが半年後…なぜか元…いやそやつがいた頃のゾムに戻ったんだゾ」
「そしてそこからだ…ちゃんと自分1人で考えるようになった…」
トントン「…」ホッ
グルッペン「でもその時ら辺からだ」
「どんどん戦争が活発化していきどんどん周りが死んでいった」
「部下も、仲間も、民も…」
「結果」
「ゾムは“独り”になっていった」
「それでもゾムは」
「“独り”にはならんように足掻いた」
「周りが死なないように」
「世界から消えないように」
「……でも突っ走った結末は孤独だった」
トントンは静かに頷いた
トントン(……だから……)
(“もう独りはいやや”なんや…独りをもう経験してるから…)
「……ゾムは」
「過去に“独り”になった」
「でも……」
「“1人”で生きたことは、無いか…」
グルッペン「そうなんだゾ」
「だからあいつは今でも」
「誰かの記憶に残ることを異常に求めている」
「が…あいつは子供時代をろくに過ごしてないからな」
「今でも友達の作り方、喋り方、誘っていいのかどうかわかっていない」
トントン「…不器用なんやな」
グルッペン「昔からだ…手先や行動言動は器用だったが、どうも人の感情や思いがはいると何をしたらいいかわからないらしいんだゾ」
トントン(そうか…そういうことか…)
(俺たちとどう関わればいいかわからなかったってことか…)
トントンは少しゾムのことを理解した…
これは理解した“つもり”じゃない列記としたゾムへの理解だ
おまけ
グルッペンに相談してたゾムさんの話
ゾム「…どッッうしても、なんだかなぁ…人の感情とか思いがはいるとどうしていいかわからなくなるんよなぁ」
「ほらなんか人によって考え方や物事のとりかたは違うやん」
「否定されたら…怖がられたらどうしようって思ってまうんよね」
グルッペン「ふむふむ」
「確かに人はそれぞれ違うんだぞ」
「でもな完璧に奥底とか人の思ってることをわかる人間なんていやしないんだゾ!」
「もし否定されたり怖がられたりしたらそいつはゾムのことをちっともわかってないクソ野郎なんだゾ!」
ゾムはポカンと珍しく目を見開きながら驚いた顔をしていた
ゾム「…」
「プハハハッそうやなッ笑、きっとそうや」
「俺のことちっとも知らんくせに否定するクソ野郎やな笑笑」ニカッ
嗚呼、お前のその笑顔が俺にとっての原動力でありまだ世界に光が満ちている印にもなるんだゾ…もう二度とあんな顔させないんだゾ
そう神に誓ったグルッペンだった
なんか誤字脱字ありそうで不安…😣
次回どーしようーーーーっと毎回思いますね
もうまじでほんとに見れば見るほど魅力されていきますねwrwrd…なんでぇ…..まぁここで何か言っても変わることはないですしね…受け入れていくことも大切ですしね、はい…しかもまだ本人たちが消えたわけではありませんしね。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎…1000 🫰
お願いまします🙇🏻♀️՞
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