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「ええっ?今夜泊るホテル・・・とってないの?」
深夜も11時・・・シオンから意外な言葉を聞いて思わず桜子が驚いた声で言った
「ハイ・・・だってどれぐらい桜子さんと一緒にいられるかわからなかったから、こんなに遅くまで付き合ってくれるなんて思ってなくて・・・あっ、僕は・・・ほら近くのネカフェで時間潰して早朝の新幹線で帰ります、そう思ってこの近くのネカフェの会員登録したんです」
そう言って彼はスマホのネットカフェのメンバーQRコードを見せた
「僕のことは気にしないでください、一生の記憶に残る・・・素敵な思い出が出来ました」
彼は微笑んだ
―一生の記憶なんて・・・大げさなんだから・・・―
実際会ってからシオンは一緒にいてとても楽しい相手だった、愛嬌があり、良く笑い、桜子が彼を喜ばせようと用意していた事全てに十分過ぎるほどのリアクションを見せて楽しませてくれた
まだ彼とお別れしたくない・・・素直に桜子は思った・・・今だけは、女性漫画のコミカライズ企画も新作も柚原望のことも「匿名掲示板」のことも・・・どうでもよかった
こんな気持ちになったのは始めた、油断しているとシオンの何かに引っかかって転びそうになり、つんのめった拍子に十歳年上の女とは思えないような言葉が飛び出しそうになる
シオンが顔を傾け・・・じっとこちらを見て言った
「本当に・・・桜子さんお忙しいでしょうから好きな時間に帰って下さい、僕は男だし、適当に時間潰しますんで・・・」
彼の肩越しに大阪のビルの明かりがキラキラ煌めいている・・・まるで彼が輝かせているみたいだ、実際そうなのだろう、見慣れた大阪ステーションの夜景も、いつもは煩いと思う街の雑踏も
彼といると全てが恋愛映画のワンシーンのように感じる、視界にうつる彼の背景は全てAI加工のようにキラキラ光輝いている、まだ彼と一緒にいたい、一緒にいれるならどこでもいい
「ねぇ、シオン君、私のマンションここから近いから泊らない?」
「ええ?」
驚いたシオンの瞳が怪しく光った
「だっ・・・だって・・・新幹線の始発まであと数時間だし、うちには客間があるから・・・ネカフェよりずっとくつろげると思うの・・・」
「いいんですか?」
シオンが桜子の目をじっと見つめて少し詰め寄って来た、桜子は鼓動が速くなり、あわてて言い訳をした
「ほっ・・・本当に・・・その・・・変な意味じゃなくて・・・私ももっとお話ししたいし・・・」
シオンがとびきり素敵で誠実そうな笑顔を見せて言った
「嬉しいです、お言葉に甘えさせていただきます」
コメント
2件
桜子思い切ったね!素敵な夜を✨️この先色々と打ち明けられる中になれるかな🥺
もうもう、この回すっごくドキドキしました…! シオンくんがネカフェの会員証まで準備してるの、誠実でありつつ「帰りたくない」って気持ちをにじませててズルいです(笑)。桜子さんの「どうでもよくなった」っていう心境の変化もすごく共感できて、夜景がキラキラして見える描写が恋愛映画のワンシーンみたいで素敵でした。客間があるからって誘うところ、年上の余裕と乙女心が混ざってて最高です…! 続きが気になります!