テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
朱雀視点。
せいめいくんに呼び出された。
別に、特別何かがある話では無いんだろうなって。
ただの雑談?みたいな?
『はいはーい』
『来たよー』
『で、話ってなにー?』
「あぁ、朱雀」
「待ってたよ」
せいめいくんはいつもの調子で言う。
軽く手を振って、僕の方を向いている。
「さっそく、本題に入ろうか」
重苦しい空気はなかった。
別になんの意識もしてない。
僕はあぐらをかいて耳を傾ける。
「……僕の愛し子を、救ってあげてね」
…………は?
前言撤回。
重苦しい空気が、
ずどんと部屋を埋めた。
愛し子を救ってあげて?
そもそも、
『せいめいくん、子供いるの?』
「…いや、そこじゃないけど」
いやいや、そこでしょ?
「………これから僕の大切な子ができるんだ。」
「だから、その子が困った時には、」
「*朱雀*が助けてあげて」
…………、?
話が入ってこない。
僕は一体何を言われているんだろう?
『……んー、理解できてないんだけど…?』
少し間があいた。
それから、
「それでもいいよ。」
「いつか分かる。」
「だから、その時は*朱雀*が助けてあげて。」
うーん。
1つ唸り声。
『やだよー』
『面倒くさそうだもん』
『そもそも何で僕ー?』
せいめいくんが僕の目を真っ直ぐ見る。
「*朱雀*にしか頼めないから」
………僕にしか頼めない。
まぁ、ならやってあげないこともないけど。
『その代わり覗きスポット教えてねー』
せいめいくんの目は少し細くなった。
「分かったよ。道満に聞いてみる」
はは、やった。
交渉成立。
まだせいめいくんの言ってることの理解はできてないけど、いつか分かるかな。
だなんて呑気なことを考える。
それから、日々を過ごしていく。
せいめいくんの言葉はとっくに僕の頭からは抜け落ちていった。
特に意識もしてなかったし。
とある日。
「燃え尽きましたか」
あぁ、燃え尽きたさ。
燃え尽きた炭のような真っ黒の羽。
前は赤色。
綺麗な色だったのにな。
ふと思い出す。
せいめいくんの言葉。
──朱雀が助けてあげて。
約束、守ってあげられそうにないや。
だって、僕は堕ちたんだ。
もう朱雀じゃない。
はは。
ごめんね。
破っちゃって。
叶えてあげられたら良かったのにな。
君の助けたい人、
僕が助けてあげられたら良かったのにな。
──しょうがないなぁ
──じゃあ、僕が果たしてあげる。
…………誰?
だなんて、
口にすることもできずに意識を手放した。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!